映画「妻への家路 」ノスタルジーという、やっかいなもの

2015年03月31日(火) 10時08分
映画「妻への家路 」★★★☆
コン・リー、チェン・ダオミン、
チャン・ホエウェン出演


チャン・イーモウ 監督、
110分、2015年3月6日公開
2014,中国,ギャガ
(原題/原作:帰来)



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「中国映画界を代表する
チャン・イーモウ監督が、
『紅いコーリャン』『上海ルージュ』など
数々の作品でタッグを組んできた
コン・リーを主演に迎えた最新作。
文化大革命によって収容所に入れられていた夫が、
記憶を失くしてしまった妻を前に、
“別人“になりきって、
帰らぬ夫を駅へ迎えいく妻に
付き添い続ける姿を描く。」

ぴあ映画生活 HPより


1977年。文化大革命が終わり
20年ぶりに解放されたルー・イエンシーは、
妻ワンイーのもとへ戻るが、
待ち過ぎた妻(コン・リー)は
夫の記憶だけを失っていて、
親しげに笑う夫に
「出て行って!」と叫ぶ。

中国は、とても大変な時期があった、
文化大革命という壮大な実験だ、

これについては批判も多いが
この作品では正面から声高に
愚策を批判するのではなく、
とても愛し合っていた夫婦の間に
長い年月が横たわって
大切な人間の感情を
踏みにじった事を
静かに語りかける。



退屈と感じる瞬間もあるが
日常ってこんなもの
とりたてて大きな変化などなく
昨日と変わらない穏やかな一日が
またやってきて。終わっていく。


人間はただそれだけを
繰り返しているのに
どうしても映画には
そこに特別な何かを求めてしまうから

やはりその点ではこの映画は
記憶を無くし
認知症の始まった老女の
もどかしい様な日常は
残酷であり、希望が見出せず、
そこがなんとももどかしいのだ。


自分だと分かってもらえなくても
夫からの大量の手紙を
彼女の為に読む人になることで
近くに住んで
彼女が毎月夫を迎えに
駅に行くのに寄り添う。


いつか分かってくれるかも・・・
そんな僅かな期待も裏切られるが
それでも二人は
そんな生活を続けていくしかない。


誰も悪くない
ただ懸命に生きただけ



認知症は治らない
時々ほんのわずかばかりの
希望の光をどこかに見出しては
その先を見ていく事しかできない、
この映画に希望はあるのか?
いくら待ってもだめだろうな
そう思いつつも
きっと誰もが希望を見てる筈だ。



監督の強い主張は感じられないが
強い思い入れは
スゴク感じた。

★100点満点で75点

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soramove

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました 」これでいいの?と思いつつも楽しんだ

2015年03月24日(火) 20時11分
映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました 」★★★☆
ジョン・ファヴロー、ダスティン・ホフマン
ロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソン
ソフィア・ヴェルガラ、ジョン・レグイザモ
エムジェイ・アンソニー出演


ジョン・ファヴロー 監督、
115分、2015年2月28日公開
2014,アメリカ、イギリス,ギャガ
(原題/原作:CHEF)



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「俳優で『アイアンマン』などの
監督としても活躍するジョン・ファヴローが、
製作・監督・脚本・主演の四役を
兼ねて贈るヒューマンコメディ。
料理への情熱を失いかけたシェフが
フードトラックの移動販売で
人生の再起を図る。」

ぴあ映画生活 HPより


繁盛する店のシェフである主人公は
創作料理をメニューに加えるが
定番メニューにこだわるオーナーと
常にぶつかり、そのたび却下され
とうとう我慢できず
店を辞めてしまう



このあたりのいきさつが
ネットに流され
彼のイメージは悪くなり
すぐに就職先は見つからない・・・、
ということで時間が出来た彼は
息子とマイアミへ行き、
そこでキューバサンドイッチの美味さに触れ
自分でトラックの移動販売を決意する。


このあたりが
元妻の策略にうまく乗せられた感もあるが
そんなことより
彼の新しい決断が
子供との関係や
忘れていたモノづくりの喜びを感じられた
事の方が重要なことだ。



彼の生活はオーナーとの関係以外は
とてもうまくいっていた、
仕事をしていれば
制約も仕方ない、
オーナーは耳を貸さないが
それを変える努力を
彼は頑張ってしただろうか?



