「バベル」それでも希望はある、傑作まではもうひとつか。

2007年05月09日(水) 0時34分
「バベル」★★★★
ブラッド・ピット、菊地凜子ほか出演
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 監督



神話の世界で神に近づこうとした人間は
別々の言葉を与えられ世界に放たれた。

同じ地球上の別々の場所で
人はそれぞれ同じ時間を過ごしている。

別々の場所で起こっていることを、
なんとか繋げようと思いながら映画を見ると
監督が意図し、表現しようとしているものの
輪郭が見えてくる。

「人は互いに理解し合えない世界に生きている」

言葉が通じたって、人と人は
もっと根っこの部分では理解するのはムヅカシイ、
けれどなんとか自分の意志をつたえたいと、
ある時は言葉で、
ある時は直接的な行動でそれを試みる。

一発の弾丸が乾いた空気を切り裂き、
別々の場面をひとつに結びつける。
こんなにも遠く離れても切れない絆があり、
面と向かって身近に居ても伝わらないこともある。

なにか傑作の予感がする、その境界線を
踏み越えそうでなかなか越えられないもどかしさ。
なんだろう、これは。

はっきりと分かるのは、モロッコと東京のパートと
メキシコのパートの描き方が全く違って見えることだ。
突き放したような前者と登場人物がメキシコに
入ったときの輝きは、
せっかく並行に少し離れた視点で描いていた物語の
手触りを全く別のものにしてしまった。

傑作になり損ねた野心作、
でも見ながら所々では気持ちい緊張感に
映画の醍醐味を味わえた、どうせ見るなら
こんな何かとてつもないものを
作ろうとする野心的な作品を見るのは
とても幸せなことだ。

いつか監督の作品が傑作を作り出したとき、
この映画の位置がもっと明確に確認できるのかもしれない。

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話題の菊池凛子さんには特に何も感じなかった。
あまりに尖りすぎていて、過剰で痛々しかった。

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