ぼくを葬(おく)る

2006年04月26日(水) 19時55分
あらすじ:「あと3ヶ月―。いや、1ヶ月かもしれない。」
31歳、気鋭の美しきフォトグラファー ロマンがある日突然受けた死の宣告。
そこから始まる本作、我々は動揺と絶望に揺れながら死に向かうロマンの
旅路に付き添い、彼が自分の運命に抗い、やがてはそれを受け入れていく
過程を共に体験することになる。
突然、命の期限を告げられたとき、人は悲劇にどう折り合いをつけ、
どこに生の意味を見出し、何を選ぶのか?
リアルに、そして真摯に‘死’を見つめることで‘生’を輝かせ‘愛’を讃える
『まぼろし』('01)を凌駕する感動作がここに結実。
果たして彼は自身の死とどう向き合い、
自身の亡い未来に何を残そうとしたのか―?
ロマンの生き様が、我々の心にいつまでも消えない希望の灯をともす。

感想:
なんとなくテーマがありきたりというか・・ほんとは生きているうえでこういう状態に直面したら、大変な出来事だけど、映画のテーマの題材としてはなんとなくよくある話。
でも、フランソワ・オゾン監督だから観てみようというか。

全体的にはオゾンっぽさが諸所にあって私はなかなか気に入りました。
ラストは、まさに、フランソワーズ・オゾンだ、どうだ!!って感じです。

そして、なんと言ってもセリフが、洒落ているの。

例えば父との会話。
父:「母さんに心配させるな。」
ロマン:「それ、父さんが思ってることだろ」
父:「あ、こういうの癖なんだ

次に暇そうなレストランでのウェイトレスとの会話
ロマン:「暇そうだね」
ウェイトレス:「静かなところでしょ。気に入ってるの」

追記は、大いにネタバレ。
オゾン監督は、ゲイというのは有名な話ですが、今回のこの主役のロマンもゲイなんです。
どれだけオゾン監督がこの作品に気持ちを入れ込んでいたかってのがわかりますよね。

ブロークバックザマンウンテンでやたらろゲイってことで、映画の内容よりもそっちが先行しちゃったけれど、この話の中ではゲイって事に対して一切、偏見はないし、家族も皆、理解しています。
もう、ほんとに、「私、同性愛者ですけど何か?」の世界です。
ブローク・・なんかよりえぐい同性愛シーンもあるしね。

それからオゾン監督の作品って、いつも特異な性描写が出てくるんですが、今回はブローク・・を観たあとだったので、そっちに関しては、むしろ自然に観れました。

も1つの方が、こういう世界ってあるんじゃろか??と思ったところ。
残された3ヶ月の中で、ロマンが選んだ1つに、子供を作ったのです。
喫茶店でお茶をしていたら、ウェイトレスと顔なじみになり、ある日、その偶然にもウェイトレスの旦那さんが働いている食堂に行くと、そのウェイトレスと偶然会います。
そのときにそのウェイトレスにある申し出をされたのです。
「私の子供を身篭って」
これは、決して、ロマンに愛情ができたとか恋をしたとかではなくて、
「私の夫が病気(不妊症)で子供ができないの」ということ。
最初は、断ったロマンでしたが、日々、命が限りがなくなるとわかってきたとき。

それから3人でそういうことをするわけですが・・
3人でこういう場合、するの??笑
よくわからないんですが、もしかしたら私の知らない世界では、こういうことってあるのかもしれない。

結果的に、そのウェイトレスは、身篭り、ロマンの遺産相続をその子に託すことにします。

ま、このくだりは、結構、終盤だね。

3ヶ月と宣告されてからは、うまく行ってた仕事も辞めて、恋人とも別れ、家族にも優しくできずに、死を受け入れられないロマンが描かれています。

誰にも3ヶ月の命だ、ということは話しませんでしたが、おばあちゃんにだけ話しました。

私、この余命3ヶ月を一人で抱えたまま死んでいくのか・・と思って少し、苦しかったんですが、それをおばあちゃんにだけ分かち合おうというところがまたこのストーリーのミソよね〜。

どうなんだろう・・

すごく難しいテーマだけど。
ほんとに苦しいことを人に話すのって本当に辛い。
その辛さや苦しみをその人にも与えてしまうかもしれないから。
だったら一人で抱えて一人で消化してしまおう、って思うのかな?
私はわりとロマンのタイプだから、きっと、人に言わずに黙って・・ってかもな。

でも、残された人はもっとこういう話がしたかった。
もっとああしてあげたかった、という思いが後悔として残るかもしれないしね。

全体的には、ロマンがフランスの海岸?湖畔?(モンサンミッシャルがあった感じがする)で、ラストを迎えるシーンなんだけど、なんとなくノスタルジックな感じで、オゾンっぽさが出ていたところが好きだな。

全体的には、地味な映画だけれど、オゾンの手にかかるとこのテーマはこうなる、というところで、観る価値はあるかも。
  • URL:https://yaplog.jp/sutahomovie/archive/114
コメント
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viva007さん
こんにちはー。
早速遊びに来ていただいたのに、お返事が遅くなってすみません

>いっぱい映画観ていらっしゃるのでその行動力に驚きました!ひ、暇なんです!!(笑)
というか映画を中心に、生活を考えてるところがあって、
この映画を観るには、仕事をどうやって入れるかとか
休みの日は、これを観てからどうするか、みたいに考えちゃうんです。
ほんと、おばかです

今回のこのオゾンさんは私はなかなか良かったと思いますので
時間があったらぜひ、観てくださいねー。

>それにしても、すたほさんは興味の幅が広くて尊敬です!
ホラー以外はほとんど観るかもしれないです。
あと涙系はわりと苦手なんですよー。だったら、格闘技とかで
すかっとするほうが好きなんですよね〜。

また、遊びに来てくださいね

2006年05月10日(水) 20時23分
viva007
昨日おしゃれ編のほうにコメントさせていただいたviva007です。
いくつかブログ書いていらしたこと、今になって気づきました。
私も映画大好きなので(本はほとんど読まず…ですが)これからはこちらもお邪魔しますね!

いっぱい映画観ていらっしゃるのでその行動力に驚きました!
私は観たいものがあっても実際観るのはその半分にも満たない感じです。
このオゾン作品も観ないまま…。
わりと名画座などで観たかったのに観れなかったものを再上映したりするのでそれを拾い観してます。

オゾン監督作品は「焼け石に水」と「8人の女たち」の2つしか観てないのですが、彼の作品の描写は好きなので、これもなんとかして観ようと思います。
それにしても、すたほさんは興味の幅が広くて尊敬です!
2006年05月08日(月) 1時17分
なつなつさん
こんにちはー。
オゾン監督は、ちょっと独特の性描写があって、その部分さえ
嫌でなければ、おすすめです。
個人的にはフランス映画の心理描写中心の
映画ですが、結構、身近にありそうでないような事件が
入ってるのも特徴。
勝手にしやがれとか気狂いピエロとかが
なつなつさんは苦手なのかな??
2006年04月28日(金) 18時04分
こんにちわ
この監督の作品、実はひとつもみたことがないのですが、よんでておもしろさうだなあと思いました
フランス映画のけだるさが苦手なところもあるのですが、これはどうでしょう?
みてみようかなあ。。
2006年04月26日(水) 20時50分