自分の力を過信し
相手だけを無理解と責めていた
そんな気がして
どうも話にノリ切れなかった。


独創的な料理で
お客や評論家を驚かせたいと
あれほど力んでいたのに
選んだのがサンドイッチというのは
なんか、理解出来なかったな、
それでいいの?って。


結局は自分でやりたかったんだな、
そんな感想



じゃあ、つまらなかったのかと言えば
細かい事抜きにして
こだわりを捨ててしまえば
結構面白いし
楽しめる映画だった


ただね、そう簡単に
感動できないんだよな、これが。


★100点満点で75点

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soramove

映画「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」天才でも届かないものもある

2015年03月23日(月) 1時09分
映画「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」★★★★
ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、
マシュー・グード、マーク・ストロング、
チャールズ・ダンス出演


モルテン・ティルドゥム 監督、
115分、2015年3月13日公開
2014,アメリカ、イギリス,ギャガ
(原題/原作:THE IMITATION GAME)



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★第87回アカデミー賞®[脚色賞]受賞!
[作品賞][監督賞][主演男優賞]
[助演女優賞][美術賞][編集賞] [作曲賞]ノミネート



「TVシリーズ『シャーロック』の
天才探偵役でブレイクした
ベネディクト・カンバーバッチが、
新たな“天才“役に挑み、
トロント映画祭で観客賞に輝いた注目作。
彼が演じるのは第二次世界大戦中、
ドイツ軍の暗号を解読する
極秘任務に携わった数学者アラン・チューリング。
とある理由から長らく不当な扱いをされた
実在の人物の苦悩と偉業を描く。」

ぴあ映画生活 HPより


1939年、ドイツと開戦した英国は
ドイツ軍のエニグマ暗号を解読するために
チェス・チャンピオンをリーダーとし、
数学者数名を集めた。

ただでさえ難解なうえに
毎日キーを変えるため
解読は不可能と言われたが
リーダーの人的な解読方法に反対し
アラン・チューリングは
機械には機械で対抗しようと
暗号解読機の設計を始める。


大変な作業を要するため
それまで孤独な作業をしていたアランは
メンバーと和解し
全員で機械を作り始めるが
解読の速度が極端に遅く
それでは毎日のキー変更に追いつかない。


天才ひとりのひらめきは
もちろん必要不可欠
だけど多くの助けがなければ
実現出来ないものも多い。



暗号解読は机上で行われるが
解読できないことで
戦場では同胞が戦死していくという
現実に焦りが募っていくが
あせっても解読が早くなるわけではない。


主人公の苦悩は
それだけでなく、彼の性向も
描かれる、
同性愛はそれだけで投獄される時代、
彼は追い詰められていくが
あるヒントから解読のスピードは
画期的に増して
とうとう解読に成功する



とてもスリリングで
そして人間の極限状態が
ヒリヒリとこちらに伝わる、

学問を突き詰め
それを現実の暗号解読という
人の命を左右する課題に立ち向かう。

自分の力が貢献出来るのは
きっと喜びだ、

才能ある人はその責任も負う
なんか、スパイダーマンの理念が
ここにも。


解読できたのに
それを味方にも言えないジレンマ
解読したことがドイツに知られたら
また根本から変えられてしまうからだ。


長く秘密にされていた事実は
70年代まで公表されなかった、
彼らの研究の元となったものが
現代のコンピュータに繋がっている



戦争はもう起こしてはならない、
けれど人類としては
戦争によって画期的な新技術が
生まれたことも事実、
平和な時代こそ
もっと緩やかに
生活を変えるというより
豊かにする技術だけ進歩して欲しいものだ。



映画は濃密な時間を描き
あと少しで何らかの光が見えそうで
その光にしっかり手を伸ばしながらも
なかなかつかめないもどかしさ、
彼らの様な事じゃなくても
誰でも普段感じる事だ、
手が届くといいが、
いつもうまくいくわけじゃない事も
現実として良く分かっている。



それでも諦めなかった人だけが
何らかの光に
手が届くのかもしれない

映画としても緊張感があって
最後まで引き込まれた、面白かった。


★100点満点で80点

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soramove

書籍「風に立つライオン/さだまさし著」名曲は想像の中で自由だった

2015年03月21日(土) 20時54分
書籍「風に立つライオン/さだまさし著」★★★★
さだまさし 著 ,
幻冬舎 (2014/12/25)
(380ページ ,702円)


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「一九八八年、恋人を長崎に残し、
ケニアの戦傷病院で働く日本人医師・航一郎。
「オッケー、ダイジョブ」が口癖の彼のもとへ、
少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれた。
二人は特別な絆で結ばれるが、
ある日、航一郎は…。
二〇一一年三月、成長したンドゥングは
航一郎から渡された「心」のバトンを手に
被災地石巻に立つ。
名曲をモチーフに綴る感涙長篇!」

(幻冬舎HPより)


