蛇にピアス

2006年09月03日(日) 20時05分
これもやっと文庫になったので読むことに。

19歳で芥川賞を受賞した金原ひとみさんの作品です。

綿矢りささんの作品も以前に読んだんですが、作品からすると金原さんの方が良かったかなー。

感想ですが、やっぱ最初のところはすごく気持ち悪い。
そのくせ、主人公の痛いほど伝わってくる10代の切ない叫びが伝わってきます。
すごく極端にいろいろなものを書いているけど、やっぱり10代の頃にはこんな風に考えていた時期があったかもしれない、と思ったり。
やっぱこの年齢でしか書けないものをある意味ストレート、そしてある意味湾曲して伝えているところがこの作品の魅力なんですね。
でも、きっとこれから、私はこの人の作品は読まないと思う。
なんか若すぎて共感できないというか。
現代の若者のの代弁するという形でもっといろいろと投げかけてくれればいいかな、とは思いますが。

エミリー

2006年09月03日(日) 19時46分
獄本のばらさんのエミリーを読みました。
今回このエミリーが獄本のばらさんは初めて手にした作品です。
「下妻物語」の映画は観たとき、あの話に原作があるとは、とびっくりしたものです。
なんと言っても、深田恭子扮するロリータファッションがとてもキュートで印象的だったのを覚えています。

今回、表題作エミリーですが、これに関してはロリータファッションがわりと出てきます。
全体的に獄本さんは、洋服が好きなのか他の短編でもコムギャルソン、ヴィヴィアンウエストウッド、など私が高校生の頃愛したブランドが多く登場し、知ってるだけにすごくわくわくします。
ロリータこそ私はしませんでしたが、中に登場するジェーンマーブル、MILKなんかも知ってるので、キャラクターのイメージもつかみやすかった。

ただ、これを知らない人が読むとやっぱりどうしても獄本作品の色彩やキャラクターの良さがあまり感じられないかもしれない。
私は、幸いにも登場する服が大好きだった時期があったので楽しむことができたんですが。

全体的にはセリフがすごく多いんです。描写はあまりなく、だからといってこんなに長いセリフは脚本では書かないからあやっぱあれは本ですね。
うーん。。もっとセリフ以外に感情の突出をしてくれると読んでいて移入しやすいんだけどな。
セリフだとどうしても同意できないものに関しては受け入れられないし。

結構、先にも書きましたが洋服や絵画などの華やかさで読者の中にできた想像力の色彩を色濃くさせるものが多いですね。
まあ、結構、えぐぐて醜い人間の心なんかがわりと書かれていて、それがそのきれいな洋服とかでカバーされてるような感じ。

けものみち

2006年08月21日(月) 20時33分
けものみち(上巻)割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。人倫の道を踏み外したものがたどる<けものみち>とは。

映画、ずっと観てません。観たいのが夏休みってないんだもん。
読書もそれほどさくさく読んでるわけでもなく、この間からしたら随分と間があいてるなーと。

さて、今回は、松本清張。
ドラマにもなったけものみちです。

狗神

2006年08月06日(日) 10時25分
出版社/著者からの内容紹介
美希の一族は村民から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続くはずだった。一陣の風の様に現れた青年・晃が現れなければ…。そして血の悲劇が始まり、村民を漆黒の闇と悪夢が襲う。


内容(「BOOK」データベースより)
過去の辛い思い出に縛られた美希は、四十路の今日まで恋も人生も諦め、高知の山里で和紙を漉く日々を送ってきた。そして美希の一族は村人から「狗神筋」と忌み嫌われながらも、平穏な日々が続いてゆくはずだった。そんな時、一陣の風の様に現れた青年・晃。互いの心の中に同じ孤独を見出し惹かれ合った二人が結ばれた時、「血」の悲劇が幕をあける!不気味な胎動を始める狗神。村人を襲う漆黒の闇と悪夢。土佐の犬神伝承をもとに、人々の心の深淵に忍び込む恐怖を嫋やかな筆致で描き切った傑作伝奇小説。

amazonより抜粋

私、女のくせに女性作家が結構苦手。特に女の人に今、すごく人気がある作家とかいますけど、重厚さや緻密さに欠け、女心をたらたら書いてあるものばかりで、退屈。
そういえば、出てきてないでしょ?このブログにも。笑

そんな中、好きな女性作家をあげるなら、まちがいなく私は、坂東真砂子。
なんといっても、緻密なプロットとと、切り口、そして何と言っても、表現力には圧倒されます。
特に、音を使っての文章は、秀逸。

音まで入れてしまうぐらいの文章を書かれますし、この人の話は結構、こわーいものもあって。
ほんとに情景が浮かび上がってしまうので、怖くて眠れないものもあったんですよ。私の場合。

