平成30年11月1日木曜日の修法記

November 04 [Sun], 2018, 9:36



本日は鎮魂行と基本、胴突・胴蹴を行った後、復習科目として「押抜」「二段抜」「引天秤」「切返天秤」を行いました。


副道院長には以下のようにご指導頂きました。

●胴突・胴蹴
胴突をする際は、胴を突こうとするのではなく、その奥を突くイメージをして突きます。また、胴に当てる位置や角度も研究して下さい。胴のどの位置を突いても同じ影響になるのではなく、 相手の中心に力が通りやすい位置や角度があります。また、こちらが力で突くと受け手の相手も固まりますが、その固まりを取ってあげてから突くという突き方があるのです。どうすればそうなるかと言うと、一度自分の中心を纏わせてから突くということです。力と力でぶつけ合うのではなくて、相手のエネルギーを貰って返す形を取ることを意識して下さい。

「引天秤」
●相手を落としたいなら一度上げてあげる
引天秤をする際は、まず掛手を返しながら、上腕の中点にある膊折という急所に手を当てて天秤の支点とし、相手を少し上げてから落とします。相手のことを落としたいと思ったら、上から下に押さえつけようと思うのが一般的ですが、実はその反対の下から上に少し上げてあげると相手は崩れ、落とすことが出来ます。この動きがきちんと出来ていると、力は必要なく衝突もなく相手を落とせます。また、その時の立ち位置も大切です。相手の足の前ではなく横か少し後ろに入ることも意識して下さい。

●極める時に順突の形を作る
引天秤をして極める時に、掛手をしている方の手を回しながら自分の腰に着け、順突の形の様に左足にしっかり体重を乗せます。順突の形が出来ていないということは、体重が後ろに残ってしまい相手への影響が少なくなってしまっているということです。それでは相手は動けるので反撃される可能性があります。前体重になり極めの形をしっかり造ることで相手を固めることが出来るのです。


先輩拳士には以下のようにご指導頂きました。

「二段抜」
●相手を小さくする
二段抜は相手に両手を掴まれた時に手鏡を見る様に守法をしますが、その時に相手があまり崩れてくれないと感じる場合は相手があまり動かず、しっかり踏ん張れている状態です。相手を崩すには両手を取ってくる瞬間に守法をして、相手の指先に乗り、掴まれている手に隙間を作って、相手を崩し、相手の体勢を小さくコンパクトにすることが肝心です。そうすることで、相手の力が強い場合でも掴まれた手を抜くことが出来るようになるのです。相手をどれだけ小さく崩せているかを確認しながら技を行って下さい。


【考察】
本日、引天秤を行いましたが、相手を下に落とそうとする場合、頭で考えると上から下に腕を押さえて倒すことを考えます。しかし、この様に「落とす=下にさげよう」とすると相手は反発して腕を下げられまいと力を入れられてしまいます。しかし、副道院長よりご 指導頂いたのはその反対の「相手を落としたいなら上げてあげる」でした。頭で理解している動きはすなわち「我(顕在意識)」で行っていることです。しかし、そうすると上手くいきませんしぶつかるだけです。逆に相手を少し上げてあげるだけで相手は簡単に崩れてくれました。宇宙の原理原則は頭で考えたことの反対にあったのだと感じました。
人は「我」(頭だけで理解したこと)で考えると“これはこういうものだ”と信じて、疑いを持ちにくいと思います。私も最初は、物を上から下に落とすには、上から下にエネルギーを投げればよいという思い込みがありました。しかし、頭で考えず騙されたと思って相手を上げてあげるだけで、自分より大きな相手でも崩すことが出来ました。
相対で技を掛け合っていると、自分の頭で考えた形や力の方向性と少し違う形になった瞬間に技が掛かることがあります。「何なんだろう、この感覚は?」と、とても不思議に思います。そして、この想定外があると私はワクワクします。その裏に流れているものが何なのかを探求することが出来るからです。
自分の頭で考え過ぎると、それ以外の可能性を考えられなくなってしまいますが、それとは逆に想定外が起こると視点が変わり深めるチャンスが貰えます。有段者にならせて頂いてからは、技術だけではない部分をより意識させて頂けるので、技を復習する度に技の見え方が変わって面白いです。技だけでなく何事もそうですが“分かった”つもりにならず、頭と心を柔軟にし、起こる出来事に対して新鮮な気持ちで向き合い、深めてゆく姿勢を持って日常や修練に臨みたいと思います。

(井上 恵以子 記)
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