イルカ よしもとばなな

May 19 [Fri], 2006, 9:21
大勢の人の食事の世話をしたり、自らの妊娠など、かつてない新しい経験をすることで微妙に揺れ動く、独身女性の胸の内を繊細に描いた長編。
年下の恋人に、別の恋人らしき女性がいようとも、その関係を壊す事に目を向けないで、今の自分の幸せを大切に貫抜こうとする姿に、とても好感を覚えた。
生命を宿し、身体と共に変化を遂げていく心境がリアルで、文字で書いたと思えないほど的確に表現されていて、するすると文章が入ってきた。
剥製と妊娠という、この両極端なものをモチーフとして扱うことで、「生命」という、目には見えないものが見事に具現化され表現されていた。
生きる素晴らしさ、それを包みこんでいる幸せのオーラが、本から届いてきたようで、読後は、とても暖かな気持ちになれた。
(文藝春秋)★★★☆☆
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