チェ・ミンシクの快進撃!・・・「酔画仙」

2004年12月29日(水) 0時04分
韓国映画「酔画仙」チェ・ミンシク主演

若手監督が多い中、
60代のイム・グォンテク監督は
朝鮮王朝末期の宮廷画家という題材を
人間と自然を絶妙なバランスで配して
魂のさすらいと葛藤を描きだしている。

そこに存在するは主人公演じるチェ・ミンシク。
老いてなお艶のある画家を
自然体のように演じている。

主人公が師とあおぐ先輩画家をアン・ソンギが演じ、
二人のやりとりは実に小気味よく、
まるで現実と演じている世界をシンクロさせて、
なんとも感動を誘う。

奥行きのあるいい映画だが、
何か胸に訴えるものが足りない。
きっとそれは凡人には分からない孤高の魂の
物語だからなのか、もしくは、苦悩する画家の姿が
もうひとつ、普遍性を勝ち取れなかったのか。

朝鮮王朝時代の世界を垣間見たことは
収穫だった。
同じ宮廷ものでも「スキャンダル」とは格が違う。

チェ・ミンシクは演技派という名声を確立した。

旅する本「彼らの流儀」沢木耕太郎

2004年12月28日(火) 18時49分
一緒に旅をする文庫本

旅に出るときに、一緒に持っていく本がある。
読んだことのない本を選んで、
それと一緒に沢木耕太郎の本などは、
いつも移動の飛行機の中や、空港ロビー、
もちろん夜のホテルで読む。

それは「深夜特急」であったり、
エッセイの時もある。

海外へ持っていく文庫はほとんど、
読み捨てて来るので、運が良ければ
次の日本人が手にとって読んでくれているかも
しれない。それは幸せなことだ。

たいてい読み終わると、ホテルに備え付けの
バイブルに重ねて置いてきたりしている。

持ち帰る本もある。何度も何度も読み返す、
沢木の本だ。それは日に焼けて汚れている。
「彼らの流儀」には30くらいの
短編エッセイがあり、どこから読んでも
それぞれの状況にスッと入っていき、
自分も同じように考えたり、時には自分に
その状況を置き換えたりする。

中でも「ミッシング」は、
長旅を経験した人には、思い当たることが
書かれていて、
ただ読み返すわけにはいかない。

インド、ネパールあたりを旅して、
ある日急に消息を絶った息子を探す
親たちと沢木の思い。
その母の流す涙。

旅に出たい。
ただ旅に出たい。

何かがあるとは思わない。
ただ旅に出て、見知らぬ町を歩きたい。
ほんとにだたそれだけなのだ。
理由は特にない。

全米映画興行ランキング

2004年12月28日(火) 10時33分
全米映画興行ランキング

いつもチェックするランキング、
12/19付けのボックスオフィスでは
@「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」
ジム・キャリー映画、この人の映画は
基本的見ませんが人気者なんですね。
くどくて好きじゃないのです。

A「オーシャンズ12」
先週1位からダウン、今回は
ゴージャス女優、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが
加わりさらに豪華ですが、成績はジミ目のようです。

D「ブレイドV」
ウェズリー・スナイプスの傑作シリーズ。
ソウルで一足早く見ましたが、今回も
凝った映像と刺激的な展開は、さすが。
ただ成績はかなり落ちているようです。
ソウルでは週末満席でした。

I「Mr、インクレディブル」
2億ドルを越えて大ヒット。
期待せず見に行ったら割と面白くて
お得な感じの映画でした。

全米でヒットした映画のほとんどは日本でも
ヒットしているが、例外はアニメ。
全米では考えられないくらいの大ヒット。
日本ではそれほどでもない。
好みがえらくちがうんだなと、興行成績を
見ながら感じます。

ちなみに邦画(12/27付)ランキングは
@「ハウルの動く城」
アニメはほとんど見ませんが、期待を
裏切らない出来。ただ「千と千尋」のような
世界観が急に小さなドラマに移行したのは残念。

A「Mr、インクレディブル」
日本でもがんばってますが、1位はムリのよう。

B「ターミナル」
トム・ハンクス、スピルバーグ監督をもってしても
ハウルの牙城は崩せず。映画としては
上質のエンターテイメントに仕上がっている。

2004年マイ・ベスト・ムービー

2004年12月27日(月) 23時31分
劇場で見た160本の中から
@「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」
とにかく、後にも先にもこの映画を越える
映画ナシ。映画を見ることの喜びを
純粋に楽しむことが出来る。

A「ドーン・オブ・ザ・デッド」
大好きなゾンビ映画、
とにかく素早いゾンビにしびれる。
かつてモタモタ歩いてたゾンビは、
100メートル走のように、走る、走る。

怖くて座席から足が浮いている。
「うぉー!怖い、怖い」
そして面白い!

