さざなみ

2016年04月27日(水) 18時51分
解説:ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞を筆頭に、各国の映画祭や映画賞で高い評価を得たヒューマンドラマ。結婚45周年を迎えようとする夫婦の絆と愛情が、ある手紙が届いたのを機に揺らいでいくさまを追い掛ける。メガホンを取るのは、テレビやショートフィルムで活躍してきたアンドリュー・ヘイ。『スイミング・プール』などのシャーロット・ランプリング、『ドレッサー』などのトム・コートネイが夫婦にふんする。ベテランである彼らが見せる妙演に加え、恋愛と結婚の違いを深く見つめた物語にも引き込まれる。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:結婚45周年を記念したパーティーを土曜に予定しているジェフ(トム・コートネイ)とケイト(シャーロット・ランプリング)の夫婦。だが、月曜に届いた手紙がきっかけとなって、山岳事故で命を落としたジェフの昔の恋人の存在が二人の間に浮き上がってくる。かつての恋人との記憶をよみがえらせてはそれに浸るジェフと、すでにこの世にはいない彼女に嫉妬を募らせていくケイト。次第に彼女はジェフに対する不信感を抱くようになり、長い夫婦生活で育んできた愛情や絆も揺るぎ始める。 シネマトゥデイ (外部リンク)

映画館はほぼ65歳以上でした。
私が一番若いぐらいでしたね。

内容はどうということはなく
これ、ランプリングの演技で100分近くが持った内容です。
あらすじどおりの話で
ラストに主人公が得た答えは?
主人公が思ったことは?
これからこの夫婦はどうなるの?

というどうってことのない普通の老夫婦の話だったりするんですね。

ランプリングは大好きな女優さんで
彼女が脇役でちょこっと出るだけで
場が一気に引き締まるし
ある意味、ちょっとだけの出なのに主役を食っちゃうこともあります。

またオゾン監督のミューズとも言われてるランプリング。
今回の「さざなみ」をどうしても「まぼろし」と思ってしまったのは
ランプリングが主演でオゾン監督作品の「まぼろし」があったからでした。

今回、主演女優賞にノミネートされてましたね。
演技は彼女らしからぬ地味な普通の主婦で
でも、表情だけで感情の機微を表現するところなどはさすがです。

夫婦における45年間を一気に白紙にするような
元カノの訃報の知らせに
夫婦にまさにさざなみが立ち、
ラストにランプリングの あの演技が素晴らしい。

主演ながらに抑えた演技は
このラストに集約されていたとも思われるほど。

ランプリングの演技で+★

★★★☆☆

レヴェナント:蘇えりし者

2016年04月24日(日) 21時05分
解説:レオナルド・ディカプリオと、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がタッグを組んだ話題作。狩猟中に瀕死(ひんし)の重傷を負ったハンターが、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐(ふくしゅう)するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。主人公の宿敵には、『インセプション』でディカプリオと共演しているトム・ハーディ。オスカー常連のカメラマン、エマニュエル・ルベツキが自然光のみで撮り上げた臨場感あふれる映像にも注目。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。 シネマトゥデイ (外部リンク)

原作を現在読んでますが
原作はものすごく面白いです。

映画と原作は似ているようで違います。
ベース・時代背景、主人公などは同じですが
主人公グラスに子供はいません。

原作がものすごく面白いのですが
なかなか情景が出にくい中
この映画に当時の服装、キャンプの様子、
インディアンの襲撃など
当時を物語る要素が画像として出てきて助かった、ってなぐらいで

この映画だとグラスが強靭過ぎて
人間では考えられないほどの
回復力ですたすたあるいちゃってるじゃないか、っていうか
そんな気さえもしました。

レオ様が オスカーを獲れてよかったと思いますし
原作を読んでなければきっとレオ様の演技に
文句は言えないと思えるけど・・。

作品全体のストーリーはいったい何が主張なのか
わかりにくく
復讐テーマなのか、それにしたら
敵であるフィッツジェラルドの存在が弱いし
ラストはめでたしではありますが
どうなのかなあ。

