チョコレートドーナツ

2014年08月29日(金) 9時56分
解説:1970年代アメリカの実話を基に、母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、司法や周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ。ゲイであるがゆえに法の壁に阻まれる苦悩を、テレビドラマ「グッド・ワイフ」シリーズなどアラン・カミングと、『LOOPER/ルーパー』などのギャレット・ディラハントが熱演する。メガホンを取るのは、『17歳のカルテ』などのトラヴィス・ファイン。血のつながりはなくとも、少年を守るため奔走する主人公たちの無償の愛が胸を打つ。

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あらすじ:1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーのルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はゲイカップル。 母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と出会った二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。 しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ、マルコと引き離されてしまう。

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近所の映画館で見逃して
悔しい思いをしていた作品。

評判が評判を生みアンコール上映をしたり、新たに公開をしているようですね。

そんな話題の作品です。
アメリカで差別と言えば人種差別がぱっと浮かぶし
今年のオスカーも人種差別がテーマの「それでも夜はあける」。

ここ数年で日本でもゲイ、同性愛者への偏見はなくなりつつあるし
むしろアメリカなんて市民権も得てるのでは?と勝手に想像。

そんな現代からさかのぼりゲイには生きるのに厳しい時代の1970年代。

非常に難しいテーマです。

母親が子供を育てるのが幸せなのか?社会的に問題があっても?ドラッグ中毒でも?
ゲイカップルは社会的に問題があるのか?迷惑をかけてるのか?子供本人がこの二人に育てられたいと願っているのにかなえられないのはなぜか?

鑑賞している側としては
同性愛者には寛容だし、裁判に登場した学校の先生のとおり

「両親の性的な事情はどうでもいい。マルコは能力も伸び幸せそうでした・・」みたいな(こんなニュアンスです)
発言にあるとおり

差別・偏見が司法にまで及んでいる嘆かわしい事実。
戦っていた時代がこうして事実として映画として残ることは重要。

戦争もそうですがいつの時代も忘れてはならない先祖たちの苦労。

キーとなるマルコという障害児の少年も1970年代では一人の「子ども」として扱われていたようですが
さらに遡る非情な歴史をたどると
障害児を差別することが同性愛者、人種を差別するのと同じぐらいひどかった時代もあったはず。

今でこそ表面上では平等、差別をする者こそ恥ずべきとなってますが
根底にある人間の本質はいじめという言葉が代表するようにまだまだなくなることはないでしょう。

この作品を見て
ラストがせつなく悲しいけれど
マルコの一瞬の限りない幸せと二人の幸せがあったことが
せつなくも悲しくも救いになる。

オスカーを獲るような派手な作品ではなく
丁寧に丁寧に作りこまれている。
1970年代の同性愛者の社会の偏見、司法までもが味方することなかった時代。

ラストに涙するひとが多かったようですが
私は涙は出ず・・なぜだか。かなり冷静にみてしまったよう。
なんというか悲しくてせつないものにあまり涙が出ないみたい。

またいろいろな映画館でアンコール、拡大上映されているようなので見逃した方は是非。


★★★★☆


消えた画 クメール・ルージュの真実

2014年08月23日(土) 12時56分
解説:『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』などで知られるリティー・パニュ監督が、自身の体験を基にポル・ポト政権下のカンボジアを描く異色ドキュメンタリー。クメール・ルージュの弾圧により家族や多くの友人を失った同監督が、祖国が体験した恐怖の支配を語り継ぐ。当時の映像は支配者層によって大半が廃棄されていたため、素朴なクレイアニメと実写を織り交ぜて失われた記憶を再現し、第86回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートなど多方面で絶賛された。

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あらすじ:1970年代、共産主義を掲げるクメール・ルージュ(カンボジア共産党)の支配下、国民の多くが不幸な目に遭った。そんな時代に少年期を過ごし、家族や友人を失った映画監督リティー・パニュが自らの体験を基に、恐怖に支配された当時のカンボジアをクレイアニメと貴重な記録映像を織り交ぜて再現していく。

