テレビの反響

May 06 [Fri], 2016, 16:06


4日に、日吉の両親と、うちの家族の計5人で寄席に行ってきました。新宿・末廣亭の、五月上席です。



私たち家族が大好きな、桂歌丸さんの「落語家生活65周年記念興業」ということになっていました。ちょうど、歌丸さんが「笑点」の司会を降りる、ということを、ご本人がこの前の番組の中で打ち明けた直後でした。そのためでしょうね。とにかくものすごい人出。木戸銭を払おうと並んだ人たちの行列が、末廣亭のあるブロックを、ぐるりとほぼ一周するほどの騒ぎでした。テレビの反響は、本当にすごいですね。

私たちは、ある程度この事態を見越していたため、開演の1時間以上前に現着していたのですが、おかげで膝の悪い両親も、何とか二階の長椅子席の前列に腰掛けられて、無事に見られました。私たちは、一階の桟敷席。



父は、寄席に行くのは本当に若い頃以来だったようです。母は、多分初めて。歌丸さんは、昼の部のトリをつとめていたのですが、12時に開演して、昼の部の終わりの16時半まで、4時間半かかります。両親が疲れないかな、退屈しないかなと正直心配していたのですが、そんなことは全くの杞憂で、両親も大いに楽しんでくれたようです。

父は、最後の歌丸さんの噺を、「別格だね」と、やはり誉めていましたが、「青年団」がやった、各政党をまんべんなくおちょくったネタのコントも特に面白かったらしく、終わった後、しきりにその話をしていました。それから、御年91歳の桂米丸さんが、また高座に上がってくれていたのも、お年寄りとしては「負けられないな」と励みになった様子でした。

私たち家族三人にとっては、去年、国立演芸場の四月中席で、歌丸さんが前半だけやったのを聞いた、初代圓朝による大作「塩原多助」の後半を、今年の国立演芸場の四月中席でやっていたのを聞き逃してしまったので、今日はそのリベンジ(?)でもありました。

最近の歌丸さんの傾向からして、また人情ものや歴史物の、難しい演目に挑戦するのかな、ともちょっと思っていたのですが、長めの枕のあとに演じてくれたのは、軽めの古典、「鍋草履」でした。

こういう笑い話は、簡単なようでいて、本当に面白く聞かせるのには腕が要るものですが、歌丸さんの噺は、とにかく話の「間」が絶妙。大いに笑わせていただきました。息子も、「歌丸さんの滑稽ものを聞くのは初めてだったけれど、やっぱり抜群に面白いね」と言って大満足の様子でした。

「笑点」の司会も自ら降りる決断をしたほど、体力的にきつそうな歌丸さん。それでも、現代を代表する名人であることに間違いはありません。ぜひとも「人間国宝」になったうえで、「笑点」をやめても、一年でも一日でも長く高座を続けてくれることを、心から祈らずにはいられません。

78歳のチャレンジ

April 19 [Sun], 2015, 23:36


久しぶりに、家族三人で寄席に行ってきました。国立演芸場の四月中席。今回も横浜が誇る当代の名人、桂歌丸師匠の高座が目的です。歌丸師匠、今年に入ってからインフルエンザをこじらせて二週間も入院。大人気の、テレビの『笑点』も休まねばならないほどだったので、どれだけ回復されているのか心配でもあり、その様子を見たいというのもありました。

こちらが、今日の演目。



本当は、文治さんのところで三遊亭遊雀さん、小南治さんのところで竹丸さんがやる予定だったのですが、今日は二つも代演がありました。

文治さんの『木曽義仲』は、よくある『源平盛衰記』を小道具に使った地噺だったのですが、恐ろしくくだらなくて、かつ大笑いの一席でした。

鯉翔さんの『茶の湯』は定番の古典ですが、これも上手にやってくれて、存分に笑わせてもらいました。茶碗の中の「抹茶もどき」を泡立たせるために使うのが「洗剤」で、そんなことしたら死んじゃうでしょ、と思いましたが。

