「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」タイトルほど素晴らしくない

2007年01月31日(水) 0時39分
「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」★★★
ポール・ケイ 出演
マイケル・ドース 監督

スペインのイビサ島というと
思い出すのが、村上龍さんの小説、
そこでは人は何かに縛られることなく、
好きなだけ自由を享受できる場所だということ。

島で一番の人気DJは、まさに
絵にかいたようなスターの生活をしていた。

彼の耳が聞こえなくなるまでは。

実話に基づいた感動作品と宣伝されれば
次の展開は容易に察しがつく。

この作品を見て、素直な人は
「自分も頑張ろう」とか
感じるのだろうが、
なんか居心地の悪さを拭えないのは、
主人公が破天荒な生き方をしている時点で
彼の一生分の幸せを味わってしまったような
気分になったからだ。

だからラストはそれでも
爽やかな感動となるが、
どうも多すぎる、ちょっと欲張りな気がして
すっきりと感動できなかった。

普通の多くの人はもっと地味に
日々を暮らし、応分の幸せになんとか
ありついているような世の中だ。

そう思うと失意のまま終わるような
ラストでもいいんじゃないかと
意地悪な気持ちになるのだ。

素直に感動できない自分も含めて、
幸せの量って、平等には与えられないのか
ふと気になったのだ。

ドラッグやフリーセックスの果てに
訪れる悲劇にそれほど同情できない
自分を発見した映画。

まあ、そういうのもあるか。

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人生を諦めない、その向こうに光は訪れる。

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「どろろ」長尺も満腹感ナシ、でもダメダメ映画じゃない

2007年01月29日(月) 0時54分
「どろろ」★★★
妻夫木聡、柴咲コウ主演
塩田明彦監督



見終えて素直に面白かった。

CGで動く魔物たちの完全作り物感や、、
主人公の背負った苦難な感じが
あまりにサラリとしている部分など
気にはなったが、
一番心配していた、
安っぽさはあまり感じなかった。

しかし48の部分を分け与えられ、
抜け殻になった体で生きて行くという
発想が凄いね。

柴咲コウのキンキン声が
煩かったが、狂言回しとでもいうか、
暗くなりそうな画面を
なんとか引っ張っていたのは
彼女のおかげかもしれない。

あと少しどちらかにバランスが崩れたら
とんでもない駄目映画になっていただろう、
ラストに「残りあと24体」っていうことは、
続編もありそうだ。

どうしても恨みや、親子の絆なんかが
入り込んでくるが、
ただのばかばかしいくらい真面目なアクション映画が
見たいなあと思った。

そういうところは、タイ映画の
「マッハ!」あたりのシリーズもので学んで欲しい。

アクションシーンはワイヤーで吊り吊りで、
役者やるのも大変だななんて
傍観者として見ているのだけれど、
どうしてただカッコイイだけの映画が作れないかと
考えてみると、やはりそれを引っ張れるだけの
映画俳優が見当たらないのだと。

結局見終えて時間が長い割りに
満腹感が無いのは、これでもか!というくらいの
怒涛の贅沢なアクションが見られなかったからだ。
続編を作るなら、もっと増量で見たい。

ということで、この作品は
★3つ、まあ見ても損はないけど、得もなし。
見たい人が見る映画、でもヒットしないと次が無いので
やはりそこそこはヒットしてもらいたい。

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主役の2人はガンバッテいたが、画面の存在感は
脇役の方が感じられたりと、まだまだ軽めの感じは拭えない。

