パターソン

2017年09月13日(水) 20時53分
解説:『ブロークン・フラワーズ』などのジム・ジャームッシュが監督を務め、『沈黙 −サイレンス−』などのアダム・ドライヴァーが主人公を演じたドラマ。詩をつづるバスの運転手の日常を映し出す。共演は『彼女が消えた浜辺』などのゴルシフテ・ファラハニや、ジャームッシュ監督作『ミステリー・トレイン』にも出演した『光』などの永瀬正敏ら。アメリカの詩人ロン・パジェットによる詩の数々が、作品に趣を与えている。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:ニュージャージー州パターソンでバスの運転手をしているパターソン(アダム・ドライヴァー)は、朝、妻のローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをすることから始まる、変化のない毎日を過ごしている。そんな日々の中でパターソンは、周囲の会話やマッチ箱といった何げない物事に着想を得た詩をノートに書き留めていた。 シネマトゥデイ (外部リンク)

退屈な作品かなあ、と思い
ジャームッシュ監督作品でしたが公開後すぐには鑑賞しなかった。
ジャームッシュ監督作品自体、それほど相性が良いわけではなく
なんだかすっきりしなくて「なんだったの?」ということも多いので。

この作品は
多分、退屈な人には退屈。

特にこれといった事件もない
平凡な田舎のバスの運転手の1週間の話で
運転手のパターソンが毎日同じリズムで生活し
バスの中から見た景色
帰って来てから
ここでちょっと違うのが彼とは正反対の
活動的で常に模様替えをし、
カップケーキのオリジナルを作り、
ギターを買って将来を夢見る。
破天荒でエネルギッシュな奥さん。

この夫婦の愛し合ってる感じがとても良くて
パターソンがこの破天荒な奥さんの話をすごくしっかり聞いて
愛情で包んでいる感じがすごく好き。
奥さんもこんな破天荒なのにパターソンを愛していて
彼のためにいつも一生懸命なのが可愛い。
パートなんかでこづかいを稼がなくとも
愛くるしく出迎えてくれる女性がきっと男性は好きなんだろうな。

詩作だけが平凡なパターソンの趣味。
この作品に出てくる詩と
作品の中にある詩的要素は多くあり
作品の中で韻を踏んでるようにも思えます。

キーワードの1つは「双子」。
冒頭から奥さんが目覚めに「双子が生まれる夢を見た」から始まり
乗客に双子、仕事帰りに自分の作成した詩を読んでくれた少女も双子・・

それからこの写真の通り奥さんのキーワードは
このなんともいえない柄。
マリメッコ?レオパード?販売したカップケーキまでこの柄でした。

飼っている犬の演技はとても上手でした。
この犬にパターソンが書いていた1冊の秘密のノートを
びりびりに破られてしまうというのがオチで
そのショックからラストに
なぜか日本人の詩人、永瀬正敏が出てきてびっくり。
後ろ姿ですぐに日本人ってわかっちゃうのが切ないですね・・。
手足の長さとか日本人すぎるんだもん、永瀬。

そして白紙のノート。

さてこの真っ白なノートにこれから何がつづられるのか?

平凡だけどちょっとした事件が日々あって
理解者がいて
毎日のリズムの中にちょっとした波風が入り
少し乱れて
バスが故障したり、行きつけのバーで恋人同士のいざこざに巻き込まれたり・・

それを詩的をリズムのように平凡な毎日を打ち続け
時に山があり谷があり
ときに壊れて・・。

詩に詳しければもうちょっと何かを深く感じれたのかもしれません。
でも好きな作品でした。


★★★★☆

三度目の殺人

2017年09月12日(火) 13時48分
解説:第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作『そして父になる』の福山雅治と是枝裕和監督が再び組んだ法廷サスペンス。死刑が確実視されている殺人犯の弁護を引き受けた弁護士が、犯人と交流するうちに動機に疑念を抱くようになり、真実を知ろうとするさまを描く。弁護士や検事への取材に加え、作品の設定通りに実施した模擬裁判で出てきたリアルな反応や言動などを脚本に反映。福山ふんする主人公が弁護を担当する殺人犯を、役所広司が演じる。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

是枝作品ということで行ってきました。
是枝監督と福山のその前の作品の「そして・・」は未鑑賞。
なんだか観る気がしなかったので。
それ以外は「誰も知らない」からすべて観てるはず。