ただ撮影賞をとっただけに
カットはすごいですね。
監督賞としては昨年の「バードマン」が退屈だったので
イニャリトゥ監督にはそれほど期待してなかったけど
撮影賞は納得でした。

ストーリーはそれほど楽しめるかというと私自身は
それほどでもでした。
原作が良いからかもしれないですけどね。


★★★☆☆


ボーダーライン

2016年04月20日(水) 21時20分
解説:アメリカとメキシコの国境で巻き起こる麻薬戦争の闇を、『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が衝撃的かつリアルに描いたアクション。メキシコ麻薬カルテルを撲滅すべく召集された女性FBI捜査官が、暴力や死と日常が隣り合わせの現実を目の当たりにする姿を映す。主演は、『イントゥ・ザ・ウッズ』などのエミリー・ブラント。ほかにベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンらが出演。ヴィルヌーヴ監督による臨場感たっぷりの演出と、名優たちの緊迫した演技に注目。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)のもとで極秘任務に就く。ケイトは早速、謎めいたコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。人が次々と亡くなる現実を突きつけられたケイトは……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

前半のあの緊迫感からしたら
後半はどうなのか・・

やはりデルトロがエミリーブラントを完全に食ってしまい
主人公である彼女の存在がかすんでしまってるのが気になります。

そもそも女性である主人公が
なぜこのメキシコ麻薬カルテル捜査に入ることになったのかも
謎すぎる。
そもそも優秀な捜査官でありながら
男性にはとことん腕力では劣るし
精神的にも強いとも言えず
どうみてもダメダメなんですよね。

その反対に安定の南米物、麻薬、といえば ベニチオ・デル・トロ様。
彼の出演した
「SAVEGES」が好きだったので
この「ボーダーライン」も楽しめるかと思いきや

デルトロは相変わらずの南米独特の「悪」っぽさがあり
良いです。

でも主人公が全体の持つイメージの中でも弱すぎる。

そもそもブラをつけない女が
仕事がうまくいかなくてバーで知り合った男と
勢いでそうなりそうになるとは
なんとも間抜けとしか言いようがないですよね。

前面に女が出すぎというのもあります。

多分、エミリーブラントの主役を観るということであれば
ちっとも面白い作品ではなく
突っ込みどころが満載ですが

デル・トロ様のあの強面、あの体格、あの迫力、演技を見るのであれば
楽しめる作品かもしれません。

話は主人公のケイト(エミリーブラント)がなかなか
理解できないように私もついていけないところが多かったかな。

デル・トロの同じく南米、マフィア王「エスコバル」をすっかり見忘れたことを
思い出し
今は悔しい思いでいっぱいです。

作品としては・・・
エミリーブラントに期待していたのでその視点で

★★★☆☆

スポットライト 世紀のスクープ

2016年04月17日(日) 17時30分
解説:アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描くスリリングな社会派ドラマ。カトリック系住民が多いボストンで、神父による児童への性的虐待事件を暴露した新聞記者らの困惑と共に、次々と明らかになる衝撃の真実を描き出す。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのマイケル・キートンが記者を好演。複雑に絡み合う事件の根の深さに慄然(りつぜん)とする。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。 シネマトゥデイ (外部リンク)

こちらもオスカー絡みの作品です。
出ている俳優、女優は豪華ですが
作品は至って地味。

あらすじのとおり
カトリック教徒が多いボストンで教会全体が性的虐待を隠蔽し
その性的虐待をしている神父が尋常な数ではないこと、
その隠蔽は教会組織ぐるみで行われたこと、など

4名の記者と
編集者2名が主に登場し
その中で徹底的なチームワーク、取材で
ラストを飾る、といったところで

笑い、涙、感動、そして恋愛もないこの作品。
この中でどれだけ俳優が
演技していくのか、そこにかかってる気がします。
出演者のすべての演技は抑え気味ですが良かったです。

