インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

2014年05月31日(土) 12時17分
解説: 第66回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したジョエル、イーサン・コーエン監督によるドラマ。フォークソングで有名な1960年代のニューヨークはグリニッジビレッジを舞台に、音楽活動に奔走しながらも苦闘するシンガー・ソングライターが過ごす1週間を見つめる。『ボーン・レガシー』などのオスカー・アイザック、『17歳の肖像』などのキャリー・マリガンなど、実力派俳優が結集する。コーエン兄弟ならではのユーモラスな語り口に加え、詳細に再現された1960年代フォークシーンの描写も見もの。
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あらすじ: 1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……。
シネマトゥデイ

コーエン兄弟、久しぶりの作品でかなり楽しみに。

うーん・・。
作品自体はフォークだし、それほどパンチがあるようなものではなく
一人のフォークソングライターの人生ドラマをスポットして
コーエン兄弟らしい
シニカルさや笑い、センスもあります。

猫の使い方なんて普通の監督じゃなかなかあんな粋な使い方できません。
オートロックの家を出ようとした瞬間
猫が飛び出して中に入れられなくなり
連れて行かなくてはいけなくなり
この猫がわりと物語のポイントポイントで良い味を出してくれます。

一番好きな猫シーンは
妊娠してしまったジーン(キャリー・マリガン)が
いつだって主人公を徹底的に罵倒するしかしないのですが
猫に対する主人公の態度にふっと彼を思ってる
ジーンの女性としての思いが伝わるシーンが気に入ってるかな。

それから猫とは別でコーエン兄弟らしいのは
ジーンが妊娠を告げるときに紙で書いて見せるところとか
(このときのキャリー・マリガンの演技はすごい!)
小憎くてこれも好きなシーン。

この主人公は実在したのかなのかは記載されてませんが
フォークファンの人はもっと楽しめるのかもしれません。

私はものすごく良かった!!!というほどの感動や共感は
なかったけど
きっとこれ、男の人の方が夢を追かけ
そのために生きていけたら・・
そんな共感があるのかもしれない。

コーエン兄弟の作品は大好きですが
久しぶりに「ノーカントリー」、「ファーゴ」のような
作品が観たいと思う今日この頃。

「ファーゴ」のDVD見直そうかな。


★★★☆☆

ある過去の行方

2014年05月29日(木) 19時54分
解説: 『別離』が第84回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したイラン出身の鬼才、アスガー・ファルハディが放つ人間ドラマ。お互いの子どもを連れて再婚しようと考える男女が、女性の娘のある告白を機にそれぞれが抱えていた思いも寄らなかった秘密を知ることになる。『アーティスト』などのベレニス・ベジョと『パリ、ただよう花』などのタハール・ラヒムが、主人公のカップルを熱演。全編にあふれる不穏なムードとサスペンスフルな語り口や、それによって浮かび上がる人間の深層心理の闇に圧倒される。
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あらすじ: 4年前に別れた妻マリー(ベレニス・ベジョ)と離婚手続きを行うため、イランから彼女のいるパリへと飛んだアーマド(アリ・モサファ)。かつて妻子と日々を過ごした家を訪れると、マリーと長女のリュシー(ポリーヌ・ビュルレ)が子連れの男サミール(タハール・ラヒム)と一緒に暮らしていた。マリーとサミールが再婚する予定だと聞かされるものの、彼らの間に漂う異様な空気を感じ取るアーマド。そんな中、マリーと確執のあるリュシーから衝撃の告白をされる。

主人公は「アーティスト」のヒロインだったんですね。
気づきませんでした。
前半は人間ドラマというかメロドラマ。
日本ではあまりないような設定で
子連れ同士で、母親の父親はすべて違う、旦那になる男の奥さんは植物人間、
ヒロインは離婚調停中で夫がフランスにもどり
難しい年頃の16の義理の娘のカウンセラーもどきをやらされ
結婚させる説得をさせーの、反対の理由を聞きーの・・

日本ではありえない設定なんですが
ごくごく一般庶民の設定で
次から次へとまあ良く出てくるびっくりの過去。

その過去をめぐりどうやって向き合うか。
これがこの作品のキーではあるんだけど

前半の人間ドラマ、心理合戦、演技(ヒロインのベレニス・ベジョの激しい演技は一見の価値あり)だったりするのですが
後半になるとこの人間ドラマ、心理合戦から
娘の本当に結婚を反対している理由、
そして再婚する予定の二人の本当に愛している人、
植物人間になってしまった妻の本当の自殺の原因など

前半の濃厚なドラマとうまいことつなぎあわせ
ハラハラドキドキの展開へ一直線。

この作品、一見すると
離婚劇のおフランスのよくある心理映画と思いきや
サスペンス要素が後半部分にぐっと入り

主人公も次から次への変わり
ラストはそこへ・・。

楽しめました。

すっきりしない作品かと思ったのですがそうでもなかった。
好みはあると思うけど
おフランス映画ちっくさとサスペンス映画が好みなら良いと思う。


★★★★☆


上映されてる映画館が少ないのが残念。
私は地元の薄汚い映画館でレディースデイにもかかわらず
夜の上映で10名ぐらい。

また映画館、なくなったら困るな・・

とらわれて夏

2014年05月20日(火) 19時25分
解説: 「ライ麦畑の迷路を抜けて」などで知られる作家、ジョイス・メイナードの原作を実写化したラブストーリー。ひょんなことから逃亡犯の男性をかくまうことになった女性が、彼と惹(ひ)かれ合った果てに重大な決断をする5日間を見つめていく。監督は『ヤング≒アダルト』などのジェイソン・ライトマン。ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリンら、実力派俳優が結集する。彼らの熱演もさることながら、人生や愛のあり方に深く迫ったドラマも見応え満点。
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あらすじ: 9月初めのレイバーデーの連休が迫る、アメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)とその息子である13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じ、アデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして、人生を大きく変えかねないほどの重大な決意をする。

