彼女のこんだて帖 角田光代

November 17 [Fri], 2006, 8:47
「料理」にまつわる連作短編15編と、その料理の写真と詳しいレシピを掲載した「こんだて帖」。
どの料理も、本当においしそうに紹介されていて、ストーリー一編一編が、更にその料理を惹きたてていた。
料理する過程、食べたいと思った心情、思い出など、綴られるストーリー全てが鮮やかでリアル。
笑いあり、涙ありで何度も胸がいっぱいになり、思わず、自分でも作って味わってみたくなってしまった。
私にとって「料理」とは、なんでもない日常の一片でしかなかった存在なのに、この本を読んだら、考え方が変わった。
そして、料理というものは、食べて味わう、それだけに留まらず、もっと大きな大切な何かが込められているものだとつくづく感じられた。
あとがきで、「料理とは、自分にとって手間を超えた何かだった。食べることを超えた何かだった。」と綴られているが、まさにこの言葉が実感できた作品集だったと思う。
著者と母と料理の関係も淡々と綴られていたが、淡々とあればあるほどに、ボロボロと涙がこぼれて仕方なかった。
この本に出会えて本当によかったと、心から感じた一冊だった。
(ベターホーム出版局)★★★★★
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