シャネル

2006年07月23日(日) 17時13分

藤本ひとみさんが書かれたシャネルを読みました。

藤本さんが書いたということでかなりの期待をしてしまっていたのですが・・

この1冊では、シャネル自信の考え方がつかめなかったというの感想です。
生涯ですからね・・どうも藤本さんはシャネルの生き方にはあまり共感できなかったのでは?と思ってしまいました。
それからページ数などにも制約があったのかもしれませんが、とにかく場面の切り替えが早すぎでした。
というのも、場面が変わるだけならいいのですが、重要な要素がいきなり飛んで、すでに次の章では3年後とかそのぐらいぶっ飛んでしまってます。

結局のところ、この本ではシャネルの生涯を年表に作ってそれをかいつまんで、書いただけに過ぎないような感じがしますね。
物語として読むにはあまり面白いとはいえません。
伝記としては、知らなかったシャネルについての逸話は楽しめました。

No.5などの香水を服のブランドから初めて出した、ということであったり、パジャマを作ったのはシャネルが最初だったり・・
毎年のコレクションの中で常に新しいファッションを追いつつもシャネルっぽさというのを忘れないところがこのブランドのすごいところで、いかに創設したシャネルの魂が後々まで残ってるかというのが素晴らしいのです。
コレクションを見て”あ!これ、今回のシャネルの新作!”と新作なのにシャネルってわかっちゃうところがすごいってことですね。

あの時代だったからこそ、シャネルが輝きを失わずブランドとして一流を誇れてると思います。
今の時代にもしシャネルがいたら。。どうなんだろう。この話どおりのバイタリティーがあればデザイナーとしてではなくても、やはりそれなりの地位を築いていたのかもしれない。
けれど、私の生活の中にシャネル、という名前はなかったのかな、と思います。

捲土重来。まさに彼女にぴったりの言葉のような気がします。

三島由紀夫のレター教室

2006年07月15日(土) 12時18分
これは、再読ですが、急に三島由紀夫の文章が読みたくなって、しかも軽めが良かったので本棚から引っ張り出してきました。
当時、高校生の頃に1度読んだきりで、すっかり内容も忘れていたのですが、当時よりも今、読んでみるとこの本の面白さや良さがわかります。
読んだ頃はそれこそ、手紙よりも電話が主流。
今は、それに変わりメールがあります。

どっちかっていうと、このレター教室に関しては、メールっぽい内容ですね。
時代の先を行ってるのがさすが。
普通のつまらん日常や思ったことを気楽に手紙として書いています。

再読するのもたまにはいいな、て。最近、読みたい作家や本に出会ってないーー。というわけでまた再読でもしようかしら。

冷血

2006年06月27日(火) 9時36分
わお!私ってば、映画、2週間以上も観てないんだー。
体調が悪いと映画、観れないよね。。あー観たかった映画、終わっちゃった。

さて、今回は、フィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー男優賞受賞をとった作品に関連するもの。

私が買った文庫の説明がないので、残念ですが、一応、参考までに新訳で出たらしいので、そっちのあらすじなどを抜粋しておきます。
というか、新訳が出てたのか、というショックが・・


内容(「BOOK」データベースより)
カンザスの村で起きた一家4人惨殺事件。5年余を費やして綿密な取材を敢行し、絞首台まで犯人たちを追った本書は、40年を経た今なお、輝きを放ちつづける。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル。人間の魂の暗部を抉りつくし、後進の作家たちに無限の影響を及ぼした暗黒の教典、待望の新訳成る。
内容(「MARC」データベースより)
取材5年余。犯行の綿密な再現から刑執行まで-。カンザスの村で起きた一家惨殺事件の犯人たちを絞首台まで追う、人間の魂の暗部を抉りつくしたノンフィクション・ノヴェル。発表40周年を記念し、新訳で刊行。

これは、事実です、という映画や本は、それだけで、読者がぐっとくる。
あまりにも出来すぎた話は「どうせ作り物でしょ」と読みながらしらけてしまうからだ。
この冷血は説明にもあるとおり、カポーティがノンフィクションとして放ったもの。

この小説自体は、翻訳でしかも私の読んだものが古かったので、どうかなー。というのがあったけど、かなり楽しみながら読めました。
楽しみながらというと語弊があるかもしれないですが。

あらすじに書いてある内容が、この話の概略を表しているすべてですが、話の中の緻密さや心理描写、そして取材を通して書いたこのノンシクション小説が、小説として成立していることにただただ脱帽でした。

これは、1度読む価値ありです。(というかこの年になって読んでなかった私もどうにもこうにもなんですが)
ペリーが、どうして4人もの罪のない人を殺したか。
殺そうと思うまでの心理状態。次々に何も思わずに・・ということではなくて、躊躇したり、別の感情が倒錯したり。
今では専門書やその他として出てるけど、小説、なので自分の感情の中にすっと入ってくるところが恐ろしくも素晴らしかったです。

