ハクソー・リッジ

2017年06月28日(水) 15時50分
解説:俳優として数々の話題作に出演し、監督としては『ブレイブハート』でオスカーも手にしたメル・ギブソンがメガホンを取って放つ感動作。第2次世界大戦中に銃を持たずに戦地入りし、多くの負傷した兵士を救った実在の人物をモデルに奇跡の逸話を描く。主人公を『沈黙 −サイレンス−』などのアンドリュー・ガーフィールドが熱演。自身の信念に基づき、勇気ある行動をとった兵士の物語が胸を打つ。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:第2次世界大戦中、デズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺してはいけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議にかけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力により、デズモンドは武器の携行なしに戦場に向かうことを許可され……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

メル・ギブソン監督作品です。
オスカーにノミネートされた作品ですが
ノミネートの理由に今、必要なもの、戦争反対、なんてことも
あるかもしれませんが
戦闘シーンがリアルに描かれていて
そこまで殺戮に近いシーンを長くやらなくても良いのでは、と思うほど。
相手が日本っていうのがなんともまあ、ってところですが
別に日本でも日本でなくても
主人公のデズモンドが活き功績を残した戦地であれば良かったわけで
このリアルともいえる戦争シーンは
ホクソーでの戦いで兵として戦っていたリアルな証言もあったんだろうと思います。
恐らくCGをそれほど使ってないのかもしれない。
だからこそ余計にリアルになるし
メル・ギブソンの苦労がわかります。
だからこそ苦労して撮影したシーンが長いのかなあ、なんて。

死体にねずみが群がるシーンなどは
あまり戦争映画では観たことがないし
それが何度も出てきてぞっとしたり

日本人が
切腹をするシーンなんかもあるんですが
海外の人から見たら
そのシーンは文化の違いを思わせ
映画として残虐であるんだろうと思えます。
日本人なので何とも思いませんでしたが。
日本だからではなく
海外から見たら特異だった日本の戦争を見せるのも
監督の手腕なのかもしれない。

後半のハクソーでの戦いでの
デズモンドの活躍、彼の本当の精神力の強さが見せ場であったりするのですが

前半は彼の生い立ちだとか
なぜ良心的兵役拒否者となったのか。
そのあたりがもっと出ても良かったと思います。

前半の兄弟げんかで弟が意識不明になったり
父親が第一次世界大戦のトラウマを抱えながら
精神的に生きるのがつらく
家族にDVをするシーンもありますが
それだけでは
主人公に芽生えた敬虔ともいえる宗教心は信仰を持たない私にとっては
伝わってこなかったです。

主人公の本気さは
やはり後半の多くの兵が諦めてしまう死にそうになっている
仲間を最後まであきらめずに救おうとするところ。
でも頑固に前半の兵役での訓練で銃を持たない頑なさや
仲間割れが自分の責任で起こっているというところに
宗教心のなんたるやがわからないと
ただの変わり者にしか映らず終始イライラしながら前半は鑑賞しました。

そして父親は家族に兵を引退後に
暴力を振りまくり愛情も何もなさそうですが
デズモンドが銃を持たないときに本気で
昔の上司と掛け合い(シーンは出てきません)
裁判で違う結果を出したところなどは
息子への愛情、彼を理解している息子を思う気持ちも伝わってきます。
そこで初めて父親の愛情を、変わってしまった父親。

ラストは真実お決まりの
本人登場です。
87歳までつい最近までご健在だったんですね。
その軍曹も出てきました。

協調せずに自分の信じていることを頑なに
守り通すのはできるものではありません。
そしてこの時代だからこそ杞憂な存在であり
現在、映画として作品に残ったんだろうな。

戦争映画はもうここのところお腹いっぱいではありますが
(特にヒトラーはもういいかな)
久しぶりに全然泣く場所ではないのに
兵士が死にそうになってるシーンで
意味もなく涙が出てしまいました。
年をとったからかなあ・・。

このぐらいずっしりしたテーマが映画でないと
なかなかお金を払う気にならないですなあ。

なぜ同世代の女性が昼顔をあんなにみたいのか
わからない私は変わり者なのかも。
なんだか平和すぎやしないか、って思うんですが
やはり私は変わってるのかもね。

★★★★☆


この人誰だ?と思った
大尉はお久しぶりのサム・ワーシントン。
彼も40代ですかー。
大人の男の魅力がたっぷりあってかっこよかったです。
初めてサム・ワーシントンをかっこいいと思ったかも。

