芥川賞受賞作「八月の路上に捨てる」心を揺さぶられる何も無い

2006年08月15日(火) 1時22分
「八月の路上に捨てる」★★★
伊藤たかみ著

めったに買わない文藝春秋を発売日に買って、
今回の芥川賞受賞作を真っ先に読んだ。

読みながら思った、
これでいいのか、
ここに何か新しい
予感のようなものを感じられたか、
確かめるように読み終えた。

そしてあれこれと考えながら、
再読。
心の底からカーッと沸き上がる、
何とも言えない
ワサワサした感じを期待したが、
そんなものはついぞ現れなかった。
残念だ。

バイトで暮らしながら、夫婦生活の破綻と
いいようのない切実さが胸を打ち、
仕事先の女性上司との関係を「よそ心」と書いた表現に
選考委員のひとりは「舌を巻いた」そうだが、
こんな文章なら、最近は個人が様々なことを
発信しているブログをいくつか見ていけば、
舌を巻くほどの斬新さはないことに
すぐに気が付きそうだ。

大体今時、文章を読んで「舌を巻く」って、誰がだよ。

龍さんも、石原慎太郎も推すものがないと
書きながらも、なんか押し切られた様子。

この作品のどこに、現代の不安を言い当てるような
ものがあるのか、だいたい現代って表現する時
すぐにフリーターや引きこもりがちな人間をもってくるが、
大多数の人間はもっと世の中に対し、
真っ向勝負を挑んでいるのだ。

この小説の主人公が路上に捨てたものの切実さが
全く伝わらない、そんな簡単に捨てられるものには、
大した意味はないのだ。

かなり辛口ですが、全く面白いと感じる部分がなく、
そういう意味でも、飛び抜けて秀でているのも
唯一のものが感じられないなら、
該当者なしで読者は全然残念じゃないのだ。

選ぶ人も何だが現代とずれた感覚をもっている気がしてならない、
なにも文学に現代性ばかり求めなくてもいいのだ、
ただただ小説世界のなかで、心を揺さぶられたいだけだから。

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芥川賞受賞作。

著者は、作家の角田光代のダンナでもある。

夫婦で、直木賞・芥川賞の受賞ははじめてらしいです。

今日は、伊藤たかみ著

「八月の路上に捨てる」
の感想です。

八月の路上に捨てる伊藤 たかみ
本読め 東雲(しののめ) 読書の日々  2007年03月22日(木) 3時21分
第135回芥川賞受賞作であるこの作品が、文藝春秋に掲載されていたので読んでみました。
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