毎年旧正月11日、稲淵と栢森の「綱掛神事」

January 11 [Fri], 2019, 0:00

稲淵と栢森<かやのもり>の綱掛け

(高市郡明日香村稲淵、栢森)
毎年一月十一日に飛鳥川上流、稲淵の入口に男綱をかけ、栢森の入口に女綱をかける網掛け祭りがある。疫病が入らぬように、五穀がよく実るように、という祈願のためであるが、一時この行事をやめた時に、疫病が流行ったので、それから今日まで続いているという。

飛鳥川は上流大字を稲淵・栢森辺りでは稲淵川という。二村の入口に川をまたいで大きな「かんじょう縄」が掛渡されている。稲淵側は真中に男性の象徴を、栢森側は、女性の象徴に似せたものを結付け、前者を雄綱、後者を雌綱とよんでいる。綱は、毎年正月の十一日に掛けられ、「かんじょう掛け」または「網掛神事」という。

栢森から大字畑への谷筋に男淵・女淵とよぶ二つの淵がある。淵の主は竜神で、淵は竜宮に通じると信じられた。男淵の主は男神、女淵の主は女神、ともに雨乞に霊験が著しく、それにまつわる伝説もある。昔、干天の時は壺坂寺の院主が来て祈祷するのが常であったという。



飛鳥川を上流にさかのぼって、島ノ庄の石舞台の西方を500メートルほど東南に行くと、祝戸を過ぎて稲淵の集落の入口にさしかかります。ここに、飛鳥川をまたいで長い注連縄が張ってあり、そのまんなかに、長さ1メートル余り、直径10センチメートルあまりの太い縄を巻いて作った棒状のものがぶら下がっており、良く見ると男性のシンボルを表していることが分かります。

一方、これよりさらに2キロメートルほど上流にさかのぼった栢森集落の入口に、やはり飛鳥川をまたいで同じように注連縄が張ってあり、その真中に半球形の直径50〜60センチメートルもあろうかと思われる、藁の傘状のものがぶら下がっています。女性のシンボルを表したもので、下流の男性のそれに相対しています。下流の稲淵では雄綱とよび、上流の栢森では雌綱とよんでいます。

起源ははっきりとしませんが、古くから今に伝わる正月行事の一つです縄の掛け替えを地元ではツナカケとよんでいて、毎年旧正月11日を"初仕事・初田打ち"の日として、田畑に出てくわを入れ、豊作を祈って新しく作り、掛け替えています。では、実際どのようにして作られるのでしょうか。

毎年これをつくる日には、稲淵では各戸主が神女橋(昔は内宮)に集まり、栢森では大字の中央の川向かいの古木のもとに集まります。6人がかりで作り上げると、神主が来て祭りをして、御幣を男根の上に刺し、勧請縄で川をはさんでつり渡します。朝の八時から午後三時ごろまでかかるといわれています。男根をくくるひもは平年は12本、うるう年は13本と決められています。



昔はつるすまでに新婚の家へこの男根を担いで、お祝いに行く風習もありました。掛け終わると神主がお払いをし、神饌を備えます。白米1升、神酒1升、串さしみかん、この供え物はたく串に幣を備え、みかんをさした1メートル程の長さの割竹で、神所橋にならべたてます。

竹串以外の神饌は全部、祭典が終了した後、神主が三度に分けて川へ流してしまいます。これは悪神に与えて、その後悪神が村へ立ち寄らないようにするためです。栢森の女性の形のものの内部には、夏みかん1個を竹でさしいれ、それを柱連縄で巻いています。



網かけ場に1メートル大の福石があり、これにも柱連縄を張り、この石の上を川渡しして、つり上げます。中央へ女性のシンボル、その両側へ、2メートルほど離して榊と御幣をつり、さらに2.5メートルの縄を垂らします。つり上がると全体が柱連縄の形となります。ご幣は1メートル大の篠竹に幣を垂らし、女性のシンボルにさします。新鮮は神酒とみかんで、1.5メートルほどの竹を横に渡します。その横の渡し棒へ、一辺に4個ずつ、合計16個のみかんを刺します。

これを福石のところへ供えて祭りをします。このみかんは流さずに子供達に与えます。午後4時ごろ、縄や供え物が出来上がると、少し下った川すじの"フクイシ"とよばれている磐座に、飛鳥川をまたぐように掛け渡し、龍福寺の住職によってしめやかに供養が行われます。こうしてお縄掛けが終わりますが、下流の雄綱が神式で、上流の雌綱は仏式で行われているのが面白いところです。言うまでもなく、どちらも飛鳥川の風物詩の一つとなっています。



しめ縄を飛鳥川に渡す

無病息災願う「綱掛神事」
明日香村稲渕(いなぶち)で伝統行事の「綱掛(つなかけ)神事」があった。住民らは真新しいしめ縄を飛鳥川に渡し、無病息災と子孫繁栄を願った。稲渕地区のしめ縄は「男綱(おづな)」と呼ばれ、真ん中にわらで編んだ男性のシンボルをつるす。

住民らは朝からしめ縄づくりにかかり、「1年の無事を祈って編んだ」と総代の烏頭尾(うとお)隆男さん(58)は話した。午後3時ごろ、見物客らも一緒に昨年の綱を外し、真新しい綱に掛け替えると、拍手が起こった。11日には隣の栢森(かやのもり)地区でも綱掛神事があり、「女綱(めづな)」に女性のシンボルを取り付けた。

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    ・神輿-田舎町にはこれが一番
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開発に取り残された街、なんて言いますけどね、コミュニティの強さ、田舎町の安心感、歴史財産まで、今の時代に一周遅れでトップになった感じです
TX沿線の新市街地に住む方たちも歴史情緒ある流山本町、今では一割もいないだろうと思われる流山先住民、昔からの生活をする住民として発信出来たらいいな、と思っています。
なお、神輿会に入りたい人については上に紹介はしますが審議にかけられます、個人として権力ないもので
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