この邦題がちょっと・・というかずいぶん安いメロドラマの雰囲気にしてしまっています。
かなり残念。

ストーリーはあらすじ、予告通りで
脱獄犯が心を病んでる母と息子の間の生活に入ってくる話です。
母も息子も脱獄犯も
それぞれに思いを持っていて
息子の目線でしっとりと描いています。
だからこそ二人のラブシーンなんかはなく
あくまでも息子と同じイマジネーションのみがあったりと
ぎっしりと3人の思いが凝縮しあった
息子の成長物語であったりします。

そして母の幸せをおもってやまない息子だからこそ
息子がその存在を認めます。
あれほど求めていた
父親像、夫像、すべて理像通りの男性。

あーこれが映画なんだと思えるような展開だし
こんな素敵な男性居ないよなとは思うけど
過去はつきまとうし
やっぱり、そうなっちゃいます。

もちろん捕まっちゃうんだけど
そのあとも10分から15分ぐらい
息子が成長を重ねていく過程と
母、実の父との関係、将来どうなったかなどもつづってあり
かなりもれがない
1つの母子の人生を描いているというところ。
その母子の人生の中に
一人の男の存在がどれほど大きく
そして人生を大きく左右したかなんかも描かれています。

大人になった姿がトビー・マグワイヤ登場。
最近、主役級の役をやってませんが
ちょっとした役どころも存在感はあり。

作品全体としては
漏れがなくケイト・ウィンスレットの中年女性の魅力があふれ出ていて
息子の成長過程なんかを
一人の男の登場で変わっていく姿を丁寧に描いてくれていました。
最後の最後まで結末が知りたい
どうなっちゃったのーー
見てる人にゆだねちゃうのーーという
最近のもやもやっとした終わりではないので

結末をしっかり映画に任せたい人も楽しめるかな。

邦題が悪いのでー1★


★★★☆☆(3.5)

若かりし頃のジョシュ・ブローリン役。
かなり本人にそっくりなんですが
ジョシュ・ブローリン本人?
そっくりすぎでした。

ブルージャスミン

2014年05月11日(日) 21時09分
解説: ウディ・アレン監督がケイト・ブランシェットをヒロインに迎え、サンフランシスコを舞台に転落人生の中でもがき、精神を病んでいく姿を描くドラマ。ニューヨークでセレブ生活を送っていたものの夫も財産も失ったヒロインが妹を頼りにサンフランシスコに引っ越し、再生しようとする過程で、彼女の過去や心の闇を浮き彫りにしていく。実業家である夫をアレック・ボールドウィンが演じるほか、サリー・ホーキンスやピーター・サースガードが共演。シリアスな展開と共に、ケイトの繊細な演技に引き込まれる。
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あらすじ: ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は夫ハル(アレック・ボールドウィン)とニューヨークでぜいたくな生活を送っていたが、全てを失い、サンフランシスコに暮らす妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のアパートに身を寄せる。過去のセレブ生活にとらわれ、神経をすり減らしていたジャスミンだったが、ある日お金持ちの男性ドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、自分の身の上についてうそをついてしまう。
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かなり楽しみにしてました。
ウディ・アレンの作品大好きです。

ただ、ウディ・アレンのシニカルでくすっと笑える作品と言えば
そうであるんだけど
でも、いつものウディ・アレンかといえばちょっと違う気がします。

とにかくこの作品は
主人公のジャスミンの演技にかかっているようなもの。

ジャスミンの演技、魅力で
作品の振り幅が変わるといっても過言ではありません。

そんな意味でも
今年度、ケイト・ブランシェットはこの作品でアカデミー主演女優賞を
獲りましたが

まあ彼女の演技はもうすごい!

アカデミー賞はこれはもう獲る。

ジャスミンの持つ心の闇、心の病気を
ウディ・アレンらしいシニカルなテンポにあわせて演じ切っています。

なんというかね。
ジャスミンが「ブルー」になると

メイクが崩れるわけね。

マスカラが絶対に、まぶたの下で滲んでいるわけなの。

で、ラストはマスカラが滲まないの。
すっぴんだから。
そんなのも良かった気がする。

胸糞悪いとかいろいろ意見もあるようですが
私は面白かった。

オチもよくて
あーウディ・アレンらしいな、って。

終了後トイレで女性たちが
ハッピーエンドじゃなかったんだねーと話してましたが

あそこで、知り合った金持ちと一緒になったら
つまんないだろうと。

まあ、ハリウッド映画なら
あそこで
プリティウーマンばりに
それ以上の金持ちになり、めでたし、めでたし。
やっぱり金持ちになり幸せに暮らしましたとさ、って?

そんなのウディ・アレンじゃなーい。


★★★★☆


しかしあれだね。
美人で品が良ければ
いくつになっても
素敵な男性に声をかけられるものなのかな。

あれぐらいの美人なら・・・
でも決して幸福ではなく
自分で踏み外した人生を修正なんてそうそう簡単にできない。
ちょっとしたねじれで
人生は大きく回転する。
でも、生きていくしかない。
薬のカクテルをしながら。