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「窓の灯」青山七恵の芥川賞前夜

2007年01月27日(土) 11時28分
「窓の灯」青山七恵著


芥川賞受賞を知り、
早速デビュー作を購入し読んでみた。

大学を中退し、喫茶店で働き
その店の上のアパートで暮らす日々。

彼女は特に目的も無いまま
それでも無気力というわけでもなく
描かれている。

彼女の向かいのアパートに
新しく越してきた男の窓を
それとなく覗いてしまう。

喫茶店のママは
人好きのする女性で
主人公はそのママのことも
気にかかっている。

@@
以下は内容に触れるので
読んでいない人は了解して進んでください。

主人公は隣のアパートの
レースのカーテンからぼんやりと見える隣人の姿が
気になって仕方ない。

でもそういうことは誰だってある、
完全に見えないならともかく、
チラッと見せられたら、
それは気になるだろう。

深夜の散歩の途中でも彼女は
明かりのついた窓を見ては
そこに誰かの存在を感じて、
だからといってそれ以上のコンタクトをとろうとか
そんなつもりは無いのだ。

彼女は何故散歩の時にも、
人の家の窓が気になるのだろうか、
そこにいるのは全く自分と関係の無い
顔さえ知らない人々だというのに。

人と面と向き合うのは苦手だ、
でもこっそり顔色を窺うようなことは
したくない、
しかし少しだけ見えたはずの
目の前にいる人の、その分かったと思った何かは
実に曖昧で、
なにより自分自身が
本当に知りたいと思っているのが、
実は自分の心だったりするのだ。

この小説に明確に指し示す
何かは特には提示されない、
強く提示されないからこそ、
なんだかそこに読んでいる時の
自分の心なんか見えてくる、面白いね。

この作品の次の作品がまさか芥川賞をとるとは
本人も知らない頃の作品。

もし、窓という窓が全部透けて見えてしまったなら、
人間の苦悩の多くが解消されそうだ、
もちろんその窓は、相手の心だったり、
自分の揺れる心だったりと形を変えるわけだけど。

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最近では久々の「文学的な何か」を感じさせてくれる本と
出会った。

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「ディパーテッド」ハラハラ、ドキドキはサスペンスの基本

2007年01月26日(金) 0時48分
「ディパーテッド」★★★☆
レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン主演
マーティン・スコセッシ監督、2006年アメリカ

潜入捜査官となり、ギャングのファミリーの
一員として危ない橋を渡る男。

そして、ギャングの一員でありながら
警察へ潜入し、内部情報を流す男。

二人の男の人生が交錯する。

元ネタの「インファナル・アフェア」が
大好きなので、ハリウッド版リメイクの
出来が気になっていた。

元ネタに心底ほれ込んだ香港映画ファンなら
首をかしげるかもしれないが、
見終わって思ったのは、
良い出来の映画だなと。

潜入捜査がバレるかも知れない
スリリングな展開は健在で
脇役もいい味出してる。

元ネタに忠実というよりは
ハリウッド的解釈をして、
そこによりエンターテインメント性を
加えた映画らしい処理がされている。

ただどうなんだろう、
元ネタを好きな理由のひとつに、
悪者もその苦しい道をこれからも
歩き続けなければいけないという、
宗教観が根底にあって
その苦しみが「分かる」気がして
それが映画をぐっとこちらに近づけてくれた。

こちらハリウッド版には
その辺りは感じられない変わりに、
男と男のハードな任務遂行の様子が
ダークな画面で展開され、
これはこれで楽しめたことは確か。

アジア発のの映画がハリウッドで
生まれ変わった訳だけど、
骨太な映画は見ごたえのある仕上がりとなっている、
ということで★3つ半、
見て損なしの仕上がり。
宗教観からくる苦しみが無い分、
ただのサスペンス映画になってしまっている。

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ディカプリオは、なかなかの役者ぶり
今後がますます楽しみ。
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韓国最新映画ランキング1/21付 

2007年01月24日(水) 23時01分
首位は初登場のドタバタコメディ、
上位5作品のうち、4作品が韓国映画と、さすが!

@「麻婆島(マパド)2
イ・ムンシク、ヨ・ウンゲ、キム・ジヨン、キム・ウルドン、キム・ヒョンジャ主演

マパドの恐ろしいおばば五銃士帰還!
清純可憐な少女だった会長の初恋の人
’花ぎみ’を捜さなければならないというミッションを
果たして成功できるか。

バカバカしい、お話ですが、やはりこういうのが
受けてるようです。日本での公開はないだろうな。


A「美女はつらいの 」キム・アジュン、チュ・ジンモ、ソユン 主演

連続2位キープで今年最初の大ヒットといえる作品、
コメディ強し。


B「ハーブ 」カン・ヘジョン、ベ・ジョンオク、チョン・ギョンホ主演

こちらも2週連続3位キープ、コメディに泣ける話と
ベタだけど好きなんだから仕方ない。


C「エラゴン 遺志を継ぐ者」


D「千年狐ヨウビ」
声:ソン・イェジン、コン・ヒョンジン、リュ・ドクファン

山奥に一人で住んでいたヨウビ(ソン・イェジン)は
ある日地球に不時着したエイリアン’ヨヨ’達と
一家に暮すことになる。

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いつも気になる韓国映画、今年はまだ大作が公開されていない。

