夜市 恒川光太郎

May 24 [Wed], 2006, 9:31
欲しいものが何でも手に入るという「夜市」。かつて、欲しいものと引き換えに、あるものを差し出してしまったことを悔い、それを取り戻すために、連れの女性とともに再びそこへ出向いた男の物語、表題作「夜市」と、夢とも幻ともつかぬ不思議な世界に迷い込んでしまった少年たちの物語「風の古道」の2編。
どちらの編も、場面場面の情景がありありと浮かび、臨場感あふれ、始めの数行でその世界に吸い込まれてしまった。
ぞっとする怖さの中に見え隠れする、なんともいいようのない切なさと風情を感じ、いつまでも心にその余韻が広がっていた。
この薄さにして、この手応え、充分にその世界を堪能できた一冊だった。
(角川書店)★★★★☆第12回日本ホラー小説大賞受賞作
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