B「オールド・ボーイ」/「殺人の追憶」
韓国映画から1本ということで、
代表してチェ・ミンシクを選んだが、
どちらも文句なくベスト3入り。

C「誰も知らない」混んでいてなかなか
見れなかった映画。久々に邦画で映画的な
時間に浸ることができた。

D「スパイダーマン2」続編もスピード感を
失わないのはさすが。

E「モーターサイクル・ダイアリーズ」
一緒に旅に出かけている気分になり、そして
生きることを少し考える映画。

F「ラブ・アクチュアリィ」群像劇としていい出来、
そして人と出会うことが楽しくなる映画。

G「LOVERS」ストーリーを楽しむことは
出来なかったが美しい映像に浸る。

H「マッハ!」やっと出たタイ映画の面白さを
伝える最高の内容と、最高のトニー・ジャー!

I「ラブストーリー」主役の二人がこの映画の
全て。何度も泣ける手元に置きたい映画。

韓国映画では「悪い男」も良かった。
メル・ギブソンの「パッション」に心震え
「トロイ」の映像に驚き、「ヴァイオハザード」を
3度リピートし「トスカーナの休日」では
ダイアン・レインの余裕の演技が心地よく、
「2046」では映画は時としてストーリーも
不要だと感じた。

昨年より30本近く減ったが、空いた時間で
これだけの映画が見ることが出来て幸せだった。
さて、来年はどんな映画に出逢えるか。
楽しみにしたい。

オススメの韓国映画A「オールド・ボーイ」

2004年12月27日(月) 22時11分
「オールド・ボーイ」
チェ・ミンシクの鬼気迫る怪演。
「どうして、オレを15年も監禁したんだ」
訳のわからない状況、そして復讐。

謎解きよりも、明らかになる真実に
主人公がどう反応するかということから
目が離せない。

可憐なカン・ヘジョンと
無機的なユ・ジテが好対照に
わき目もふらず突進する主人公を
引き立てる。

謎解きがあわった後も、この映画は
その解決を求めていただけではないと分かる。

人間を突き動かすのは、
いつも正しいパワーだけではなく、
よじれた心が作る暗闇でもあり、
そして何より、生きたいと願う心なのだ。

設定、キャスト、シナリオ全てがパーフェクト。
こんな映画見たことない。
傑作!

オススメの韓国映画@「ラブストーリー」

2004年12月26日(日) 23時33分
「ラブストーリー」
―真実の愛は、
人生にたった一度だけー
ソン・イェジンの可憐な姿がこの映画を
他と違う、ただひとつの恋愛映画にしている。

そしてもうひとりチョ・スンウの
無邪気な笑顔に、
映画を再度見るときは、のっけから泣かされる。

実はこの映画、ストーリーや人物描写を
細かく見ていくと、恥ずかしくなるセリフや
破綻した部分を放り出したストーリーなど、
映画の出来としては、いまひとつかもしれない。

ただ、そんな斜めから見たような視線を
主役の二人はもっと大切なものがあると
教えてくれる。
かけがえのないもの、
そして手に入れられないもの。

泣けたね。泣く映画がいいのかというと
また違うんだけど、とりあえず、とりあえず。
DVDやビデオでまた見たくなる映画。

韓国映画を振り返る

2004年12月26日(日) 18時33分
今年劇場で見た映画は160本、
公開される韓国映画はここ数年激増している。
(タイトル後の◎見るべき○まあまあ△難アリ×見る価値なし)
1月          
「ラブ・ストーリー」◎  
「気まぐれな唇」△
3月
「オアシス」○
4月           
「殺人の追憶」 ◎     

「悪い男」◎
5月
「恋愛中毒」△
6月
「H」○
「スキャンダル」△
「二重スパイ」○
「僕の彼女を紹介します」○ソウルにて
7月
「ブラザーフッド」○
「4人の食卓」△
「箪笥」△
「永遠の片想い」△
10月
「花吹く春が来れば」◎ソウルにて
「Sダイアリー」○東京国際映画祭
「オオカミの誘惑」○東京国際映画祭
11月
「春夏秋冬そして春」○
「オールド・ボーイ」◎
「誰にでも秘密がある」×
12月
「力道山」◎ソウルにて

上記の21本を見ている。
たぶん5年くらい前なら年間3本くらいだったはず。
色々な映画が見られること、そして何より
選択できるのは幸せなことだ。
人に勧めるほど面白く、是非見て欲しいと思える
映画はそれ程多くはないが
今年は韓国映画で6本も該当する映画に
出逢えたのは嬉しかった。

特に「オールド・ボーイ」と「殺人の追憶」は
映画の面白さを十分に堪能できた。
チェ・ミンシクとソン・ガンホは役者というに
ふさわしい様々な顔を見せてくれている。

来年はどんな韓国映画がみられるか楽しみだ。

「ダ・ヴィンチ・コード」って面白いの?

