洗骨

2019年02月28日(木) 14時33分
解説:お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリこと照屋年之監督が手掛けたコメディードラマ。土葬または風葬した遺体の骨を洗い再度埋葬する風習「洗骨」を通じ、バラバラだった家族が再生していく。妻の死を受け入れられない父親を監督としても活動している奥田瑛二、息子を『Breath Less ブレス・レス』などの筒井道隆、娘を河瀬直美監督作『光』などの水崎綾女が演じるほか、筒井真理子、お笑いコンビ「ハイキングウォーキング」の鈴木Q太郎らが共演。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:新城家の長男・剛(筒井道隆)が、4年前に他界した母・恵美子(筒井真理子)の「洗骨」のため故郷の粟国島に戻る。実家に住む父・信綱(奥田瑛二)は母の死後、酒に溺れており生活は荒んでいた。そこへ名古屋で美容師をしている長女・優子(水崎綾女)も帰ってくるが、妊娠している姿に一同言葉をなくす。 シネマトゥデイ (外部リンク)

解説を読んでゴリが監督だなんてびっくりです。
コメディタッチで重たくも見えるテーマ「洗骨」を家族の絆とともに描いています。

小さな島の中での閉塞感や田舎から都会に出た孤独感。
ネタ?というかコメディタッチの笑いからばっさりカットしてしまうところとか
セリフが多いのでもうちょっと丁寧に作ってほしかったなあ、とかありますがなんだか
監督名を見て納得。

お笑い芸人の間のとり方やお約束の転びなんかは
只者ではない監督のセンスが冴えます。
そのくだりはちょっと長くしつこくも感じました。要所要所に入れるのは良いけどね。

ただこの作品で圧倒的な演技力をみせる奥田瑛二。
彼がいなかたらこの作品のこれほどまでの評価はなかったと思います。
不器用で寡黙で弱くてそんなセリフがないだけの演技がとにかくうまい。

最近、NHKのドラマでもこんな役をやってましたがうまいですねー。
あとなんでQ太郎なの?って感じでしたが
彼にお笑いの部分を一気に引き受けてほしかったんだろうけど
内緒で嘘をついてまで彼の子どもを妊娠するように仕向けた娘の優子が
なんだかおバカな女にしか見えませんでした。
何の魅力も感じない。
近所の住民あたりでやめときゃよかったのに。

もうちょっとマシなのいただろうにというか。

高評価をうけて行ってきましたが
前半はとにかく長くて私は辛かったかな。
好みの問題もあります。

ただ日本に残る「洗骨」という文化を知るには
良い作品だし
奥田瑛二の演技を観る価値はあります。

★★★☆☆

女王陛下のお気に入り

2019年02月17日(日) 19時21分
解説:『ロブスター』などのヨルゴス・ランティモスが監督を務めた、18世紀初頭のイングランドを舞台にした宮廷ドラマ。病気がちな女王と幼なじみ、新入りの召使いの思惑が絡み合う。ドラマ「ナイト・マネジャー」などのオリヴィア・コールマンが主演を務める。共演は『ナイロビの蜂』などのレイチェル・ワイズ、『ラ・ラ・ランド』などのエマ・ストーン、『X-MEN』シリーズなどのニコラス・ホルトら。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:18世紀初頭のイングランドの人々は、パイナップルを食べることとアヒルレースに夢中になっていた。体の弱いアン女王(オリヴィア・コールマン)の身の回りの世話をする幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が、権力を掌握していた。ある日、宮中に新入りの召使いアビゲイル(エマ・ストーン)がやって来る。 シネマトゥデイ (外部リンク)

ラストはええ??何?という感じでしたが
要は権力あるものにどれだけ好かれるか、取り入れられるか。
どの時代にもある「渡る世間に鬼ばかり」の話。

その時代と国が違うので
大いに興味がわくのも事実。
遠く昔の英女王があんな風だったの?
でも史実としては 17人の子どもを産み、あんな感じで2人の女性に頼っていたエピソードも
残っていたりします。

すごく陰険でひどいことをいてるんだけど
コメディタッチでさらっと観れるのが良かったです。

エマ・ストーンの演技も光ります。
この監督、何が何でもエマを脱がせたかったんだろうなー。
彼女、あそこまで大胆に脱いだことってなかったんじゃないかな。
思ったよりきれいなバストでした。ララランドと想像したら私と同じぐらいで
共感できたのに若くてハリウッド女優でしたね、やはり。

ラブストーリーではなくエマ自体も
主人公とは言えど
良い役とは言えません。
もともと良い家柄なのに没落し、馬車で糞の中へ捨てられ
そこでエリザベス女王の女中となりひどいいじめにあいますが
持ち前の機転と美しさでどんどんのし上がっていきます。
すべて計算通り。
でも、下々の男とは決して寝ない。
頂点(ここでは女王)としか寝ない女です。

ストーリーの中で
「私は自分が一番大切」と言っています。
その言葉通りに人を思いやるとかそんなことはなく
とにかく生きるためには?
自分を辱めずにのし上がるには?

