優しい音楽 瀬尾まいこ

April 22 [Fri], 2005, 8:28
どんな状況に立たされても、人間の温かさを信じて生きていくことの素晴らしさを説いてくれる三編の短編集。
三編の中でも、同タイトルの表題作が私は一番好きな作品だった。
見ず知らずの女性から突然声をかけられた会社員のタケル。
最初は彼女との関係に不自然な空気を感じつつも、交流を持つうちに段々と惹かれていく自分に気がつく。
そして、彼女の家を最初に招かれた時に心の転機が訪れる。
その時のタケルの心境を思うと、文字で書き尽くせないほど複雑で、思わず自分を置き換えてしまった。
物語の転機ごとに変化する人物の心理描写が、痛いほど伝わりしみてきた。
見事に張られた伏線にも圧巻である。
現実にも、こんな温かな心がまだ残されていると信じていて生きていきたい。
読了後に、そんな余韻をくれた作品だった。
(双葉社)★★★★☆
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