枝付き干し葡萄とワイングラス 椰月美智子

March 01 [Mon], 2010, 16:01
なんでもない日常の一番面を切り取り、その中に揺らぐ心模様を丁寧に繊細に描いた短編10編。
あえていうまでもない、エピソードのひとつにも数えられないような人間模様と心情の変化が丹念に描かれ、微妙な心の動き、その場の空気がそのまんま伝わってくる中での“あえて何もおこらない”という潔さが、とても斬新に感じられた。
そして、この“なんでもない日常の積み重ね”で人生は築かれていくんだろうな、なんて思うと、しみじみと感慨深いものがあった。
一編を除いてほぼ同じようなトーンで描かれていて、読み終えるのがもったいないような、名残惜しい余韻がいつまでも続く作品だった。
(講談社)★★★★☆
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