レイチェル演じるサラも良かったのですが
やはりエマ・ストーンが上でした。

でもこの作品はオスカーは無理かな。
しいて言うなら女王陛下のオリヴィア・コールマン。
あとは衣装の賞かな。
脚色賞も女王陛下がレズビアン的なものが通るかどうか・・といったところ。


★★★☆☆(3.5)

バーニング 劇場版

2019年02月14日(木) 18時38分
解説:『ポエトリー アグネスの詩(うた)』などのイ・チャンドン監督が、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を大胆に翻案したミステリー。小説家志望の主人公の周囲で起こる不可解な出来事を、現代社会に生きる若者の無力さや怒りを織り交ぜながら描く。主演は『ベテラン』などのユ・アイン。ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」などのスティーヴン・ユァン、オーディションで選ばれたチョン・ジョンソらが共演する。シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:小説家を目指しながらアルバイトで生計を立てているジョンス(ユ・アイン)は、幼なじみのヘミ(チョン・ジョンソ)からアフリカ旅行へ行くのでペットの猫を預かってほしいと頼まれる。帰国したヘミに旅先で出会ったベン(スティーヴン・ユァン)を紹介されたジョンスはある日、ベンに秘密を打ち明けられ、恐ろしい予感が頭から離れなくなる。

冒頭から「あれ、なんかみたことあるな」と思ったら
先日、NHKで少しだけ放送してましたね。
ちょうどきわどいシーンだったのですがセリフもほとんどなく
NHKではあのシーンはキスシーンでストップしてました。当たり前ですが。

韓国のあの鬱蒼とした天気はこの作品にしっかりマッチし
村上春樹ワールドとしては成功してました。

私、村上春樹ワールドが苦手で
「だーかーらー何が言いたいの!」といつも思うの。

この作品も何を言いたいのかわからない。
1時間ぐらいは退屈で
銀座で鑑賞したのですが銀座はつまらない作品だと帰る人も多いのに
みんな寝ないで観てるーーまさしく私が村上ワールドを全く理解できてないのかもしれないです。

ただ確かにこれ日本映画では無理なんです。
韓国だからあのラストとテーマがいきてくる。

多分、ヘミはベンに殺されたのでしょう。
主人公のジョンス以外は彼女のことに注目してなかったのだから。
近くのビニールハウスは ヘミ。
ジョンスの一番近くの愛している人間のことです。
「燃やしてしまえばわからない」というベン。

何もかも怪しいまさにギャッツビイなわけですが
ラストは ジョンスに殺され
ジョンスは衣類も下着もすべて脱ぎ捨て
ベンのポルシェごと燃やして終わり・・

訳が分からないけどあとで思うと
少しずつ見えない糸がつながり
村上ワールドを再現しているように思います。
私は原作は読んでませんが
村上春樹の小説は映画にはかなり難しいと思っています。

以前に「ノルウェイの森」が日本でありましたが
おのイメージがあるのか
今回のこのヒロインも水原希子がぴったりきました。

退屈だけど良く考えると見えてくる村上ワールドを見事に再現した韓国。
韓国映画だからこそ表現できたのではないかなと思います。

でも映画としてはラスト5分のための積み重ねばかりが
前半の1時間ぐらい疲れましたね〜

★★★☆☆(3.5)

ファースト・マン

2019年02月08日(金) 18時04分
解説:『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだ伝記ドラマ。人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の船長ニール・アームストロングの人生を描く。ジェイムズ・R・ハンセンの著書を『スポットライト 世紀のスクープ』などのジョシュ・シンガーが脚色した。共演は『蜘蛛の巣を払う女』などのクレア・フォイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェイソン・クラークとカイル・チャンドラーら。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。 シネマトゥデイ (外部リンク)

この手の宇宙物、宇宙飛行士という設定は
毎回、暗く息苦しいものが多いです。
この作品は特に息苦しさ鬱蒼さがありました。

ただね、ライアン・ゴスリングはかっこいい。
おさえて静かな演技がかっこよすぎて彼の顔ばかりずっと観れてるだけで幸せ。

宇宙飛行士と言えばなんだか夢があり
医者になりたい、政治家になりたい、という将来の夢より宇宙飛行士、という子どもが
好きです。

でもそんな憧れの職業もこの当時は暗く
国内では税金の無駄遣いや白人が税金を使って月へ行く、など非難され
仲間は実験中に何人も死んでいく。
冷戦時代、人は多くは死ななかったと思いますが
こういった政治の混乱で死んだNASAの宇宙飛行士はまさに兵士のその死と同じです。
そんな意味合いも深く伝わります。

そしてその陰にいる家族の心理も描かれています。
宇宙飛行士ほどの重責や家族の心理的負担はないにしても
家族が安定してない国へいくたびにはらはらとしていたことを思い出します。

もう少し生きていく希望だとか
宇宙飛行士の華やかさだとか・・。そんなほっとする瞬間があってもよかったように思います。
でもこれは現実なんでしょうね。
取材し、あれだけ世間で騒がせ一躍スターになった彼らの苦悩を
描きたかったのかな。

そんなにかっこいいもんじゃない。
辛くて心がはりさけそうででも 月面をみたときは言葉が出なかった。

かっこよくない人間臭い宇宙飛行士の話。
そんな気持ちで観てもらうとよいとおもいますが

まあ、あれですよね。息苦さはあるし月にたっても気持ちが何だか晴れたような晴れないような
気持ちになりました。

ライアン・ゴスリングが私のように好きなら見どころはたくさんありますけどね。

★★★☆☆(3.5)