以前にポル・ポト派に拉致され拷問を受け
帰還した人の話を読んだことがあります。

世界には今でも絶えず争いが起き
今、ぱっと思い浮かぶだけで
いくつもの戦争、争いがあります。
ここ数年は特に多く感じます。

日本ではこのポルポト、クメールルージュの話はそれほど昔ではないのに
馴染みがあまりなく
ポル・ポトがどんなことをしたのか、
自分の国民にした財産はく奪、教養のある人間の殺戮、食料を与えず、飢えを与え
暴力で支配しようとした歴史・・などなど
深くを知るきっかけはあまりありません。

この作品では当事者である監督が
クレイアニメを使用して
多くの人に知ってもらわねばと丁寧に丁寧に作りこんでる作品。

当時の貴重なカンボジアの写真とクレイ人形を使い
ゆがんだ政治、思想を伝えています。

ドキュメンタリーは少し退屈に感じることもありますが
監督の強い思いとメッセージは多分に伝わってきます。

非常によく作り込んだドキュメンタリーです。


★★★★☆


考えるものが大きすぎてついつい本気になりすぎて
むしろ寡黙になってしまう日本の現実。
声をあげなければはじまらない。
きっとこのままでは日本もまた過ちを犯すのではないでしょうか。
今、そんなタイミングです。
なぜ皆、声をあげないの?私もあげてないよね。

飢えさせれば支配できる。

この作品での印象的な言葉でした。



めぐり逢わせのお弁当

2014年08月22日(金) 9時07分
解説:本作で長編デビューを飾るインドの新鋭リテーシュ・バトラが監督と脚本を務め、インドの弁当配達システムを題材に描くドラマ。間違えて届けられた弁当が取り持つ孤独な男女の出会いと心に染みる交流を映し出す。『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』などのイルファン・カーンが主人公を好演。弁当箱に入った手紙を通してお互いを知る二人の繊細な物語に心奪われる。

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あらすじ:インドの大都会ムンバイでは、ダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人たちがランチタイムに弁当をオフィスに届けて回る。ある日、主婦のイラ(ニムラト・カウル)が心を込めて作った弁当が誤ってサージャン(イルファン・カーン)のもとに届く。イラは料理を通じて夫の愛を取り戻したいと願い、妻に先立たれたサージャンは久々の手料理の味に心動かされる。

作品自体は
インド映画の乱痴気騒ぎもなくしっとりとした雰囲気。
今の時代にまた手紙というのがなんとも心にくいところですが

この作品で一番思ったこと。
やはり他の国の文化を映画は伝えてくれる、教えてくれるということ。

インドの弁当宅配システムを私は知らなかったんだけど
朝に家に集荷して
その後、職場の家族に配達してくれるシステム。

ダッバーワーラーという弁当配達人が
エラー率わずか0.00000625%で確実にあたたかいお弁当と
配送してくれるシステム。

運命的な出会いなんだ!と物語につながってくるわけなんです。

生活に日々、疲れている二人が
この弁当と手紙に癒されながらロマンティックに話は進みます。

もどかしさもあったり
ラストに不満もありますし、
自分の想像していた明るい気分になれそうな映画と言われれば
そうでもない。

映画自体は上に住んでるおばさんを
声だけの登場にさせるところも映画の演出としては良いと思います。

地味な作品ですが
他国の文化を知るという意味でも非常に興味深く鑑賞することができました。


★★★☆☆





パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

2014年08月14日(木) 10時40分
解説:超絶技巧で有名な伝説的バイオリニスト、ニコロ・パガニーニの破天荒な人生と、彼の人生を変えた2人の人物との出会いを描く伝記ドラマ。スキャンダルが絶えない異端児パガニーニを、欧米で圧倒的人気を誇る天才バイオリニスト、デイヴィッド・ギャレットが演じる。監督は、『不滅の恋/ベートーヴェン』などのバーナード・ローズ。共演には『リンカーン』などのジャレッド・ハリス、『僕と彼女とオーソン・ウェルズ』などのクリスチャン・マッケイらがそろう。