この地味な作品がオスカーを獲った理由。
作品として抑揚のないものですが
メディア、マスコミのすべきことを改めて考え直す、そんなことを思いました。
今、日本では政府が報道の自由、表現の自由を権力により
コントロールをかけるとかかけないとか、、話題にもなってますよね。

決して社会の大きな力により弱者が泣き寝入りする世界ではいけない。
そんなことを伝えたかったのでは。

もうちょっと圧力がかかった風とかそんなことも入れてほしかったりもしましたが
反対に淡々と仕事を日々こなす
優秀なチームがうらやましくも思った。
そうでなければこの結果の地味な勝利はなかったでしょう。

仕事のチームの人材がすべて優秀とは限らない実情。
そしてアメリカならではの
上司にも言いたいことや思ってることを言えるのもいいな、と思ったり。

またボストン以外の出身の新しい編集長からみた
歪んだボストン、
でも ボストンにずっと馴染み
住み続けていたからこそできた情報、協力、ネットワークの強さもあり

根付いている悪をわからずに過ごす日々、
でも地元の人々に支えられている人、
そのあたりも対比ができていて
ハリウッド映画らしくはない地味な作品ですが
良かったかな。


★★★☆(3.5)

ルーム

2016年04月13日(水) 20時46分
解説:エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK −フランク−』などのレニー・アブラハムソン監督が映画化。7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に適応していく過程を描く。主演は、『ショート・ターム』などのブリー・ラーソン。生まれて初めて外の世界に触れた息子の戸惑いを、子役のジェイコブ・トレンブレイがみずみずしく演じる。 シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ:施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。 シネマトゥデイ (外部リンク)

女性だったら作品を観ながら胸がぎゅっと痛くなる瞬間があると思います。
彼女の痛みは一生わかることはないけれど
もしも自分が彼女の立場だったら、と思うと胸が張り裂けそうになります。

今回、この作品でオスカーを獲ったブリー・ラーソン。
彼女の演技は素晴らしかったですが
ジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイ君の
みずみずしい演技が本当に良かった。

前半は「ルーム」の中で生活する親子。
どんな生活をしているのか
そんな様子が描かれていて
なぜ二人がこの状況におかれているのかは
後半の 主人公のセリフからしかはかり知ることはできません。

子供が成長していく過程の中で
主人公が 母として強くなり
ジャックを誘拐犯に触らせない姿などは
動物が子供を守るために威嚇する姿そのもの。

前半は犯人から逃げる瞬間のドキドキがあり、
サスペンス映画よりもドキドキしてしまった。
案外呆気なく警察に保護され母親と対面できたのも驚きましたが

話の軸は次へ移行されるからです。

現実社会で生きていく厳しさが二人には待っていて
マスコミの集中砲火だったり
主人公が精神のバランスを崩して倒れてしまったり・・
そのあたりは子供は柔軟に次の社会に馴染み
すくすくと生活をしていく姿との対比など
非常にうまく作っていると思います。

この二人の背負うものはどうなるのか・・。

好奇の目で一生見られながら生きていかなければならない。
彼らは何も悪いことはしていませんが世間はそうとしか見てくれません。
主人公の父親がどうしても
自分の「孫」を直視することができず
娘を傷つけた証を可愛いと思えない父親の心もまた切なく・・。

本当につらく切なく
二人の今後を憂慮していまいますが

この作品の素晴らしさは
力強く生きていこうと思わせる
ラストなのでしょう。

ルームに行き
ジャックが「縮んだ?」のセリフに
ジャックが日々成長し
そこを必要としなくなっていったこと。

これからの二人に待っているものは多難な日々でしょう。
しかし重たいテーマでありながら
すがすがしい気持ちになれるラストでした。


★★★★☆

日本でもこのような事件が報道されたばかり。
力だけで女性を拉致し
監禁する男など極刑以上。
傷ついた心をどうしてくれる?
女性の心と時間は戻すことができない。
せめてゆっくりと事件に巻き込まれた少女が
カウンセリングを受けながら
社会で普通に生活し、恋愛していける世の中に・・
そう願って止みません。