再会 重松清

February 16 [Tue], 2010, 9:42
経営不振にあえぐスーパー社長の一人娘の悲哀を描いた表題作をはじめとして、思い通りにならない人生を懸命に生きる人々の人間模様を切々と綴った六編。
背負わされたどうしようもない運命に、日々葛藤しながらも折り合いをつけ生きている人々がリアルに描かれ、いろんな考えが頭を巡った作品だった。
表題作と絡んだ潰れかけた老舗スーパーの社長の娘と、隣接する大型スーパーの指揮官の娘のやり取りを描いた編では、何ともいえない苦い思いが込み上げてきて心が痛んだ。
生まれ持った運命とはいえ、子どもながらにも労わりの心からか、人には言えないストレスと戦いながら暮らしていかなければならないやりきれなさが繊細に表現されていて、涙がでそうだった。
反対に、著者が肩を持つ人物像とは敵対関係にあるような登場人物と自分とをつい重ね合わせてしまい、そこまで悪者にされなくてもいいのではないかと腹がたって仕方なかった編も。
プラスマイナスいろんな感情が交差し、いい意味で考えさせられた作品だった。
(新潮社)★★★☆☆
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