1週間の春休みでタイのホアヒンビーチ
この本を読んだ。
内容的にはホテルのプールで
読むような本じゃない。
泣くからね。


名曲,【風に立つライオン】 をヒントに
映画の主演でもある大沢たかおが
さだまさし本人に映画の脚本を依頼していて
実現した映画化の原作だ。


歌は随分前の作品なので
そのままという訳じゃなく
歌に歌われた主人公を
彼に関わりのある人々の述懐で
紡いでいく。



もう主人公は大沢たかおの顔として
読んでいったが

一人称でない分
もうひとつ主人公の心情に
迫り切れなかった印象だ。


やはりここは王道で
彼の物語を彼の目を通して
描いて欲しかった、
これはこの歌のファンだからだけれど。



物語は東日本大震災直後の石巻の
赤十字病院にケニア人の若い医師が
やってくるところから始まる。


歌に何ができるか、
さだまさしが、よく言っていた、

直接体を治すことは出来ないが
せめて心に何かを届けたいと。


だから医師として
主人公に繋がるケニア人が
東北に来たことは
さだ本人の切ない心情の表れかもと
深読みしつつ、
物語は現代と主人公が活躍した
1980年代のケニアの
戦傷病院の実情が描かれていく。


人は人を傷つける
そして医師がそれを治していく、

戦闘なんかなければ
そんな傷を治す必要もないのに、
当時のケニアでは来る日も来る日も
傷を負った人が運び込まれてくる。


そんな中には子供たちもいた。


そして彼らの中には10歳くらいで
麻薬で恐怖心を無くし、
銃を持たされた少年兵もいた。


現代でも似たような話を聞く、
つくづく人間って
なんて残酷なんだろうと思うが
その同じ人間が
とても深い愛情を家族に向けたりする
それもまた事実なのだ。



命は儚いが
強く持った意思や希望は
次の誰かに繋がれていく、
そんな輪が世界中に広がればいいのに
そんな希望は
ちょっと綺麗ごと過ぎると感じるほど
現実は無残だ。


それでもこの小説を読んで
綺麗事でも構わないから
できることを身近な事から、
そんな些細なことから
始めることくらいしか
自分たちにはないのかもな、
それでも希望はある。


歌の歌詞を連想させる部分があると
どうも歌の内容に自分の心が
持っていかれて、
小説としてはちょっと弱いかな、
でも十分感動させられたんだけどね


★100点満点で80点

soramove
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映画「アメリカン・スナイパー 」ラストの砂嵐に何もかも持って行かれた

2015年03月08日(日) 16時24分
映画「アメリカン・スナイパー 」★★★★☆
ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラージェイク・マクドーマン、
ルーク・グライムス、ナヴィド・ネガーバン、キーア・オドネル出演


クリント・イーストウッド 監督、
132分、2015年2月21日公開
2014,アメリカ,ワーナー・ブラザース映画
(原題/原作:AMERICAN SNIPER)



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第87回アカデミー賞の作品賞、
主演男優賞他計6部門にノミネート



「前作『ジャージー・ボーイズ』の
評判も高い84歳の巨匠
クリント・イーストウッドが
早くも次回作を完成させた。
ネイビーシールズの元隊員で
“最強の狙撃手“と呼ばれた
実在の人物クリス・カイルの自伝を原作に、
イラク戦争に従軍した狙撃兵の
戦いと苦悩を描き出す。
主演のブラッドリー・クーパーが
映画化権を獲得し、プロデューサーを兼ねている。」

ぴあ映画生活 HPより


アメリカ軍史上最強の狙撃手と呼ばれた
クリス・カイルの自叙伝を実写化し
英雄のその後も描いている。


しかし、現代において
戦場での英雄は居ないんだと実感した、

どれだけ敵を殺し
任務を全うしようと
「終わり」が見えないからだ。


どちらかが一方的に悪く
どちらかが正義という
単純な構図はもはやありえない。


任務としてのその瞬間
その瞬間に正義は果たされるが、
ひとり狙撃するたびに
主人公の心は蝕まれていく。



クリント・イーストウッドって
何者?って感じる
80歳を過ぎて毎年新作を見せてくれる、
しかも出来がいいので
楽しみにしていられる。


この映画は敵の陣地からの脱出が
ラスト少し前で描かれ
巨大な砂嵐が
敵も味方も普通の人々の暮らしも
一気に飲み込んでしまうシーンが
用意されている、
まるで自分もその真っただ中にいるようで
息が苦しいとさえ感じた。



そしてその後の暗闇の中で
観客は自分なりの今見た映画の決着を
迫られる。



アメリカに戻った主人公にほっとしつつ
それが終わりじゃない事も
分かりすぎるくらい分かる、
任務を終えたとしても
人は生き続け
そして彼らの戦後を生きる。

虚しい
でも、映画の余韻は悪くない。

もう一回見たい。


★100点満点で90点

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soramove
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