ディア・ドクター

2009年07月10日(金) 19時34分
解説: 『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫、余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。(シネマトゥデイ)

あらすじ: 村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……。(シネマトゥデイ)

観るのどうしようかなーと思ってました。
前回の「ゆれる」は非常に良かったけれど、すごく重くてしかも予告を観てすぐにこの映画の「嘘」がわかってしまったんだもん。
鶴瓶が出ていて、あの高齢者ばかりの過疎が進む村の診療所の医者の物語、なんて言ったらすぐにぴんときてしまいました。

なんとなくこのじんめりした梅雨の時期にこの人の映画、観たくない、って気分になってしまったのでした。

ところが前半は、鶴瓶、使いました、といわんばかりに軽快なリズムと絶妙な「間」。
いつもお笑いの人が俳優をこなすときにこの「間」に笑ってしまうんですよね。
今回もやはり鶴瓶の絶妙な「間」に笑ってしまうことしばし。

後半はシリアスな西川美和子節全快。
いろんなものを絡ませつつそしていろいろなことを考えさせられつつ・・。

現代社会では誰しも「こうありたい」「こうでいたい」という気持ちの中で何かになりきりながら、そしてそれをいつしかやめることができないところまで行きすぎてしまってる人ってきっとたくさんいるんだろうと。
そしてその結果、「嘘」ということになってしまうことがあるのではないかと。

何が一体正しくて、何が一体間違いなのか。

この作品を観て考えさせられました。

研修医相馬が伊野にスイカを持ってきたときに会話したこと。
ネタばれになるので書きませんが、ここが一番の見どころと思います。

相変わらずテーマは深く、相反するテーマの是をいくつも投げかけ考えさせる映画を作ってしまう西川監督。
やっぱりこの人すごいです。

★★★★☆

高齢化社会、医師不足、過疎化・・など日本が抱える問題も多く取り込まれています。

映画館は満席でした。
高齢者の方が多かったのがびっくりしました。
この作品を観て、高齢者の方は何を思ったのでしょうか。

気になります。