悪くなかったです。
評価に賛否があるのは
是枝監督だから期待しすぎてしまうことと
ハッピーエンドではなく
鑑賞者に答えをゆだねていることが
映画を見慣れてない人には不愉快に思うかもしれない。

殺人事件の犯人探しではなく
役所広司演じる三隅の心理と真実。
そして殺人事件を通して変わっていく
弁護士の重盛が変わっていく姿、
こいつと俺は似てるのではないか?という一瞬。
そんなところなのでしょう。

役所広司の演技がこの作品ではずっしりときます。
二人のインタビューでは
取調室のシーンが増えたということであるが
二人のやりとりと最後、二人の顔を重ねて写した映像はうまいところ。

最後まで一体、三隅は殺したのか?
それが謎として残るけど
私は重盛が出した結論と同じく

自分の娘のように思っていた殺された男の娘、咲江(広瀬すず)に
真実を人前で証言してほしくない気持ちで
最後の最後で「自分は無実です」と
重盛にやらせたことは
彼の最後の償いだったように思います。

死刑を宣告され
正式な罪で問われたかは本作では謎ですが
満足した三隅の最期だったと思います。

光の加減などそこに心理描写とあわせて使ってるところは
今の日本監督ではあまりいないんじゃないかな。

是枝監督としては物足りなさもありますが
そこそこに観れました。


★★★☆☆

しかし前日にたまたまつけていたサスペンスも
近親相姦がきっかけの殺人事件。
あまり気分も良くないけど
オチとしてはもう辟易かな・・。




ダンケルク

2017年09月11日(月) 16時39分
解説:第2次世界大戦で敢行された兵士救出作戦を題材にした作品。ドイツ軍によってフランス北端の町に追い詰められた連合軍兵士たちの運命と、救出に挑んだ者たちの活躍を描く。監督は『インセプション』などのクリストファー・ノーラン。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディ、『プルートで朝食を』などのキリアン・マーフィ、『ヘンリー五世』などのケネス・ブラナーらが出演。圧倒的なスケールで活写される戦闘シーンや、極限状況下に置かれた者たちのドラマに引き込まれる。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)が、数的に不利ながらも出撃する。 シネマトゥデイ (外部リンク)

クリストファー・ノーラン作品です。
最近、ちょっとかすってないですか?ノーラン。
やはり私の中の最高傑作は「バットマン」かなあ。

今回の作品は戦時下を金を使いまくって
CGをいつものとおりあまり使わず、ダイナミックな作品となっています。

ダンケルクでの戦時下での出来ごとがメインですが
群像劇のようになっていて
ダンケルクのときのこの人、この人、この人、とスポットが変わります。
遊覧船の親子と友人がダンケルクに兵を助けに行くかと思いきや
その中にうまくキリアン・マーフィが海の上のボートの上でうずくまり
助かったものの
感情を抱えていて親子がダンケルクに向かうことを許せず
船の中でいざこざを起し友人がなくなってしまったり、

イギリス兵が逃げてながら共にした仲間が
実はフランス兵で逃げながら違う部隊とあい
その船が沈没したり攻められたり

大規模に作り
爆音とともにひやっとしたり大画面に圧倒されたり

多分、この作品の中では
友情だとかそんなものはテーマではなく
単純にこのスケールを見てほしい。

なんとなく金にものを言わせてるクリストファー・ノーランな感じがしないでもないですが
飽きずに最後まで観れちゃうのもノーラン様の業なのでしょうか。

私はトム・ハーディが大好きなんですが
あのパイロットが一番かっこいいと思っていたら
やっぱりトム・ハーディだった。
顔を目以外、覆っていたので「これ、トム・ハーディだよね?」と思いながら
ラスト一番、かっこよかったけど敵に捕まってしまった。

日本ではまだトム・ハーディでは客が入らないのか
クリストファー・ノーランのCGをほとんど使わない演出、みたいので
広告を出しているのが笑えました。
まあ、確かにそのとおり
CGを使わないだけの迫力はあったかな。

ただ戦争映画で心に何か傷ができる作品といういよりも
こんなことがダンケルクで
そして臨場感あるCG少な目の作品を今の時代に大画面で
鑑賞でき心に何か残るかといえばそうでもない、良いんだか悪いんだかよくわからない作品だったかな・・。