同僚に私の好きなトム・ハーディあたりが出てたら最高でしたが
そこまでお金かけらんないか・・
脇役じゃトム・ハーディ、出ないよね・・

セールスマン

2017年06月16日(金) 18時46分
解説:『別離』『ある過去の行方』などのアスガー・ファルハディ監督がメガホンを取ったサスペンスドラマ。不幸な事件をきっかけに、平穏な日々を送っていた夫婦の人生が少しずつ狂い始める様子を丁寧に描写する。ファルハディ監督作『彼女が消えた浜辺』でも共演したシャハブ・ホセイニとタラネ・アリドゥスティが夫婦を熱演。思いがけないてん末に驚がくする。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:共に小さな劇団に所属する夫婦(シャハブ・ホセイニ、タラネ・アリドゥスティ)は、ちょうど劇作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演していた。教師として教壇にも立つ夫が家を空けた隙に、転居したばかりの家で妻が何者かに乱暴されてしまう。その日を境に二人の生活は一変し……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

アスガー・ファルハディ監督、2回目のアカデミー賞外国語作品賞受賞作品です。
私、彼の作品はほとんど見てますね。
でも結構、ぐいぐいと心理的に食い込んできて観ていて
楽しい気分になれるものではないんだよなー。
そして記憶力の低下でそれほど覚えてないっていう。
しっかりここに記しておかないといけないですねー。

読んでる人もそう多くないので
ネタばれもありで更新します。

話が逸れましたが
この作品もある意味アスガー・ファルハディ監督だから
胸糞悪いんだろうな、という覚悟を決めて鑑賞。
覚悟を決めていたせいか
いつもよりはそれほどすっきりしない結末ではなかった気がします。
後味があまりよくない、と書いてる人が
多いけど
いつものアスガー・ファルハディ監督の内容と比べたら観やすいかなあ、と。

この監督の作品でいつも思うのが
イランの生活を観れるということ。
今回、イランの住宅事情やBMWをBM「V」と呼ぶ、なんてことも出てきます。

そして登場人物の意見が私と異なることで
なんでこうなっちゃうの?ってことが多くて。
今回はヒロインの乱暴されてしまった人妻にはどうも意見が合わず
どちらかというと
ご主人の気持ちとあったのでラストも
後味は悪いと言いつつもすっきりした部分があったのかもしれないです。

ヒロインの女性がセリフの中でも言ってた通り
「軽率な行動」だったんですよね。
まあ、この軽率な行動がなければ
そもそもこのストーリーは成立しないので
必要なんですが。
そして乱暴した犯人が入る瞬間も彼女が乱暴された瞬間も
映像にありません。
このあたりがもうほんとにすごいな、って思うんです。

犯人の招き入れた風にドアが開いてる数秒に
これからの事件の不幸さが想像つくんですね。
そしてあえてヒロインの被害状況は隣人のセリフの中でしか
想像ができないようにもなっています。
しかし前に住んでいた人が荷物を残したまま追い出され
なんでそんなことになったのか
聞かないのもおかしなものに思えるんですが
イランでは普通なのでしょうかね・・。

夫婦関係はこの事件によりぎくしゃくし
お互い愛しているからわがままになり
夫に八つ当たりをしてしまったり
犯人は許せないが妻が乱暴されたことを
夫婦が別の気持ちで受け入れられない。

トラックから犯人がわかり核心に迫ります。
犯人は高齢の男性で
家族もありしかも家族に愛されている存在です。
夫が犯人を旧宅へ導き
セリフにこそありませんが
「うちの夫婦をどうしてくれるんだ、もうもとに戻れない」
そんな鬼気迫るやりとりがあります。

しかし犯人が持病の心臓発作になり
家族が呼ばれ
家族が犯人のことをとても愛していることを知り
主人公二人の葛藤が出てきます。

犯人のせいで自分たちの人生はめちゃくちゃになってしまったではないか、と
犯人の人生を壊したい夫。
そんな夫の気持ちもわかるし自分も確かに深く傷ついているが
犯人の家族を思うと家族にばらすと脅される
犯人に対し、自分たちのしていることは正しいのか?葛藤する妻。

そんな心理が旧宅でのやり取りの中にあります。

そしてそして犯人はついに家族に暴露されることなく
墓場まで持ってく形になり
映画は終了。

もやもや感は確かにありますが
夫が犯人を殴ったことで現実なら
その後は後味は悪いけど
映画だからすっきりしたほうがいいかな、と思い
私的にはこのラストはありかなあ、と。