小南治さんの『写真の仇討』は、初めて見る演目でしたが、張りのある声で、しかも下げまで流麗で、飽きさせない噺しっぷり。これも楽しかったです。



そして、いよいよトリの、歌丸さんの出番。演目は、初代三遊亭圓朝の作になる『塩原多助』。歌丸さんは、非常に難しいとされる演目に敢えて挑戦するのが、ほとんど恒例のようになっていますが、この作品も、全部やれば二時間はかかるという大作な上に、登場人物が多く、話が錯綜するので、非常に難しいものです。

しかも歌丸さん、今回が初挑戦だとのこと。お歳が78歳というだけでなく、あまり体が丈夫な方でなく、体重は40kgを切っている状態。しかも、インフルエンザの病み上がりで、これを高座にかけるというのは、本当に大変なことだったと思います。あのお歳、しかもあの体調・体力で、これほどの難題に挑んだ歌丸さん。今や日本の落語界を代表する重鎮のひとりになったという自覚、そして噺家としての矜持と気迫がなければ、できるものではないと思います。八十近くなってもなお、前進と挑戦を続ける姿そのものに、何より胸を打たれました。

塩原多助は、大まかに言えば、上州の田舎育ちの主人公・多助が数々の過酷な状況を切り抜けて、江戸で立身出世を遂げるまでの、人情話。

今回は、欲深なおかみさんの謀略で、危うく侍に切り殺されるところを、愛馬「青」のおかげで命拾いをし、江戸に出ることを決意してその愛馬に別れを告げる、という場面で終わりました。全編の約半分ほどだそうですが、たっぷり一時間はある噺でした。それでも、少しも疲れや乱れを見せることなく、いつもの迫力ある凛とした語り口で、立派に語り切ってくれました。

息子も、「途中、(感動して泣きそうになって)やばかったよ」と言っていたくらい、すばらしい出来だったと思います。

来年はこの噺の後半を稽古して、皆さんにご披露する、と高座で約束してくれた歌丸さん。来年もぜひ見に行かなくてはいけません。今から楽しみです。

それにしても、今日は本当によくお客さんが入っていました。国立演芸場は立ち見や桟敷がないので、全席満席。



以前に新宿末広亭に行ったときも、立ち見が押すな押すなの大賑わいでした。落語の人気は、確実に回復してきていると思います。やはり、毎週テレビの視聴率ランキング上位に必ず入ってくる『笑点』が、その呼び水になっているのだと思います。小道具も舞台装置もなく、純粋な話芸として成り立っている落語は、世界的に見てもユニークなものでしょう。伝統的な大衆演芸がこれからますます発展して行くよう、噺家のみなさんに頑張ってもらいたいと思います。

歌丸さんの「鰍沢」

April 20 [Sat], 2013, 23:35


今日は、また家族三人で国立演芸場に、寄席を見に行って来ました。
四月中席。とりを取るのが、桂歌丸さんということで、歌丸ファンの
我が家としては是非見ておきたくて、チケットを取ったのです。

でも前座の人の「まんじゅう怖い」は、まあがんばりました、という
ところでしたが、それ以外の人はみんな上手で、笑わせてくれました。
今日の演題は、こちら。



真打の桂文治さんが、なぜか二つ目の柳若さんより先に出てきて
不思議でしたが、多分この後に、予定が入っていたのでしょうね。

文治さんのやった「転失気」は、誰だったか忘れましたが、以前も
生で聞いたことがあったのですが、こちらは下げが全く違っていて、
なるほどね、と思いました。

瀧川鯉昇さんの「二番煎じ」も、さすがベテランという一席でした。
夜回りの番屋で、皆がこっそり酒と猪鍋を楽しんでいるところへ、
巡回の役人(侍)がやってきてしまい、みんな大慌て、となる所が
ドタバタのクライマックスなのですが、息子も含め、みんなで抱腹
絶倒でした。

肝心の歌丸さんがやった「鰍沢」は、またいつもの通り、難度の
高い演目とされているもの。歌丸さんは、いつ見ても難しい演目
ばかりに挑戦しているようですが、ご本人も、七十代半ばを過ぎた
噺家として、何か心に期するものがあるのでしょうね。

あらすじは、旅人が身延山参詣の帰りに山中で大雪に遭い、道を
失ったとろへ一軒家を見つけ、何とか助かるのですが、そこの
おかみさん(元吉原の遊女)に、大金を持っているのを見られ、
卵酒に毒をもられて、それを奪われそうになって……というもの。