これはスクリーンで観なければ全く意味がない作品かな、と思う。


★★★☆☆(3.5)

新感染 ファイナル・エクスプレス

2017年09月06日(水) 20時00分
解説:カンヌ国際映画祭やシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭などで話題となったパニックホラー。感染した者を凶暴化させる謎のウイルスが高速鉄道の車両内にまん延する中、乗客たちが決死のサバイバルを繰り広げる。『トガニ 幼き瞳の告発』『サスペクト 哀しき容疑者』などのコン・ユらが出演。群れを成して襲い掛かる感染者たちに恐怖を覚える。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:別居中の妻がいるプサンへ、幼い娘スアンを送り届けることになったファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)。夜明け前のソウル駅からプサン行きの特急列車KTX101号に乗り込むが、発車直前に感染者を狂暴化させるウイルスに侵された女性も乗ってくる。そして乗務員が彼女にかみつかれ、瞬く間に車内はパニック状態に。異変に気づいたソグは、サンファ(マ・ドンソク)とその妻ソンギョン(チョン・ユミ)らと共に車両の後方へ避難する。やがて彼らは、車内のテレビで韓国政府が国家非常事態宣言を発令したことを知り……。

評判が良かったので行ってきました。
評判が良くてもやはりなんとなしや漂うB級感。
冒頭はなんだかやっぱりのB級感。

ゾンビもなんだかちょっとなあ。
前半はもたついてる感じもしましたし
早くゾンビ出ないかなーって感じでしたが
出てきてからは一気にゾンビワールドです。
しかしゾンビワールドの中にある
人間の良い部分、悪い部分、
そして人間性までもしっかりと描いています。

主人公は当初、「自分だけ」が大切でしたが
このゾンビワールドの中で自分の中の大切なもの
大切な気持ちが出てきます。
本当に大切なことってなんだろう?って。
常にゾンビとの格闘で突っ走り続ける中で
子どもや逃げる人たちとの結束でぐーーんと強まります。
私も醜いんだなあ、と思ったのは
やはり主人公にも子供にも助かってほしい気持ちから
周囲の人よりも逃げなきゃ、と思ってしまう自分がいて
どのタイミングで自分自身、自分大好きから人へ思いやることが
できはじめるのかも観る1つのポイントなのかと思います。

バス会社の常務には最後まで人間の「醜さ」が出ていて
最後の最後まで
この人、どんなふうに死んでいくんだろう、とそんな期待もしながら鑑賞できます。
最後まで憎たらしい奴で
電車の外に出るにも誰かを餌食にし
電車の外で誰かに手を差し伸ばされて助かったのに
その人を餌食にしてしまう。
これって人間社会、仕事でもあるよね、こういうの。
色んな人を餌食にしてのし上がっていくというか。

でも、最終的にはぶっ殺されまくりで
主人公とマ・ドンソクもすっかりゾンビとなってしまうんですけどね。
主人公は何を隠そう一番むかつく
バス会社の常務だったりするんですけどね。

いつまでたってもほっとするまがないほどに
一緒に逃げていた仲間も次々と亡くなっていきます。
その最期をどうやって選ぶか。
死にざまにも人間性が出ていて隅々まで手を抜いてない。
どうでもよくなってしまうゾンビ映画をこんな風に
描けるなんて
韓国映画、やっぱりすごい。

ラストは子供と妊婦の二人となり
プサンまでたどり着き
軍の「銃殺」のセリフにまでドキドキしちゃいました。

最後まで観客を飽きさせない作りに拍手。
面白かった。

★★★★★

韓国の「かっこいい」俳優って主人公のようなコン・ユのような
手足とさらっとした顔つき以外に
マ・ドンクみたいな年齢が45過ぎの恰幅の良く貫禄のいい男性。
マ・ドンクが全く好みではないのにセクシーすぎるし
かっこよすぎ。

そして電車の昔で言う網棚の上を
軍隊張りに這うのですが(あれは妊婦無理だろ、と突っ込みもあるけど)
あれって兵役制度のある韓国だからか?
日本人の男じゃ多分、あれ、無理。
もちろん私も無理。でも妊婦はもっと無理じゃないかとは思ったけど・・。