24日

2006年10月26日(木) 20時34分
お葬式当日

私は5時半起きだった。母さんは4時くらいに
目が覚めたらしい。父さんの妹はおじいちゃんの
ところのロウソクが消えないように神経を使って、
あまり寝られなかったと言っていた。
母さんは着物を着るといって近所の人に着付けを
してもらっていた。近所の人や親戚が来て
棺が霊柩車に乗せられて、父さんと母さんは一緒に
その車へ乗った。
私は後から親戚や近所の人とマイクロバスで
火葬場へついていった。

最後のお別れをして、おじいちゃんは火葬された。
2時間くらい、火葬が終わるまで控え室に通された。
ジュースやお菓子なんかが置いてあって、
近所の人なんかと話すこともないのに
ぼんやり話を聞いていた。

放送が入って
2、3人で先に確認に来てください
と言われ、父さんと母さんと父さんの弟が見に行った。
暫くして全員が骨の前に呼ばれた。
人間ってこんな風になるんだ・・・
って思った。なんだかもう分からない。骨のような
石のような・・・父さんと弟がツボの前に立ち
向かい側に親戚や近所の人が並んで箸渡しで
骨をつぼに入れていった。手が・・・震えた。
箸の持ち方がきれいじゃない私にとって、難関だった。
足のほうの長い細い骨を父さんに渡した。

全員が終わり、センターの人が残りを入れますといって
ちりとりのようなもので骨を集め始めた。
また、涙が出た。でも、目を背けないでしっかり見ていた。
ポタポタ流れる涙なんか気にしないで。
おじいちゃんは全部つぼの中に入った。

父さんが位牌を持ち、父さんの弟が遺骨を持ち、
母さんが写真を持った。
そのままバスに乗り葬儀場へ向かった。
ホールの中をみたら、それはそれは立派な祭壇に
果物、たくさんのお花で入りきらないほどだった。
きれいだった。
真ん中ではおじいちゃんの写真が和やかな顔で
こっちをみていた。10年も前の写真らしい。
でもそれは私の中のおじいちゃんのイメージ
そのものの写真だった。

入り口に親族が立つ。
そして来てくれた人に頭を下げる。
でも、私はそこに立つことが出来ないらしい。
父さんと母さん、父さんの妹夫婦、弟夫婦が
入り口に立った。孫の立場なんて弱い弱い血縁でしかない。
妹夫婦や弟夫婦なんてめったに来なかったし
じいちゃんの長い入院生活のうち、お見舞いになんて
数えるほどしか行ってないのに。
自分の位置が分からないまま、でしゃばることも出来なくて
ロビーで座ってた。どうしていいのか分からなかった。

暫くして、親族は席に座るように・・・と言われ祭壇の
ある部屋へ入った。男女に分かれて左右に座り、
私はじいちゃんの一番近くへ案内された。
何人もの人がお焼香にきた。知ってる人も知らない人もいた。
母さんの仕事場の人、ばあちゃん、近所の人
何人もが通り過ぎ、そのたびに座ったままペコペコお辞儀した。
ばあちゃんが言っていた。
「米搗きバッタのようにペコペコする」というセリフが頭を
よぎっていた。
式の時間になり、入り口にいた6人が席に着くと
お坊さんが4人来てお経をあげはじめた。
うわさには聞いていたが・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
一番偉い坊さんのお経が異常に下手だ・・・。
人生で初めてお経を読むにも上手い下手がこんなに
分かるものなのかと思った。横に控えていたお弟子さん
(母さんいわく小坊主)のほうがよっぽどいい声で、
よっぽど上手かった。
じいちゃん・・・このお経で大丈夫かな・・・なんて本気で
思いながら聞いていた。
木魚にシンバルのような楽器を打ち鳴らし、4人の声が響く。
座っていた全員がお焼香をして、電報を紹介、じいちゃんの
経歴が読まれる。初めて知ることも多かった。
父さんも知らないことも、センターの人が調べてくれた
らしい。教員生活、戦争、また教員として復帰、
色んな役員をこなしていたらしい。


最後にホールが暗くなり、祭壇だけが照らされた。
そして、じいちゃんとの思い出が語られた。
前日に母さんと父さんの妹、私の三人で書いたことがらだから
知っていることなのに、語りの人が上手くアレンジして
読むもんだから、涙が止まらなかった。

