バイオハザードV/BIO HAZARD V

November 28 [Wed], 2007, 23:00
【監督:ラッセル・マルケイ 脚本・制作:ポール・W・S・アンダーソン 公式HP:http://www.sonypictures.jp/movies/residentevilextinction/

 アンブレラ社の開発した〈T−ウィルス〉は、今やラクーンシティから全世界へと広がっていた。
 荒廃し、砂漠化し、ありとあらゆるモノがゾンビとなって襲い掛かる世界。
 食糧貯蔵、燃料、さまざまな資源が失われつつあり、生存者に呼びかけながら進む旅は過酷にして苛烈を極めていた。
 一箇所に留まることが死を意味する地上をいっそ優雅に眺めながら、諸悪の根源たるアンブレラは〈アリス・プロジェクト〉を進めており――

 進化したアリスが挑む〈バイオハザード〉シリーズの第三弾は、ゲーム世界から離れた世界観で構築されている。
 シリーズ一作目を踏襲した冒頭の美しい演出にまず目を奪われる。
 赤と白と洋館と美術品たち。
 色彩センスに優れ、小道具や建築物のデザインもまた凝っていて、許されるならその場に立ちたいとすら思える。
 さらに、フラッシュバックによって回避される危機、そこから先に繋がる視覚効果は素晴らしく、最初の数分で引き付けられ、引き込まれた。
 また、無力な者たちを抱え、護るチカラあるものたちはいる。けれど、その力はけして絶対的なものではない。
 厳重な警戒と最新機器を使用したサバイバル術は圧巻だが、戦いは援護射撃から自己犠牲へと流れて、死はばら撒かれて、ささやかな平穏やささやかな希望と隣合わせの絶望を実感させる。
 あまりにも無力で、あまりにも現実的で、あまりにも無情で。
 しかし、それがむしろ清々しいほどの痛みとなって、どろりとした哀しみや湿っぽさの入り込む余地がほとんどないぶん、安心して物語にのめり込め、映像美を楽しめる。
 この心理的距離感はいい。
 スピード感をキープしながら、けして目まぐるしくなく、ヒトが持つ優美さや機能美を押し出してくれるセンスのよさもたまらない。
 ひるがえるコート、振り上げられたナイフ、銃、肉弾戦からの切り替えなど、魅せるカメラワークは、有象無象の敵を相手取った秀逸なアクションシーンとなり、同時に言葉にならない心情すらもリアルに伝わる。
 女性が美しく、カッコよく、映える作品。
 物語はお約束どおりではあるけれど、随所に散りばめられたネタにトキメキを覚える。

 なお、あらゆる箇所にオリジナルの設定が織りこまれている分、様々な思い入れがある〈バイオハザードというゲーム〉の映画ではなく、一作のアクションホラーとして堪能したい。
  • URL:https://yaplog.jp/takatsuki/archive/445
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December 29 [Sat], 2007, 1:27
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