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あらすじ:1830年のイタリア、並外れた才能を持ちながらも不遇の日々を送るバイオリニスト、パガニーニ(デイヴィッド・ギャレット)の前に突如現れたウルバーニ(ジャレッド・ハリス)は、彼を著名なバイオリニストにしてみせると約束。ウルバーニはさまざまな手段を用いて名門劇場での公演を成功に導き、パガニーニは一躍富と名声を手に入れる。成功後も放蕩(ほうとう)生活を送る彼のもとに、ロンドンデビューの話が舞い込む。


俳優として観るとセクシーさなんかは欠けるけど
まあ、バイオリンを弾いたら
現在、バガニーニを演じれるのは彼しかいないでしょう。

バイオリンのシーンは
圧巻。映画館ですがうっとりしてしまいます。

映画としてはそこそこ楽しめますし、
バカニーニの人物やさらーーと人生もわかります。

本当にあのマネージャーらしき人がいたのかは謎。
パガニーニ自体、非常にケチだとも言われていたらしいので
しっかり自分で管理していたのかもしれません。

また著作権がなかった時代。
譜面も焼却してしまったものが多かったらしく
現存されてないものもあるようです。

それにしもデイヴィッド・ギャレットの演奏は良かった。
そのために一見する価値はあるかなあと思います。



★★★★☆



私の男

2014年08月13日(水) 21時33分
解説:直木賞作家・桜庭一樹によるベストセラー小説を、『海炭市叙景』などの熊切和嘉監督が映画化。流氷に閉ざされた北海道と東京を舞台に、孤児となった少女と彼女を引き取ることになった男の禁断の関係を描き出す。互いに秘密を抱え寄り添うように生きる父と娘には、浅野忠信と二階堂ふみがふんするほか、高良健吾、藤竜也らが共演。時代の移り変わりに合わせてフィルムとデジタルを駆使し、北海道の雄大な自然を捉えた映像にため息が出る。

あらすじ:奥尻島に猛威を振るった津波によって孤児となった10歳の花(山田望叶)は遠い親戚だという腐野淳悟(浅野忠信)に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、二人を見守ってきた地元の名士で遠縁でもある大塩(藤竜也)は、二人のゆがんだ関係を察知し、淳悟から離れるよう花を説得。やがて厳寒の海で大塩の遺体が発見され、淳悟と花は逃げるように紋別の町を去り……。

相当興味がなく
原作にもまるで興味がありませんでした。
近親相姦と聞くだけでぞぞっときてしまいます。
私は普通の家の出ですが
私の中で相容れることのできない関係なので
どんなに理屈や思いがあっても理解できません。

今回、やはり全く観る気にはなってませんでしたが
高評価につられたこと、
それも二階堂ふみの演技が一見の価値あり、とのことで
むしろ見に行きたくなってしまった。

うーん・・。

原作を読んでないとまるで
単なる頭のおかしい二人な話にしか思えなくて。
そのくせ行間が長いというか。
いらないシーンにやたら時間をかけすぎで
セックスのシーンとかあんなに長くいらないはずなんですよ。
恋人とのシーンはあんなに長いこと流すことないよね。
女優さんが頑張ったから伸ばしたのかな・・なんてことすら思った。

もっとこの映画で必要なのは
どうしてそんな感情になってるのかとか
理解できない感情をどうにか観客に理解させようとする努力というか。

二人の行きつく先は・・
なんだかどうでもよくなってきてしまったりもしたんだけど
なんだか最後までどうぞ、お好きに、とあきれ気味。

予想通り二階堂ふみの演技は幼いころから大人になるまで
見事だし、
浅野忠信の田舎のおっさんからだんだんクレイジーになってくるところも
良かったと思う。

ただ・・。原作を読んでないせいもあるけど
誰にも共感できない映画って私の場合無理。

良い映画だったか、勧めたい作品か?と問われたらNO.

良い人がどんどんいなくなって・・
彼らのクレイジーがいきついてもいきついてもまだ足りなくて。
最後にはもうどうでもよくなってきてしまった。
高良健吾の登場の意味もまるで理解できず・・。



★★☆☆(2.5)