四度目の氷河期 荻原浩

November 06 [Mon], 2006, 17:15
自分は何か人と違うという違和感に苛まれているワタル少年の、4歳から18歳までを鮮やかに描いた長編青春小説。
父親の存在を明かされないままに成長、その風貌や奇行を自らのコンプレックスとして抱きつつも、自分の殻を破ろうと必死にもがいているワタル少年の姿が、鮮やかに描かれていた。
また、自分はクロマニヨン人の子供だという無謀な思い込みにすがり付いて生きていく事で、完全に心が壊れてしまわないようにと、自らを擁護していている心情も巧く描きだされていて、しみじみと伝わってくるものがあった。
全般的には、涙をそそられたかと思えば、展開の不可解さに囚われたり、平坦な場面と高揚する場面が交互に繰り返された、とても波のある作品だったように感じた。
しかし、全てをかなぐり捨てて、未来へと羽ばたこうとしているワタル少年の姿で話は終結し、読後は、とても清々しく爽やかな気持ちになれた。
(新潮社)★★★☆☆
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