硫黄島からの手紙

December 10 [Sun], 2006, 23:39
「硫黄島からの手紙」 2006年 米

★★★☆☆



ご存知、「父親達の星条旗」と対になっている日本側から観た「硫黄島」
での攻防戦を描く第2弾。

戦後60年・・・今から20年ほど前に硫黄島の旧塹壕調査の男どもが、
何かを掘り当てる。どうやらズタ袋のようだが・・・・・。

そこで舞台は60年前に遡る。現代と過去との対比をさせながら描くところは
やはり流石です。

1944年悪化を辿る終戦間近の日本。最後の砦となる、硫黄島。
アメリカに陥ちると、ここを拠点にして本土を襲うだろうと言われている。
是が非でも、死守しなくてはならない。
暑くて臭くて汚い島で毎日来る日も来る日も穴を掘り続け「墓穴を掘ってる
んじゃないだろうか?」
などと妻への手紙を書いては、出すたびに若い西郷はからかわれていた。
のっけから「こんな島アメ公どもにくれちまえばいいんだ!こんな島よぉ」
なんて本音を言うこの二宮君ことニノ扮する西郷の人間臭さが今までの日本
の戦争映画にないキャラで面白い。

そんな折り、硫黄島ではアメリカ留学の経験を持つ栗林忠道中将(渡辺)が、
新たに指揮を取ることになる。
連合艦隊が全滅、陸軍も空からの援護全くなし、という非常事態。
アメリカに空から攻撃されては5日と持たない。栗林は島中に地下を掘り
地下要塞を張り巡らせようとする。
古参将校たちの反発が強まるものの、敵は直ぐそこに来ていた。
「祖国を守るため、生きて帰れると思うな。
死んでもこの島を守るんだ。1日でも長く生きながら得て敵を倒すんだ」

西郷(二宮)は、若くして既に本土に身重の妻、花子(裕木)を置いてきた身。
まだ会ってはいないが(というより会う事は叶わないと思われる)無事に娘を
出産したという。
「花子へ・・・」毎日のように書く手紙が虚しい。

そしてアメリカの攻撃が始まった・・・・・。

栗林の常に冷静かつ、才知に長けた戦法が、当時アメリカ側も5日で終わらせ
るつもりでいた島を守り、戦いを長引かせたのだった。

アメリカ軍が空から戦闘機をバンバン飛ばして島をめがけ攻撃してくる。
島のほとんどはこれで破壊されたよなものだ。
(兵士達は地下にいたものの)
「父親たちの星条旗」のドクやアイラは、こうしたお膳立ての後、船で上陸
したのだった。
海兵隊が上陸するのを待って一斉に撃ちこむシーン。


そして、脳裏を過ぎる「父親たちの星条旗」のシーン。
遠目から擂鉢山の頂上に星条旗が見えた時は、やはりぐっときた。

そしてドクの親友イギーは塹壕の中に落ちてきて恐怖に震える日本兵に
めった刺しにされたのだった・・・。

アメリカ側からすると、思いのほか強い日本勢だったが、裏側では弾が無く
なり、自決するシーンや(栗林の命令は届かず・・・)捕虜になろうと白い
タオルを持って脱走を図るシーンなど、常に恐怖と隣り合わせで八方塞がり。
食料も水も最後の方は尽きている。

全編通して、淡々と綴られている。
アメリカ人の描く戦争二部作は、少々日本勢を美化して描いているように
思えた。
例えば、乗馬の金メダリスト西(伊原)が捕虜を捕まえて「手当てしてやれ!」
そして得意の英語でそのアメリカ兵と言葉を交わそうとするのに対して

「無駄死にはしたくない」そう言って投降した日本兵がアメリカ兵に休憩する
のに邪魔だからという理由で殺される。これはおそらく日本人へ敬意を払って
少しだけアメリカ兵を悪者に描いたのかも。

本音を言うと、もの凄く期待したこの作品。
気負いすぎたかも・・・。
実は、昨日やっとDVD「男たちの大和」を観て、号泣したばかりだったせいも
ある(勿論泣けばいい映画とは限りませんが)。
戦争映画としては、イマイチ物足りなく思いました。
何で今頃、「男たちの大和」なのか?

いつもレンタル中だったから→そのうちに観るのを忘れていた→折角だから
「硫黄島」と比べてみるのも面白いかも。こ〜いう経緯です^^

戦艦大和の乗組員らも言うなれば、隠れ場所のない陸の孤島(船は動いている
けど戦闘機から見たらノロイもんだろう)。
空からの攻撃には一溜まりもない。
硫黄島でも同じ・・・・圧倒的に戦力に欠ける。武器がない。通信手段がない。
ナイナイだらけだ。(戦力が上ならとっくに勝ってたけど)

しかし当然だけど、大和魂は、同じだった。
自決する者も、敵の手におちるぐらいなら死んだ方がマシと思う所も。
日本の明るい未来を信じて、潔く散っていくのだった・・・・。
栗林は、そういう思想ではなかったが、それでも最後は・・・・。

全体的にセピア色の色あせた写真のような映像は良かった。でも、地下要塞
の全体像がわかりにくく・・・・栗林も息子に手紙書いてる暇あったら、少しは
闘え〜〜と思ったり^^(ごめんなさい)

何でしょうね・・・緊迫感が余り伝わってきませんでした。戦況も今、どうなんだ?
ちゅう話で。

伊藤大尉役の獅童は、「男たちの大和」にも出ていましたね〜〜〜。
つい最近声だけの出演もあったし(リュークの声)
売れっ子ですね〜〜〜。図にあがるのも何だかわかるような気もします^^
(しかし、一辺倒の凄みだけの演技・・・代わりは幾らでもいますね)

謙さんは安心して観ていられる役者さんで、二宮君も上手かったです。
花子役が、裕木奈江 なのには驚いたけど^^
後半の栗林が自決(瀕死だったので)した時に流した一滴の涙が忘れられません。
普通のパン屋経営の男が、赤紙で徴兵され、嫌々来た硫黄島で観たものは・・・

祖国のために命も惜しまない軍人魂。
自らの死体を敵から見えないように埋めてくれと頼む栗林。
命に変えても埋めてやる。望むとおりにしてあげたい。無気力気味の青年の
成長も描いている。(描いたところで本当ならば死ぬ運命なのだが)
20年後、掘り出した物はやはりズタ袋で、中からは山程、栗林・その他の
硫黄島で戦死した兵士が書いた手紙だった。

過去からの手紙が蘇るとは、なんと素晴らしいお話か。
何だかんだでちょい評価が低めですが、双方からの視点で
観る事ができた(勿論日本に肩入れして観ますが)事にはいたく感謝します。



監督 クリント・イーストウッド
出演 渡辺謙 、二宮和也 、伊原剛志 、加瀬亮 、中村獅童 、裕木奈江

【映画館での観賞】
  • URL:https://yaplog.jp/tonton119/archive/207
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