アンディー・ジレ インタビュー

January 04 [Sun], 2009, 12:00
Bonjour

本日はセラドン役の超イケメンアンディー・ジレのインタビューをお届けいたします。

―『我が至上の愛〜アストレとセラドン〜』は、17世紀にオノレ・デュルフェが伝説を小説化した物語ですが、脚本を読んだとき、どこに魅力を感じたのでしょうか。

「脚本に書かれている言語、語り口すべてが気に入りました。とくに物語に流れている詩情が素晴らしかった。私は、お伽噺やロマンチシズム、理想主義的なものに惹かれる傾向にあるんです。この物語では忠節、忠誠、貞操なども描かれていますが、そうした要素も私が好きなものです。もちろん、俳優としては、難しい役だとは思いました。ですが、そのチャレンジするということ自体にも魅了さ
れたのです」

―エリック・ロメールのアシスタントが、あなたの出演した映画や舞台を観て、ロメールに推薦したそうですね。ロメールのような巨匠からオファーが来たときには、どのように感じましたか。

「本当のことをいうと、ロメールについて、この作品に関わるまでそんなによく知っていたとはいえません。アントニオーニ、ヴィスコンティ、パソリーニといったイタリアン・ネオリアリスモは夢中になって観た時期があるのだけど、フランスのヌーヴェルヴァーグはなぜか、あまり見ていなかったんです。ロメールに関しても、『海辺のポーリーヌ』くらいしか見ていませんでした。出演の話が来
たときに、『モード家の一夜』、『クレールの膝』を観て、それからロメールに会い、その後、撮影までの間に何本か観ました。でも、全部はあえて観ませんでした。彼がいかに巨匠かということを知ったら、威圧感を感じすぎてしまうのが怖かったんです。むしろ、彼という人を体や感覚で感じたいと思いました。彼についての本を読んだり作品をすべて観たのは、撮影が終わってからだったんです


―本を読んだり作品を観て、彼のキャリアや偉大さを知って、どのように思いましたか。

「頭を抱えてしまいましたよ。撮影中、いろいろ失敗があったに違いないと思って(笑)。でも、彼について書かれた本を読んで彼の映画作法をより理解するようになったとき、撮影中に、どうして、木を1本撮るのに長い間、カメラマンや監督がディスカッションしていたのか、ようやくわかりました。カメラは、被写体を美化することもできれば、醜くすることもできる。ロメールは、今回、自然の美しさ雄大さにたいへんこだわっていたんです。しかも、風の力など自然を映画で表現するのは非常に難しい。だから、彼はあれほどカメラワークにこだわっていたのだ、とよく理解できるようになりました」

―撮影中のロメール監督は、どんな風でしたか。

「ロメール監督は、撮影に入る前から、最終編集がどうなるか明確に把握している、とてもヴィジョンがはっきりした監督でした。どういうカットが必要であるか、どういうものが欲しいか、すべて頭の中に入っている。それをひとつの固定されたフレームと考えると、その中に入ってくるものは、とても自由なものです。彼は、自分が信頼を寄せる人を回りに集めているので、現場では、彼らからの
提案を柔軟に受け入れる。まわりの人たちの意見を聞きながら、撮影を進めていくことを好むんです。偶然も受け入れる監督です。自分のやりたいことに合致するアイデアがみつかったら、それをキャッチする能力にも長けている。偶然性は、彼の映画製作においてとても重要なひとつだと思います」

―あなたに対する演技指導は、どのようなものでしたか。

「俳優に関しては、演技指導というものをほとんど彼はしません。キャラクターの感情を見出し、役を作り上げるのは、俳優たちの仕事だというように彼は思っていると思います。
とても信頼を寄せてくれているのです。それは素晴らしいけれど、(自分の解釈が)まるっきり間違ってしまうこともあるので、プレッシャーや責任感も同時に感じますね」

―あなたが演じたセラドンは羊飼いですが、まるでギリシャ神話に出てくるようなロングヘアにクラシックなルックスの美青年です。

「映画を観た友人たちからは、からかわれましたよ(笑)。でも撮影中は、現実から離れ、そこだけシャボンの泡に包まれた、隔離された状態でいるような幸せな時間を過ごしました。カールした髪が風になびかせながら草原を羊を連れて歩くとか、そういった牧歌的なシーンをひとつのゲーム感覚で楽しんでやったという感じですね」