2004年12月26日(日) 2時04分
分厚い本、しかも上・下巻が平積みで目を引く。
文庫まで待てなくて買ってしまう。

ルーブル美術館で始まる物語の出だしは
スピード感があり、先が読めずに、この先
どうなるんだろうと、引き込まれた。
いい感じだ、早く先が読みたいが、
読み終えるのが怖くもある、あの感じ。
重要な暗号解読は半分もわからないが、
それはそれ程重要じゃない。

しかし下巻中盤で結末への
つじつまあわせのような説明調に、
だんだんと文字が頭に入らなくなる。

誰もが知っているモナリザや最後の晩餐といった
キーワードは良かった。
登場人物の心情の変化も、かなり密に
書き込まれていたほうだ。
だからこそ最後の最後の失速が「残念」(○)
(ダン・ブラウン著、各1.800円)


消化不良の感じで次に読んだのが
「背任」ボニー・マクドィーガル
    講談社/1100円
712ページのずしりとした文庫は
大手法律事務所で起きた信託財産流用事件、
調査に乗り出すのはやっと弁護士になった
女性アソシエイト。
リーガルサスペンスというより、
恋心が決定を揺るがし、様々な状況から
なかなか先が見えない泥沼に入っていく様は
かなり面白い。

口直しに読んだら、こっちの方が
ずっと面白く感じました。(◎)

「ガエル・ガルシア・ベルナル」の唇

2004年12月25日(土) 22時42分
ガエル・ガルシア・ベルナルは
メキシコ生まれの俳優。
とにかく知性を感じさせない大きく分厚い唇。
「dot the i」(ドット・ジ・アイ)は、
悪戯でしたくちずけが
結婚間近のスペイン娘の心を魅了する。
ブラジルから来た青年と、スペイン娘が
イギリスで出会い、心惹かれあう過程を描く映画で
十分なのにサスペンスタッチで最後の落ちまで
用意したのが、かえってこの映画の魅力を
だいなしにしている。(△)

これに比べ、最高だったのが
「モーターサイクル・ダイアリーズ」
有名な革命家の話というより、23歳の青年の
ロードムービーとして、普遍性を獲得している。

好奇心旺盛で、無鉄砲な23歳の自分自身を
誰もがこの映画の中に見つけるだろう。

最高の瞬間は、その一瞬のすぐ後から消えていく。
だからこそいとおしい。
天空のマチュピチュ、民族衣装のインディオ
美しい景色や人々と出会うことで、様々なことを考える。
それは必ず以後の方向を示してくれるはずだ。

忘れられない映画に出逢ったと感じる幸せ。(◎)

@このほかチェックしたい出演作@
「アモーレス・ペロス」(◎)
「天国の口、終わりの楽園」(◎)
見て損なし。

「春、バーニーズで」(吉田修一)を、どう読むか

2004年12月24日(金) 18時11分
156ページで1200円、
買い易い値段である。

しかしこの居心地というか、
読み心地の悪さは何だろう。
言葉は選びぬかれているようで、
どこか投げやりな部分もあり、
このあたりは最近の村上春樹のようだ。

読み心地が悪いと書いたが、サラリとしすぎてどうも、
引っ掛かりがなく、それが「何だ、これは」と
感じさせているのかもしれない。

だいたい「バーニーズ」であり、
「スーペリアルーム」を利用する
妻のいる男でたぶん30前後の主人公の、その言動が
どうも20代前半のようにしか感じられないのだ。
腹が出てきたという状況を知らせても、
そんな直接的なことじゃなく、文章の中で、
その人の年齢を感じたいのに、記号で示すことで
その作業を放棄している。

しかし悪くない短編集である。
何が良いって、わずか1時間足らずで読めることと、
その中にはちゃんと小説世界があること。
だから厳しいことを言いたくなる。

作品ごとに全く違う表情を見せてくれる、
作家性の強いこの小説家が、次に何を見せてくれるか
また新作を待つことにする。

@@@
是非チェックしたい吉田修一作品
「パレード」「パークライフ」「長崎乱楽坂」
とりあえずこのあたりを読んでおきたい。
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