「お孫さんのゆえさんと一緒にウサギの飼育をなさり、
一番可愛がったのはおじいさまだったとか。」
「お孫さんのゆえさんとお嫁さんの(母)お誕生日は必ず
覚えていてお小遣いを下さる優しいお人だったそうです。」
それ、昨日書いたじゃん!って突っ込むアタシがいたけど
どうにもならなかった。
嗚咽が出るほど泣いた。母さんも泣いていた。
この思い出が分かるのは、血のつながってる子供
じゃない、全然血縁なんかじゃない母さんと私だけだ。
短い紹介だった。すぐ明るくなって式は終わったけど、
立てなかった。

すぐトイレに駆け込んだら目が真っ赤だった。
まだあふれ出る涙を拭いて外に出た。
このあと初七日も済ませるために食事をしなければならない。

知らないおばさんに声をかけられた「あなたが、ゆえちゃんね?」
何だか分からないままペコペコ頭を下げた。
誰よりも泣いてたから・・・分かったんだろう。
近所の人にも色々声をかけられた。そのたびに
私は泣いてしまった。

食事の席につき、坊さんの挨拶や、近所の人からの言葉
を聞いた。そのあと喪主の挨拶で、父さんと母さんが前に出て行った。
まったく、父さんはヘタレだった。。
長い文を考えてもらったのに、猛烈に短くなってるし
同じフレーズ二回言うし。。あとで母さんに言ったら
大爆笑だった。
でも、父さんはよく頑張ったと思う。
人に気を遣うようになったし、優しくなったと思う。
それはじいちゃんとは関係ないのだろうけど。
とにかく終わった後うちのバカ親は二人で
互いを「気が利く」と言って誉めあっていたので
なんだか笑ってしまった。

食事が済んで家に帰り納骨することとなった。
父さんも母さんも知らなかったが、数年前立てた
うちのお墓にはちゃんと骨を入れる場所が作ってあった。
(近所の人が見つけてくれた)
お線香を入れる部分をどかして下の石をどけると
空間が現われた。
そこに収められ、お墓参りをして長い一日が終わった。

親戚も夜には帰り、親と私だけになった。
がらんとした家。
病院に行けば逢えるのと、やっぱり違う喪失感。

ありがとうおじいちゃん。
何も孝行なんて出来なかったけど、この言葉が
届いてくれればいい。
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ゆえ
俊さん

うちのじいちゃんも痴呆がひどかったです。
買い物にひとりで行かせたら同じものを4本買ってきたり
夜中に大騒ぎしたり、同じことを何十回も言ったり・・・
入院してからも、隣のおじいさんの管を抜いたりw
食べ物を奪ったり・・・w

>肩の荷がおりた
まったく、その通りだと思います。特に母は相当きつかったはずで、
すぐに病院から呼び出しがかかるので、出かけるのも気がかり
だったみたいです。
でも歳をとって、誰にも「生」を望まれないのは悲しすぎるから
涙が止まらない自分にちょっと安心なんかしたりして・・。
火葬場は、きついですね。
私は今まで土葬のお葬式しか経験したことがなかったので
忘れられないくらい強烈に頭に残りました。
自分もいずれ・・・なんて思ったら余計あの大きな機械が
怖くてたまらなかったです。

じいちゃんのこと、忘れません。
次帰るのは、多分春だけどじいちゃんの好きだった
バナナと六方焼きかなんか持って、お墓参りに行って来ます。
2006年11月05日(日) 1時13分
遅まきながらコメントを。
おじいちゃんが天に召されましたか。
この日記を読んでいて、6年前に逝ったばあちゃんのことを思い出しました。
亡くなる前の数年間は痴呆がはげしくて。家族が大変だったなぁ。
正直な話。
ばあちゃんの最後が来たときには、ある意味肩の荷が降りた感があったのね。申し訳ないけど。
だけど。
火葬場でね。棺が中に入っていく瞬間。
「孫の子供の顔を見てから死にたいねぇ。」と元気だったときに言っていたことを思い出しちゃってね。泣きました。
あの瞬間って、「キツイなぁ。」と思った。妙にね炎の中に入っていくのが機械化されていて。「ハイ、もう戻れませんよ。」と言っているみたいでね。

まぁ、結局その1年後には結婚して、ひ孫も生まれたわけで。
墓参りの際には、そんなことをいつも思い出しながら手を合わせておりますぞ。

ゆえ嬢も。帰省された際には、お墓にいってあげてくだされ。
2006年11月03日(金) 9時21分
プロフィール
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  • アイコン画像 誕生日:1985年
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