―すでに、あなたはロメールの作品や監督としての彼に詳しいとのことですが、この神話的な物語をどう解釈しますか。

「今回の作品は、ロメールの作品群の中でもとても興味深い作品だと思います。今まで彼がやってきたことのエッセンスを詰め込んだような作品になっているとも思いました。『グレースと公爵』のような時代劇の要素もありますし、また、教訓シリーズで扱ってきた恋愛遊戯的な要素もあります。そして、彼が新たに持ち込んだテーマが、セクシュアリテの曖昧さなのです。それらの融合は、僕にと
ってとても興味深いものでした」

―2007年のヴェネチア国際映画祭でこの映画が上映されたとき、なによりもあなたのことが話題になりました。あの美しい新人俳優は誰だろう、と。この映画に出演したことは、俳優としての大きなステップになりましたね。

「確かに僕の俳優人生は、大きく変わりました。ヴェネチア以降、出演依頼も結構くるようになったけれど、まだ、それらがはっきりと映画として形になっているワケじゃないから、今のところなんともいえませんね。映画は、途中で流れたりする危ういものですからね。確かなものじゃないと信じない方なんです。
ただ、僕が俳優になるといって以来、一生息子の面倒を見るのかとがっかりして、ほとんど鬱状態だった両親が、少しはほっとしてくれているみたいなので、それは本当によかったと思っています」




Merci, Andy

それではみなさん、次回更新をお楽しみに!ごきげんよう。
Au revoir, à bientôt
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プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:エリック・ロメール最新作:我が至上の愛〜アストレとセラドン〜
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脚色・監督
Adapté et Reéalisation
エリック・ロメール
Eric Rohmer

キャスト
Fiche Artistique
アンディー・ジレ (セラドン)
Andy Gillet, Céladon
ステファニー・クレヤンクール (アストレ)
Stéphanie Crayencour (Astrée)
セシル・カッセル (レオニード)
Cécile Cassel (Léonide)
ジョスラン・キヴラン (リシダス)
Jocelyn Quivrin (Lycidas)
ヴェロニク・レーモン (ガラテ)
Véronique Reymond (Galathée)
ロゼット (シルヴィー)
Rosette (Sylvie)
セルジュ・レンコ (アダマス)
Serge Renko (Adamas)


物 語
SYNOPSIS

5世紀、ローマ時代―純粋な愛を育んでいた羊飼いの少女アストレと青年セラドン。
お互いの両親が不仲であるため、アストレはセラドンに、両親の手前、祭の日は別の女性と踊って欲しいと頼んでいた。
祭の当日、約束通り別の女性と踊っているセラドンを見かけたアストレは、彼が演技ではなく他の女性に本気になってしまったと思い込み、彼を避ける。セラドンはアストレの誤解を解こうと試みるが、「私の前にもう二度と現れないで欲しい」と拒絶されてしまう。
アストレへの深き愛ゆえに絶望したセラドンは、「アストレに会えないのであれば、いっそ死んでしまおう」と川に身を投げ自殺を図る。ニンフ(精霊)とドルイド僧が住む下流の森では、僧侶の予言の鏡に溺れて横たわるセラドンの姿が映っていた。それを見たニンフたちがセラドンを助けに行き、彼は一命を取り留め、彼女たちの城へと連れて行かれる―。

その端麗なる容姿からマダムに気に入られ、村へ戻ることを許されないセラドン。鬱々とした日々を城で過ごしていたが、彼を兄のように慕うレオニードの計らいで城から脱出する。しかし、アストレの「私の前にもう二度と現れないで欲しい」という言葉を忠実に守り、彼女のいる村には戻らず、セラドンは森で暮らし始める。

一方、村では、セラドンが死んでしまったと思い込んだアストレが悲しみに暮れていた。そんな彼女を友人たちは励まし、僧侶が主催する祭に一緒に出かける。祭へ向かう途中、アストレは森でセラドンの形見のようなものを見つけ、動揺しながらも嬉しさを隠せずにいた。そんな中、偶然にも森の中で彼女たちが休息で寝ているところに出くわしたセラドンは、眠る彼女に思わず口付けしようとする。しかし彼は目を覚ましかけたアストレに動揺し、すぐにその場から逃げ出してしまう。

そんなセラドンを不憫に思ったレオニードと僧侶は、アストレに会う機会を彼に与えようとする。

「私の前にもう二度と現れないで欲しい」というアストレの言葉を忠実に守ろうとする想いと、彼女にどうしても会いたいという想いが交錯する中、セラドンはある方法でアストレに近づく―。
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