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「マリー・アントワーネット」豪華な無駄を見るのは気持ちいい

2007年01月21日(日) 11時46分
「マリー・アントワーネット」★★★☆
キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツ主演
ソフィア・コッポラ 監督、2006年アメリカ


上映が終わって通路を歩いていると
「あの後どうなったの?」
「ギロチンで殺されたじゃん」

この虚しい会話を聞きながら
映画館を出たわけだけど、
嫁入りから革命前夜までを描いているが、
マリー・アントワネットを描くなら
断頭台までと思うが、
この作品ではその前で「プチッ」と終わっている。

じゃあ、何が見どころかといえば
ヴェルサイユ宮殿で実際に撮影された
数々のシーン、
とくにテラスから見た広大なシンメトリーの
庭園の美しさ、
予算とか考えないで最高のものを作ろうとした
いい見本だ。

そして宮殿内部、
もちろん観光客で行っても見ることはできるが
そこに当時の扮装をした人々がいると
その豪華さが一層際立って見える、
これは映画館の大画面で見てこそ
感じられる醍醐味でもある。

14才で異国へ嫁いだ少女の目で見た
堅苦しくもおかしな風習やきらびやかな毎日、
監督は全体を見渡すというより、
その少女の目で見た
少しいびつなヴェルサイユの日々が
映画では展開される。

強烈なメッセージは見えてこないが、
しきたりとかもやり過ぎると滑稽で
その異質な感じが面白かった。

「マリー・アントワーネット」の一代記としたら
不足な部分はあるが、
それでも今では非日常としか感じられない日々を
普通に過ごしていた事実は
文化はやはりこんな壮大な無駄から
うまれるのだろうなと
実感できるだけでも価値はあるのだ。

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キルスティン・ダンストはイメージのマリー・アントワネットとは
ちょっと違うか、田舎娘というならぴったり。
でも天真爛漫な感じは良かった。

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映画館のお作法を考える

2007年01月20日(土) 22時41分
映画館が客を選ぶのか、
色んな制約のある映画館がある。

オレはあの銀座とかにある
おば様のくっさい香水に満ちた
こじんまりした映画館が嫌いだ。

第一、物は食うな、飲むなとうるさい。
かと思えば、映画館の売店以外で
買ったものの持ち込みは禁止とかね。

そこで見るのは映画だよ、映画。

そう思うとでっかい劇場の
のんびりとした
「さあ、どなたでもいらっしゃい」的な
日向ぼっこでもしてるような
おおらかなおいでおいで体質は好きだ。

これは映画を見るスタイルの問題だし、
やはり近くでパンの外袋を
ガサガサいつまでもやられるのは
気になるし、そんな他人を気にして
少しずつ出すんじゃ無くて
ぱっと全部出しちゃって、かぶりつけばいいのにとか
映画の内容とは別に考えることもある。

でもね、面白い時思わず出してしまう
笑い声みたいなものまで
「しーっ」とされたような堅苦しい空間は
どうなんだろうね。

そういう人達を韓国やバンコクの映画館へ
連れて行きたいね。
そこでは携帯はマナー違反と言われてても
フツーに電話かかってくる、
隣の人と話し始める、そのあたりはちょっとムッとするが、
ガマンしてると楽しい経験も出来る。

コミカルなシーンでは笑う、笑う。
その笑い声が会場中に満ちて、その笑い声につられて
また笑ってしまう。

泣くシーンも同じ、泣くよみんな、嗚咽に近くね、
その素直な感情を出すこと、そしてそれを
感じながら同じ画面を見つめること。

その体験があると映画がぐっと近づいてくる。
あとつまらない映画のときも、かなりざわつく。

マナー違反は駄目だけれど、
ある程度大人数で見るという行為には
人の息遣いや笑い声、泣く気配なんかは
普通に存在しているからこそ
映画館でみるんじゃないかな。

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タイの映画館は映画上映前に国歌が流れ、
お客は皆椅子から立ち上がって、礼を尽くす。
異国の映画館体験は面白い。

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「ラッキーナンバー7」脚本の出来の良さに1時間すぎたくらいから驚く

2007年01月19日(金) 20時53分
「ラッキーナンバー7」★★★☆
ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス主演
ポール・マクギガン 監督、2006年アメリカ