外から帰ってきた一軒家の亭主が、知らずに残っていた毒入りの
卵酒を飲んで苦しむところが、迫真の演技だったと、息子は感心
していました。

クライマックスは、身延山のお札の霊験で体の自由がきくように
なった旅人が家を抜け出し、吹雪の中を必死で逃げる、それを、
鉄砲を持ったおかみが追ってくる、という場面。

この演目は、四代目橘屋圓喬という人の高座が「伝説的」とされて
いて、旅人が雪中を逃げる途中、鰍沢という谷川に落ちる場面では、
本当に川音が聞こえた、などと言われています。

でも、歌丸さんのこの場面もなかなかの名演でした。館内は、この
季節にも関わらず、暖房が効き過ぎなのか、とても暑かったのに、
この場面を聞いていると、真冬の谷川の水の、氷のような冷たさが
本当に感じられるような気がしました。

まるでアクション映画を見ているような、迫力ある追跡行の場面を
何のセットも効果音もなく、座布団に座ったまま、ありありと目の
あたりに見ているかのように演じてみせるのですから、落語の話芸
というのは、凄いものだなと、つくづく思いました。

そして、やっぱり歌丸さんは、名人ですよ。

それにしても、これだけの時間、生のエンターテインメントを
楽しんで、大人二人と子供一人で合計五千円なのですから、寄席は
やっぱり安いです。また近いうち、みんなで行きたいと思います。

雨の国立演芸場

April 15 [Sun], 2012, 1:16


昨日の土曜日は雨の中、家族三人で国立演芸場まで出かけて、
寄席を見てきました。番組は、「四月中席」です。

お目当てはもちろん、横浜が生んだ名人・桂歌丸さんの噺では
あったのですが、それ以外の落語や曲芸、漫才もそれぞれ
面白く、三時間以上の間、たっぷり楽しみました。

これで大人二千円、小学生千円はやはり安いです。鈴本とかの
国立でない演芸場でも、大体、大人二千八百円とかですから、
ライブで楽しめる芸能としては、寄席というのはやっぱり
安いと思います。

歌丸さんの演目は、「双蝶々雪の子別れ」というもの。
初めて聞いた噺ですが、三遊亭圓朝作の、人情話。
圓朝ものの、長尺の人情話は、歌丸さんの昔からの十八番の
ようで、今日も、熱の入った良い高座。思わず知らず引き込ま
れて、四十分以上の噺が、とても短く感じられました。

舞台照明が暗くなったり、色が変わったり、紙ふぶきの雪が
降ってきたりと、いろいろな演出もありました。

噺の後半、病んだ父親と、悪党になった息子が久方ぶりの再開を
果たす場面では、思わず涙してしまいました。

どんな悪い息子でも、親からみれば愛しいものだ、というのは、
文字にしてしまえば当たり前のようで、どうということもないの
ですが、実際に子を持つ身にしてみれば、強く胸に迫るものが
ありました。