そして外国語作品賞らしく
監督が言わんとしてることは
結局、どう転んでも
この夫婦にできてしまった溝は埋めることができないということ。

これからどうなるのか。
そんな感じのもやっと感もあります。

いつものアスガー・ファルハディ監督ものより
私にしてはもやっと感、憂鬱感はなかった感じでした。

★★★★☆

LOGAN/ローガン

2017年06月04日(日) 19時53分
解説:『X-MEN』シリーズのウルヴァリンが、傷つきながらもミュータント存亡の危機を救おうと突き進む姿を描くアクション大作。超金属の爪と超人的な治癒能力を持つ不老不死のヒーロー、ウルヴァリンが老いて傷跡残る体で、ミュータントの未来の鍵を握る少女を守るべく戦う姿を活写する。主演をシリーズ同様ヒュー・ジャックマンが務め、監督を『ウルヴァリン:SAMURAI』などのジェームズ・マンゴールドが担当。能力を失ったウルヴァリンの衝撃の姿と壮絶なバトルに注目。 (シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:近未来では、ミュータントが絶滅の危機に直面していた。治癒能力を失いつつあるローガン(ヒュー・ジャックマン)に、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)は最後のミッションを託す。その内容は、ミュータントが生き残るための唯一の希望となる少女、ローラ(ダフネ・キーン)を守り抜くことだった。武装組織の襲撃を避けながら、車で荒野を突き進むローガンたちだったが……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

X-MENのシリーズはなんだかんだ言いつつも
だらだらと観ていまして
その流れで今回も。
普通に毎回、楽しめるんですよね。
しかし今回のはファンの人は良かった!と言ってるので
きっと私のように
まあまあ、嫌いじゃないぐらいの人間にとっては
どうしても映画単体の評価になってしまいます。

毎回「MARVEL」のエンドクレジット後の
次回をにおわす何かもあるのですが
今回はもちろんウルヴァリンの最期なので何もなく・・
でもちょっと期待してエンドクレジットまで鑑賞してしまいました。

ストーリーとしては
鬱蒼としてますし
よたよたなウルヴァリンと
終わりに向かう感じと
ウルヴァリンを好意で泊めてくれた家族が
気の毒だなあと思ったり
あまり思いながら観たことがなかったんだけど
夫と鑑賞して
夫に「で、ローガンは国の組織と戦ってたの?それとも単なる研究者と戦ってたの?」といわれ
確かによくわかんないなーっていう。

他にはラストのあの感じなら
すべての子どもながらのミュータントが団結したら
楽勝だったんじゃないか、とか
突っ込みどころも満載で
これでX-MENも終わりかあという哀愁よりも
なんとなく年齢と共にヒュージャックマンがこの役をやり切ったというか
そんな感じもしました。
シリーズになりながらもイメージが固定しないのはさすがヒュー・ジャックマンですな。

シリーズのファン以外はお暇ならといったところでしょうか。


★★★☆☆

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017年06月01日(木) 8時26分
解説:マット・デイモンがプロデューサー、ケイシー・アフレックが主演を務め、数々の映画賞を席巻した人間ドラマ。ボストン郊外で暮らす便利屋が兄が亡くなったのを機に帰郷し、16歳のおいの世話をしつつ自身が抱える過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。メガホンを取るのは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』などの脚本を担当してきたケネス・ロナーガン。共演には『ブルーバレンタイン』などのミシェル・ウィリアムズ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのカイル・チャンドラーらが名を連ねる。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。

期待とは何か違ってましたが
脚本、ケイシー・アフレック、そして
それほどたくさん登場してないけど
ミシェル・ウィリアムスの演技がものすごく良かった。
ミシェル・ウィリアムスはもうちょっと登場が多かったら
助演女優賞はいけたかもしれないですが
この写真でのシーンはぐっときます。

想像とは違い静かな静かなそしていつまでも
主人公の心をあわせて
暗い作品ではあります。

そして丁寧に丁寧に脚本を作り上げてるのがわかり
重要となる
回想シーンも手を抜いてません。
この過去が肝になるので
このあたりに手を抜くと安っぽいものになってしまう。

自分の甥を引き取らなくてはいけないことと
甥が父を亡くした喪失感を
主人公は自分の過去さえ清算できないでいるのに
受け入れることができずにいる。
しかし元妻はとっととそんなことから逃げ出して
別のパートナーの子どもを身ごもり
人生をやり直していている。

甥の持つ悲しみや人生、
友達が多く明るいところはもともと持っている主人公の性格にも似ていて
甥の悲しみがわかるからこそ
甥の人生を背負うことに戸惑う主人公・リー。

リーはどんな結論を出すのだろうか。
独りぼっちでは辛いからやっぱり甥と
人生を共にし、若い人生を共に笑い感動することも良いのでは、と
私はラストは願っていましたが
そうもいかず・・

現実はやっぱりこうです。
映画ぐらいは明るくポジティブにと願ってますが
この作品はこのラストでなくてはいけなかったのかもしれません。

★★★★☆