不運続きの主人公スレヴンは、友人を頼ってNYに来た、
しかし友人は外出していて、
何故か彼は腰にバスタオルを巻いただけの
格好で連れ去られてしまう。

巻き込まれ型の展開に平行して
別の場所で事件が起こり
どこかでつながるんだろうなと思いながら
見ているが、
どう繋がるのかなかなか分からない。

この引き伸ばしが1時間くらい続くので
自分の中でうまくピタッと繋がると気持ちいい、
だけど引っ張りすぎの感じもする。

10年近く企画を暖め
脚本を練り直しただけのことはあり、
本がいいんだなと実感。

しかも惚れこんだ脚本のそれぞれを
役者が嬉々として演じている様子も分かってくる、
ただこれも1時間以上すぎた時点で
なんとなく分かるわけで
残りの1時間はストーリーと
暗闇で一対一で向き合うのは
快感ですらある。

なかなか役に恵まれなかったルーシー・リューが
美味しい役をこれまた楽しそうに演じている。

ということでこの映画は★3つ半
面白いは面白いがこの映画が好きかと聞かれたら
なんかもうひとつという感じ、
これは脚本が良すぎて、あまりにピタッと埋まりすぎで
逆に息苦しいというか、贅沢な悩みですかね。

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こういうストーリーを思いつく人って、理系な感じがする。
最初から色んなものを理論的に組み込める才能が見える。

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韓国最新映画ランキング1/14付 

2007年01月18日(木) 18時26分
年末からの正月映画興行もひといき、
初登場首位は今回もハリウッド映画。
昨年は5月までは韓国映画が完全制覇していたが
今年は異変が起きている?

@「エラゴン/遺志を継ぐ者」


A「美女はつらいの」韓国
キム・アジュン、チュ・ジンモ、ソユン 主演
先週に続き2位にランク、なかなか好調のよう。
やはりコメディ強し


B「ハーブ」
カン・ヘジョン、ベ・ジョンオク、チョン・ギョンホ主演
彼女には秘密があった、歳は二十歳だけど
心は永遠に7歳ということ。


C「ナイト・ミュージアム」

D「デスノート : ラストネーム 」
邦画もがんばってます。

昨年日本で公開された「トンマッコルへようこそ」は
韓国での爆発的な動員と比べて、ホント淋しい興行だったようだ。
韓国映画は日本ではほとんどヒットしていない、
俳優が人気だけれど、それらの作品も
それほど当たっていないのが現状だ。

宣伝の仕方もあるだろうが、駄作に期待して
ガッカリした映画ファンに本当にいい映画を
しっかり宣伝して欲しいものだ。

さて今年はどんな韓国映画が見れるか楽しみだ。


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昨年は訪韓3回、映画はそのとき10本くらいみたが
公開は半分くらい。

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「百年恋歌」タイトルが大袈裟すぎ、もっとパーソナルな映画

2007年01月17日(水) 23時01分
「百年恋歌」★★★
スーチー、チャン・チェン主演
ホウ・シャオシェン 監督、2005年

3つの時代の恋人たち、
「それはもう帰らないから美しい」
原題の意味するように、
二人はどの時代も悲しそうだ。

特に1911年の二人は、言葉を話さず、
サイレントで字幕がセリフを伝える。
表情だけで伝える
繊細なシーンは、動きも無いためか
退屈に感じる。

映画を見る時に、
感情移入することは、かなり重要だ。
もちろんアクションの凄いシーンの
ヒーローになるつもりは無いが、
自分の気持ちを重ねることが出来る人や、
エピソードを見つけると
映画がぐっと近付いて感じるのは確かだ。

この映画にそれは無い。
何かを匂わすような部分はあるものの、
全体的には作家性の強い監督のこだわりにあふれ、
「分かる人にだけ、分かってもらえたらいいからな」といった
雰囲気に満ちている。

それが悪いとは思わない、
その映像や表現世界が、自分の感情に
ぴったりとくる時もあるからね。

ただこの映画に自分はそういった「何か」を
見つけられなかっただけのこと、
結局映画好きな人の多くは
そういう気分を何度も味わいなら
自分の「この一本」に巡り合うため
また劇場へ足を運ぶのだから。

ということでこの作品は★三つ
見て「損した!」ということは無いが、
ここに自分の見たい何かを見つけるのは
難しい。

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見る前と見てからの印象が全然違うのも
珍しい映画。

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