それも話芸の力あってこそなのでしょうね。

小学生の息子には、その本当の良さはまだわからなかったの
ではないかな、と思いますが……。

それでも、小痴楽さんの「反対俥」や、遊雀さんの「粗忽長屋」
などの滑稽噺には大笑いしていたので、十分楽しんではくれたと
思います。

また近いうちに、寄席か落語会にみんなで行きたいと思います。

噺家ひとすじ六十年

November 27 [Sun], 2011, 14:53


昨日は、我が地元横浜が生んだ落語の名人、桂歌丸さんの噺を聞きに、
家族三人で東府中まで行って来ました。

題して『噺家ひとすじ六十年 桂歌丸 特選落語会』。歌丸さんのほかに
三遊亭好楽さん、三遊亭小遊三さん、六代目三遊亭円楽さんが脇を
固めた会でした。

四人での座談会の後、好楽さんが『医者あれこれ』、六代目円楽さんが
『代書屋』、小遊三さんが『金明竹』という演目をやりました。

ゲストの三人は、全員が、おなじみの『笑点』メンバーということで、
話の中に、お互いがいつものネタでお互いをいじりあう、という所が
たくさん出てきました。

お客さんも『笑点』をいつも見ている人がほとんどなので、そういった
「いじりネタ」が滑ることはもちろんなく、大笑いの連続でした。

中休みが入って、いよいよ歌丸さんの出番です。

話は、歌丸さんの古典の十八番のひとつ、『井戸の茶椀』でした。

正直者の屑屋、清兵衛さんが、浪人で貧乏暮らしをしているが、
実直なお侍の千代田卜斎という人から二十文で買った仏像を、
これも一本気な若侍、高木佐久左衛門に三十文で売ります。
ところが、佐久左衛門が仏像を磨いたところ、その仏像の中から
五十両もの小判が出てきて、「このお金は受け取れないから返す」
「いやこちらも一度売ったものを、受け取るわけにいかぬ」、という
騒動に巻き込まれて、苦労するというお話。

どたばたしたお笑いが随所にあちりばめられていますが、その本質は、
「金銭より物事の筋を通す」ということを優先する、まっすぐな人たちの
人間模様を描いた、人情話の一種です。

ヘッジファンドや投機家たちが、ギリシャやイタリアをはじめとする
欧州の財政状況の悪い国を食い物にして、大儲けをし、あげく一国
ばかりでなく、世界の経済を危機に陥れつつある、昨今の情勢。

そういう時代に聞くとこの話は、一服の清涼剤になるとともに「人間に
とって一番大事なのは、お金じゃない」ということを、しみじみ思い出
させてくれます。

歌丸さんが、そうした世界の情勢を考えて、意図してこの演目を
話したのかどうかはわかりませんが・・・。

いずれにしても、歌丸さんの、「軽味」と「重厚さ」を兼ね備えた、
見事な語り口にほれぼれとさせられた時間でした。



落語は二回目の息子も「みんなすごく上手だった。さすがだね」と
言って満足そうでした。

お元気そうに見えても、歌丸さん、もう七十五歳になられるのだとか。
今のうちに歌丸さんの話芸を、まだまだたくさん聞かせてもらいたい
と思います。

たい平、昇太、二人会

September 17 [Sat], 2011, 23:33


今日は、家族3人で、神奈川県立音楽堂という所へ
落語を聞きに行ってきました。

春風亭昇太さんと、林家たい平さんの「二人会」。
あのテレビの人気番組「笑点」メンバーの共演という
ことで、ホールは当然、満員でした。

うちの息子にとっては、生で落語を聞くのは初めて。

最初のお二人のフリートークから、大盛り上がり。

「ここであんまりウケちゃうと、後がやりにくくなるから・・」
とお二人が言うほどの、爆笑トークでした。

最初に出たのは、昇太さんのお弟子の、昇々さんでした。

「転失気」という関西落語を、江戸風に仕立て直したもの
ですが、なかなか上手。息子もゲラゲラ笑ってました。
ねたが基本的に下ネタなので、わかりやすかったかな。

次が昇太さんで、演目は、昇太さんの創作落語の、
「人生が二度あれば」でした。

まくらがすごーく長くて、まくらだけで終わっちゃうのかと
思うほどでしたが、昇太さんお得意の、座布団からはみ
出したり、寝転がっちゃったりするシーンがやはりあって、
これも息子にはウケていたようです。

中入り後、今度はたい平さんのお弟子の、林家あずみ
という女の人が出てきました。三味線も唄も上手だったの
ですが、唄の部分はあまり聞き取れなかったりもしました。

最後が、たい平さん。演目は、上方由来の古典「らくだ」。
こちらは、まくらはごく短く、すぐに話に入りました。
登場人物もたくさんいて、難しい話とされているようですが、
もちろん、とっ散らかったりすることはなく、最後までハイ
テンションで、観客をひきつけた腕前はさすがでした。

ただ、私は面白いと思ったのですが、息子には、古典落語
では避けて通れない、「意味がわからない言葉」があった
ようす。一応笑っていましたが、彼の評価は、昇太さんの
話が一番面白かった、ということでした。

やっぱり、古典は基礎知識がないと、という所があるのは
確かですね。

でも息子も、面白かったので、また聞きたいと言ってました。

次は地元・横浜が生んだ名人、歌丸さんの話が聞きたいな
と思っています。
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