土曜日のイタリアワインセミナーは、イタリア半島をブーツの形に見立てたときの、つま先、カラーブリア州のワインの特集でした。
最初に飲んだのは、こちらの白ワイン。
テヌータ・テッレ・ノービリの、サンタ・キアラ カラーブリア・ビアンコIGT 2015
ブドウは、グレコ種が100%
グラスに注ぐと、こんな感じですね。
薄い麦わら色で、金色の反射がきれい。
グラスに鼻を近づけると、甘い白桃のような、そして白い花を連想させる香りが立ち上ります。
口に含めば、爽やかな甘みと、まるいふっくらとした酸味。
キラキラしたミネラルの香味が、後を追いかけます。
のどごしもさらりとして、心地よい。
これは、うまい! 思った以上にうまいです!
おつまみなしで、食前酒に飲んでもおいしいでしょう。
でも、こちらのサラミの塩気と軽い脂を味わった後・・
また味わってみると、塩気と甘み、こってりと爽やかさのコントラストが際立って、これもまた素晴らしいです!
カラーブリアのワインは日本ではなかなか見つけられませんが、見つけた場合は絶対に買い。絶賛お勧めです!
次は、同じ生産者が醸す赤。
アラリコ カラーブリア・ロッソIGP 2014
ブドウ品種は、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョを合わせて100%
比率は非公開ですが、9:1よりN・Mが多いと想像。
かなり、色は濃いです。
香りはとても際立っていて、フルーティーで、スミレの花のようなアロマがかなりはっきり感じられます。
口に含むと、森の中で見つけた、小さな赤いベリー系の果実の香味。はっきりと甘やかなところがありますが、一方でタンニンの渋みも、くっきりしています。
ただ、攻撃的なタンニンではなく、しっかりと躾けられた感じ。そうはいっても、まだこのワインは熟成の余地がたっぷりというのは確か。もう5年、10年置いたら、さらにタンニンが落ち着いてなめらかになり、奥行きが出てくるでしょう。
カラーブリアというと、日本のワインファンには名前も聞いたことがないような産地ですが、こういう長期熟成型のものもあるのだ、というのは発見ですね。
おつまみには、こちらのローズマリー入りのフォカッチャが合ったでしょうかね。
三本目は、同じ生産者の手になる赤。
カリッリオ カラーブリア・ロッソIGP 2015
ブドウは、非常に珍しい地場品種を使っています。
マリオッコ・ドルチェとマリオッコ・カニーノを合わせて100%
先ほどの赤と同様、暗いルビー色で、液面の縁にスミレ色が入ります。
香りは、黒いベリー系の果実や、ブラックチェリーのニュアンス。
口中では果実味豊富ですが、酸味はそれほど強くなく。
タンニンは、意外に(?)かっちりとあります。荒々しくはないですが。
そして、南イタリアの太陽を感じさせる、熱い感じ。
おつまみには、こんなものを・・・
ひよこ豆と、フレッシュトマトと、ペコリーノ・ロマーノチーズを、オリーブオイルで和えたサラダ。
これが、けっこうおいしかった(^_^)
最後に、生徒さんの一人が持ってきてくれたこちらを。
ラベルがひどく破損していたので、裏ラベルのみ。
アンドレア・デ・フィリッポの・・・
ロドガッロ・ネグロアマーロ・ロザート サレントIGP 2016
きれいなロゼワインですね。
ブドウ品種は、ネグロアマーロ70%
マルヴァジア・ネーラ・ディ・レッチェ30%
赤ワイン用のブドウから造ったロゼ。
今が時期の、バラの花のような香りが心地よく
フレッシュで爽やかな酸味のワインでした。
合わせておいしかったのは、こちら。
パルミジャーノ・レッジャーノチーズのダイスカット。
南イタリアのワインは、7割以上が米国に輸出されるので
アメリカ人好みの、ひたすら濃くフルボディで、甘い香味のワインばかりが多いのですが、今日飲んだのは、いずれも個性的な、上質の地ワインといえるものばかり。
マーケットの要請で現状も仕方ないとはいえ・・・
こういった飲み疲れのしない、しかもクオリティの高い南イタリアワインが、もっと増えてくれるといいな、と思いました。