近松物語+α370(これまでの状況を整理して考えてみる・・C)

November 18 [Sun], 2018, 20:00
紛れもなく作家の映画だと感じさせられる、溝口健二の名作である。



STORY
宮中御用達の暦を扱う大経師の女房おさんは、
実家から金を無心されたものの、亭主からすげなく断られ、
途方に暮れて手代の茂兵衛に相談する。
そこで、茂兵衛は、白紙の用紙に主人の印判を付き、金を工面しようとするが、
それを手代仲間に見とがめられ、主人から厳しく叱責される。
このことが発端となり、亭主の因業さや好色さに嫌気が差したおさんは
手代の茂兵衛と示し合わせて家を出るが、
それは不義密通であり、この時代には絶対に許されないことだった。


感想
映画の歴史に必ず残るであろう日本映画の3大監督と言えば、
黒澤明、小津安二郎、溝口健二の3人だが、
このうち黒澤明は、若い頃から多くの作品を観てきたため、
ある程度その面白さを理解しているつもりだが、
小津安二郎については、
最近になって「午前10時の映画祭」で「秋刀魚の味」や「麦秋」を観賞し、
漸くその作品の素晴らしさを理解するようになったばかりであり、
溝口健二に至っては、今まで作品そのものを1本も観たことがなかった。
今回、この「近松物語」が「午前10時の映画祭」のラインナップに入っていたため、
良い機会だと思って鑑賞してみたのだが、
溝口健二の思い描く世界が完璧な形で構築されていることに唯々圧倒された。



近松門左衛門の有名な人形浄瑠璃の脚本などを基にした作品だったが、
太平の世の中で様々な文化が隆盛を極め、
町民が生き生きと活躍していた江戸元禄時代の
京都の商家の暮らしが完全な形で再現されていたことに、まず驚いてしまった。
日本映画の全盛期だったので、多分予算のことなどあまり考えることなく、
溝口監督が作りたいように作れた作品なのだと思うが、
豪華なセットと、それを生かした1点も揺るがせにしない画作りは、
あまりにも美しく完璧で溜息しか出なかった。
そして、そんな完全な形で再現された元禄の商家を舞台にして描かれていたのは、
多分近松作品の要となるものであろう「情」の世界だった。
百花繚乱の文化が栄え、
町民がエネルギッシュに活躍できる時代であったとはいえ、
武士を頂点とする封建的な制度、考え方が
日常を支配し、がんじがらめに縛っていたこともまた事実である。
そんな世の中で、世間のしがらみや、
夫であり、主人である男の無慈悲な仕打ちに追い詰められた男と女が
お互いに心を通わせるようになり、
その思いは、やがてどんな力にも屈しないほど強固なものになっていく。
しかし、この時代、不義密通は天下の御法度であったため、
互いへの愛を貫き通した2人には、
引き回しの上、磔、獄門の道しか残されなかったが、
それでも、2人が起こした愛の火は、
大炎となって老舗の大経師の身代を焼き尽くしてしまい、
ラスト、後ろ手に縛られ、馬に乗せられて引き回される2人からは、悲壮感よりも、
むしろ誰にも引き裂かれない場所に2人で辿り着けることへの
清々しい喜びのようなものを感じ取ることができたのである。
結局、溝口は、この完璧に構築された近松の心中話を通して、
どんなに有形無形な暴力を用いても
人の心の中にあるものを完全に壊すことなどできない
ということを宣言したかったのではないだろうか。



この映画で、初めて長谷川一夫という役者の演技を観た。
少しふっくらとして肉付きが良く、決して今風のイケメンではなかったが、
何とも言えない男の色気を感じさせる役者だった。
この映画では、優しく生真面目だが、鷹揚さに欠ける商家の手代を
(男でありながら)ある種の外連味を感じさせる艶やかさで演じていて、魅力的だった。
おさんを演じた香川京子は、
心中ものにありがちな恋に溺れる女ではなく、
自らの意志で愛する者を選ぶことのできる、凜とした強さを感じさせ、
そこは好みの分かれるところだが、
少なくとも私は、彼女の持つ清潔な女性らしさにすっかり好感を持ってしまった。



それにしても、紛れもなく作家の作品だと感じさせる、見事な映画だった。
私は、今回初めて溝口健二の作品を観たのだが、
その完璧な映画作りに完全に魅せられてしまった。
溝口には、今作以外にも「西鶴一代女」や「雨月物語」、「山椒大夫」など、
傑作と呼ばれる作品がまだまだ幾つもあるので、
是非死ぬまでに、それらの作品を映画館で観たいと思っている。


