
こんな人が本当にいるわけじゃないけど、わかるわかる!と共感したくなるような人々の人間模様が、毒づきながらも愛情を持って描かれていて、久しぶりに本を読んで大声で笑ってしまった。
そして、とことん主人公を弄りながらも、最後にはほっとした温かさが感じられ、一編読み終えるごとににんまりと幸せな気持ちになれた。
「占い師」や「相談員」、果ては「犬猫語完全翻訳機」と、言葉自体をモチーフにして巧みに操り、ウイットに富んだ文章へと紡がれていく様には、ある種の美学さえ感じられた作品だった。
(文藝春秋)★★★★☆
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- 荻原浩 |
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