さゆり

2006年06月04日(日) 17時14分
女の子が祇園に売られていくなんて、今の日本では早々考えにくい話。
そしてそんな話なんて女性の私としたら、あまり嬉しくもない小説。
なんだかすごく胸がつまるような切なくて哀しい物語を連想するではないですか。
そういうこともあったし、この間、上映した”さゆり”も、なぜに日本の文化を映し出すのに、チャンツィーを使う理由もわからなかったし、日本の間違った文化をアメリカに伝えているような陳腐な作品なようで、映画は全く興味なし。

というわけで、小説にも興味がなかったんですが、またもやBOOKOFFで安くなっていたので、呼んでみるかということになりました。
小説はなかなか良いという噂も聞いてたんだけど。

良いとか悪いとかそういう簡単な感想を言うならば、はっきり言って、本当に面白かった!!
久しぶりに、なんか早く次の展開、次の展開へと読みたくてたまらない話になっていました。

さゆりの目がグレーで、大変美しく、機転が利き、頭の良い女性だったということが、うまく表現され、残念ながら日本人の私でさえ、知らない日本文化を読みながら勉強したような気分になれました。

話の作り方が非常にうまくて、導入の部分から、ひきつけられます。
上下で文庫で出していますが、個人的には上の、舞妓から芸妓にのし上がっていく部分の方が興味深く読めました。

映画が、あんな形になってしまって非常に残念でした。
黒澤明がつくろうとかそんな話もあったらしいので、是非、黒澤さんに作ってもらいたかったなー、と思いましたね。
あの人が作ったら、どんなにか日本文化を大切にしたものになったか。
あー残念。

とにかく話の盛り上げ方がうまくて、常に気をそそる事件が数ページの間に起り、はらはらドキドキのしどおしでした。
さゆりが最後にどんな人生に顛末するのか、と気をもみましたが、アメリカ人が書いてる小説なので、そのあたりは、わりとアメリカ人好みの終わりになっていました。

これって、日本で連ドラとかしたらかなり受けると思うんだけどなー。
映画では言い切れないと思うけど、絶対に面白いと思う。女のどろどろとかさ。
初桃をやる人がいないかしら。笑

クージョ

2006年05月28日(日) 14時43分
スティーブンキングの"クージョ”を読みました。

文庫の背表紙に書いてある説明どおりがほぼ話の内容そのまんま。

背表紙に書いてあるあらすじ:子供好きの忠犬クージョは、体重が200ポンドのセントバーナードだが、コウモリにひっかかれて狂犬病をうつされた。理由のない腹立ちに苛まれて、心ならずも飼い主を襲う犬。たまたま訪れたドナとタッド母子は、炎天下、故障した車に閉じ込められた。人の不和、不安の象徴とも思えるお化けの影の下、狂った強健と容赦ない灼熱に悩まされる恐怖を克明に描いて、ひたすらコワい長編。

だけど、すごく不思議なのが、あらすじはわかっていて、結末も多分、こうなるんだろうな〜とわかりつつもついつい引き寄せられてしまうのがSキング。
もう、しつこいよー、わかったよーというシーン連発だけどあのしつこさが、余計にクージョへの怒りをかりたてるし、その他、クージョを野放しにした家族に対する憤りもあったり。
ほんとに上手い。

Sキングは、連続殺人犯をヒントに狂犬病の犬に例えて、微細なまでに家族という細かい襞まで描き出している。

キングが伝えたかったくだりがあったんだけど、何もしるしをつけてなくて、今見た限りすぐにみつけられなかった。

この作品を面白い、と言ってしまうのは問題かもしれないが、物語にひきつけられ最後まで時間を忘れて没頭してしまう作品の1つという感じだろうか。

GO

2006年05月09日(火) 9時20分
この映画観てないんだけど、原作を読んで観たいなーと思った。

すごく主人公の男の子がかっこいい。ほんとに。
でも・・
少しね、自分の持ってる知識をひけらかしすぎで、そのあたりはかなり退屈だった。
恋した杉原という女の子と付き合い始めてどんなことで2人がデートしたかってことだったんだけど、なんかどうでもよくて。(笑)
どっちかっていうとこの恋愛の部分よりも、親子関係の部分が良かったと思う。
この話では、恋愛、友情、家族の部分を中心に書いてるわけだけど、やっぱ父と子の、最後の大喧嘩してもう、死ぬ寸前まで殴りあうところは、最高に面白い。

この人の話って、徹底的に愛のムチで死ぬ直前までやるところが笑っちゃうのよね。
なんか熱いとさめてるところの極端さがいいの。

フライダディフライは、映画しか観てないけど、この映画も面白かったな。

小説というよりもあくまでも娯楽本としてさらーっと読めます。