「乳と卵」卵を自分にぶつけるには勇気が要る

2008年02月17日(日) 10時29分
「乳と卵」★★★☆138回・芥川賞受賞作品
川上見映子著



芥川賞受賞を知って、2月末に本になるというので、
待ち切れずに文藝春秋を買って読んだ。

またしても会話というか、思ったままを
そのまま文章にしている様な
整然とした文章とは違う書き方、
この書き方が文章から
勢いを立ち上らせているのだ。

一気に読んで思ったのは、
あふれ出るストーリーを
ただがむしゃらに書なぐったのではなく、
しっかりと抑制していること。

どこかで破綻しそうで、
ちゃんとラストで決着をつけている。
こういうのって才能っていうのだろう。


ただし、読んでいる間中に
そして、読み終えて思う、
この人の書いたテーマは好きになれないと。

ここに書かれているいくつかの要素の
どれ一つとして好きになれなかった。


言葉を封印し、筆談する少女、
豊胸手術に取り付かれたような母親、
その2人を迎える東京に住む叔母。

どの人物の心の動きも
自分には少しも訴えるものが無かった、
そんなことどうでもいいよと
感じてしまうのだ。

これは不幸なことだ。

登場人物の誰かのどこかしらに
自分に似た部分や、
よく分かる部分を見つけるとその作品が
ぐっと近づいてくるが、どこにも見つけられず、
では想像の中で新しい発見があったかというと
それも感じることは出来なかった。

新しい才能はここに確かにある、
次の作品にオレの心を突き刺すような
「何か」や「誰か」が現れてくれるのを待ちたい。

★100点満点で評価すると65点くらい★

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作品の出来とその作品が好きかどうかは
別物と改めて痛感した。

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