平成30年11月10日(土) イオンシネマズ 90点



※ のんちゃんに関する小さな部屋

これまでの状況を整理して考えてみる・・C

今回は、今まで整理してきた内容を元に
一連の出来事の顛末を推理し、
その上で今後この問題がどういう風に展開していくのかを
私なりに予想してみたいと思います。



まず、今回の出来事についての私なりの推理は次のとおりです。
事の発端は、やはりNHKの2019年大河ドラマ「いだてん」なのでしょう。
朝ドラ「あまちゃん」の制作に関係していた「いだてん」の制作スタッフ
(訓覇Pや井上D、脚本のクドカン、音楽の大友良英氏などが想定されます)が
のんちゃんの「いだてん」出演を熱望し、内部で検討して上に申し入れたところ、
「そのことで、旧所属事務所(レプロ)やバーニングと揉めたくない。
 出演させるためには、両者(レプロとのんちゃん)が和解することが望ましい」
という指示が出されたため、
内々にスタッフがそのことをのんちゃん側に伝えたのでしょう。
それを聞いた のんちゃん側がレプロにアプローチし、
相手の面子を立てるために謝罪をした上で
何らかの形での業務提携を申し出たのだと思います。
これに対して、業務提携ではなく、所属タレントとして のんちゃんと再契約し、
しかも、のんちゃんとT氏らの関係を断ちたいレプロが
御用マスコミを使って条件を提示し、
それを呑まなければ、和解も「いだてん」への出演もない
と脅しをかけてきているというのが現状なのではないでしょうか。
NHKが のんちゃん側に具体的にどんな話をしたのか、
それを受けて のんちゃん側がレプロにどんな提案をしたのかは分かりませんが、
私のこの推理は、当たらずとも遠からずなのではないかと思っています。



では、現状が私の想像どおりだったとして、
今後この件は、どんな風に決着するのでしょうか。
まず、レプロとの関係についてですが、
のんちゃん側が謝罪したという事実は残りますが、
それを受けたレプロが、のんちゃん側がレプロが示した条件を拒否したとして、
再度のマネジメントについては断るという形に落ち着くのではないでしょうか。
本当は、レプロと のんちゃん側の交渉決裂を受けて、
他の大手芸能事務所が のんちゃんとの契約に名乗りを上げてくれることが
私達ファンにとっては、最も望ましいことだと思っているのですが、
これについては、同調圧力の強い、旧態依然とした世界の話なので
現実的には、なかなか難しいのではないかと考えています。
次に、これらの動きを受け、
のんちゃんの「いだてん」への出演はどうなるのでしょうか。
これは、NHKがこの件をどう判断するかにもよるのですが、
私は、非常に厳しいのではないかと悲観しています。
但し、それは決して好ましいことでも、正しいことでもなく、
作り手が女優の起用を望み、その女優自身も出演を希望し、
尚且つ数多くの視聴者がその女優の出演を望んでいるにも関わらず、
その女優と現時点では関係のない旧所属事務所の顔色を窺い、
起用を見送るということがあるのだとすれば、
それは、独占禁止法の理念に反する行為であり、
視聴者の受信料で成り立つNHKがやってはならないことだと思っています。
そのため、仮に、のんちゃんの「いだてん」出演がなかった場合、
そのことについてNHKは、何らかの責めを負わなければならなくなるでしょう。
(NHKに対しては、先日また要望の手紙を送ったので、
 次回のブログでその内容をアップし、
 他のファンの皆さんにも協力を呼び掛けたいと思っています。)



のんちゃんについては、
「レプロに謝罪し、和解を申し入れたけれど、受け入れられなかった」
というイメージが流布されたため、
今後の仕事にかなり悪い影響が出てくる可能性が高いのですが、
唯一私達ファンにとって朗報と言えるのは、
これで のんちゃんとレプロエンタテイメントとの関係が完全に断たれる
ということです。
何しろ、レプロの方が のんちゃんと再契約しないという結論を出すのですから・・。
この点については、事の顛末をしっかりと見極めて抑え、
後になってまた蒸し返され、ごたつくことのないよう
ファン全体として正しい認識を共有することが大切になってくると思います。
その上で、ファンとしては、
どんなに苦しくても応援を続けていく覚悟を決めるべきなのでしょう。
仮にそうなった場合は、そのことをどう受け止めるべきか、
また何らかの文章を書きたいと思っています。


 ドンキホーテ入口



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映画、テレビドラマ、小説、マンガ、演劇等が好きです。つまりは「物語」が好きなのです。昨年から『あまちゃん』にはまり、『あまちゃん』に出演していた俳優、特に能年玲奈さんを応援しています。
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