オール・ザ・キングスメン

October 14 [Sun], 2007, 15:02
「オール・ザ・キングスメン」 2007年 米

★★★★☆

う〜ん、濃厚な人間ドラマだわ。

1949年のルイジアナ州。
下層階級出の公務員、ウィリー・スターク(ペン)がある汚職を摘発した事から
物語は始まる。新聞記者のジャック(ロウ)は、ウィリーを取材したのがきっかけで
その後の人生を翻弄されていく。

州知事選の当て馬に、祭り上げられたウィリーだったが、ジャックの助言通り、沸き
上がる情熱を、大きな手振り身振りで演説し、貧民達に熱く支持されていく。
貧しい出身を生かし、また下層階級の民衆を味方につけ、彼は輝かしい栄光の座を獲得
する。新聞社を辞め、ウィリーの側近になるジャック。

政治家の成功と、汚れていく様を期待した人には、この映画の面白さは伝わってこなか
ったのではないでしょうか?
私はジュード・ロウになりきって魅入ってしまったので、生涯BEST3の「ワンス・アポ
ン・タイムインアメリカ」を彷彿させる出来だったと思います。

主要人物が演技派揃いなのも、良かった。

ジャックと幼馴染みの兄妹アダム(ラファロ)とアン(ウィンスレット)との3人が奏で
る追憶と哀愁のメロディが、何とも物悲しい。
この映画に、ジャックとそのまわりの人達の人間ドラマは邪魔だと思う人も多いかもしれ
ませんが、私には、ウィリーの方が邪魔だった(笑)

とくに、偉大なる親を持つ子供達の末路が感慨深かった。
哀愁の漂う、ジュード・ロウの美しさは、「こわれゆく世界の中で」に続き、もうたまり
ません。幼い日を演じる子役も綺麗な顔で、大人になってジュード・ロウとケイト・ウィ
ンスレットになっても全く違和感がないのも、いい。
10代の頃のジュードとケイトは、若作りしたのでしょうが、本当に若く見えたし。
これが例えばマット・ディモンだったら、物語が壊れてしまう(ファンの人ごめんなさい)

ジャックにとって、美しい思い出はもう過ぎしの残骸でしかないが、それでも時折思い出
す「初恋の人」。忘れえぬ人。壊したくない“宝物”。
アダムは、世間を厭い、世間ずれした人間になっていて、狭いアパートで質素な家具と思
い出だけで暮らしている。

「善悪の区別のつかぬ者への優越感を抱き、それが彼を破滅へと導く。落伍者の捻くれた
      優越感。酒飲みの冷笑に似ている」

そんなアダムを病院の院長の座に引っ張り出したのがウィリーだった。
人望の厚かった故知事の息子の名前を利用しようとする。
また、運命とは皮肉なもので、ウィリーの汚職について弾劾しようとしていたのはジャッ
クの親代わりだったアーウィン判事(ポプキンス)だった。

絶大な力を持つ元判事は、ウィリーの目の敵となり、ジャックはウィリーに命じられるま
まアーウィンの過去を暴きだす。
高潔な人間にも必ず、「弱み」がある。金と地位を手に入れた者なら、必ず「悪事」がつ
いて回る。ウィリーは、悪から善が生まれると、絶対の自信を持ち、善をつつけば必ず埃
が出る事も理解していた。(自分もそうだからね)

ジャックは、親代わり(いや実父!)を自殺に追い込んだ割には淡々としていた。

しかし、この映画は二重構想である。
ジャックの心情的な部分ばかり描いては、いられない。
敢えて、省かれているのだと思う。心情は察知して下さいと。

ショーン・ペンの熱演も評価はするが、政治家の汚濁だけの物語なら、正直言って面白く
ない。今更、言われなくても、政治家は腐っていて当然だから・・・。権力を手に入れる
と人は変わる。大きく変わるかどうかの違いだ。
私が知ってる政治家で、変わらないのは小泉元首相だけだ(笑)

敢えて言うなら、ウィリーの性格が豹変していく様が描かれていたら、もっと良かった。
最初から吠えてて、変わったのは、私欲の分だけの「お腹」だけだ。

結論から言うと、どれもこれも描ききれてないという事になるかもしれないが、全体像を
見れば、信念を持った貧民出の政治家が汚れていき、金持ちのおぼっちゃん・お譲様ら
が巻き込まれて人生を狂わされる縮図。濃厚な人間ドラマじゃありませんか?

また、二度ほど映画の途中で意味ありげに映し出される、3体の十字架も良かった。
皆、王の臣。しかし謀反を犯す臣もいる。悪の血と善の血は交じり合う演出も良かった。

「知らなければ傷つかない」傍観するだけだったジャックがたどり着いた場所はどこにあ
るのか?

余談ですが、「こわれゆく世界の中で」のヒロイン、ロビン・ライト・ペンはショーン・ベンの
奥様なんですね。そう言えば、苗字も一緒だわ^^

原題 ALL THE KING'S MEN
製作年度 2006年
上映時間 128分
監督 スティーヴン・ザイリアン
出演 ショーン・ペン 、ジュード・ロウ 、アンソニー・ホプキンス
   ケイト・ウィンスレット 、マーク・ラファロ 、パトリシア・クラークソン


【DVD観賞】
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