弧宿の人(上・下) 宮部みゆき

September 07 [Wed], 2005, 9:51
讃岐国丸海藩を舞台に繰り広げられた時代長編ミステリー。
藩は、幕府の罪人・加賀殿を預る事となったが、その責任は重く、ともすれば藩の崩壊にも繋がりかねない。
一方、町では、奇妙な出来事や病気が多発し、不穏な空気が止むことは無かった。
まだ幼い下女である「ほう」と、ほうが懐いていた女性・宇佐を主人公として、藩内部で渦巻く陰謀や、悪い噂に翻弄される人々が見事に描かれている。
なかでも、「噂」に纏わる人間の心理状態、その描写には圧巻、心から感服させられた。
また、先のよめないストーリー展開や、個性豊かな登場人物、背景描写など、全てにおいて完璧で、貪るように夢中になって読んだ。
「ほう」の純粋無垢さにも、度々心打たれる。
ラストは、涙にも誘われ、心ゆくまで堪能。
まさに、ページを繰る手が止まらないとは、この様なことかと読みながら実感させられた。
(新人物往来社)★★★★★
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