イスファハーンと細密画工房、女たちについて@

February 12 [Mon], 2018, 22:13
長いことほったらかしてしまい、twitterでなにか言って満足してしまっていました。

昨年ペルシャ、つまりイランに行ったのですが
細密画、イスラム文化の芸術については日本ではあまり情報がなくて
それで行ってみたところがあるのですけど、
私もたいしたことを知らないけど興味がある人のなにか参考にしていただけたら、
また自分の記録に書いておきたいと思います。

今回の主な目的はイスファハーンで、女性の細密画家エラハム・アミナリ先生に師事し
工房に通うことでした。
といってもイランはアメリカとの国交を絶っていて、
ネットが自由ではないし
先生を探すのは容易ではなく、旅行代理店ソフィアの方の仕事を超えたはたらきとお気遣いで
本当に本当にお世話になりました。
https://sophia-net.com/

イスファハーンという場所は、
"Esfahān nesf-e jahān ast"(エスファハーン・ネスフェ・ジャハーン)
「エスファハーンは世界の半分」

と呼ばれるほど
「あんなに美しい場所ってあるだろうか」
と思われている場所で



テヘランから車で来た私は、
通った街にも、山にさえ木が一本も生えていない荒野の景色が延々と続いたのに対して
イスファハーンに着くなり
緑が豊かで街角に水がジャブジャブ流れているのに目がびっくりした。
そしてなにより、
芸術の都なのです。

今回の2ヶ月あまりの旅の間には、さまざまな絨毯屋、骨董品屋、陶工房、民芸店、博物館と、
いろいろ行ったけれど人工物においては
イランの他の場所とは装飾美術の質が一線を画した厳しさがあって
観光地の体裁だけの土産物が見つからないぐらい。


(↓以下全文)


新市街にはブルー・モスク、壮麗な事はこの上ない有名なモスクがあって
何度か行ったのですが、口を開けてみるほかない。。





とても音が響きます。




数多くの職工たちの祈りの積み重ね、物量と密度の洪水で、
すごいものを見ると自分の制作への振り返りが大きすぎて
その差に落ち込むことがあるのですが
工房に毎日通いながら、夕方ブルーモスクにたびたび訪れ
「この数多くの職工たちの正確で膨大な積み重ね、
この中のただの1人の仕事に匹敵するはたらきができた日が
今までの自分に1日だって、あったことがあるのか。。」
とイスファハーンにいる間は常に思わされていて、
多分、現在のイスファハーンの職工たちにとっても同様に
ブルー・モスクの側にいることが
仕事の厳しさへ繋がっている。。と思うんですよ。


イスファハーン産コパーの焼き物(これはwikiから。)
ブルーのタイルだけがイスファハーンじゃないのですが、また次回!


他の外国で、その文化背景でしか理解できない様式美というのはたくさんあるけど
中世ペルシャの美術は、誰が見ても交換価値がある、圧倒的にキラキラしている、技術によって交換価値を生んでいる、物質を見る宝石に変換する錬金術一直線に突き進んでいる感じで
むずかしいガラパゴス的な美意識や、反骨のカウンターが少ないと思う




_____________________________________

それで、細密画工房で過ごした時のこと。

(((写真をたくさん撮ったのに、どれもこれもなにかNGな
映っちゃいけないものがあり削除しました。ごめんね、、)))


アミナリ先生の工房は全員女の子で構成されていて、女の子たちはオシャレで
イケてるカフェ、メイク、自撮りアプリに詳しく異性の話で大いに盛り上がり
元カレへの呪いを語る。(婚前の恋愛は当たり前だけど、イスラム政権下のもと世間的には秘密だ。)

みんな絵がとても上手で
それぞれ大学では美術以外のことを専攻していて20代後半の子が多く、
細密画家になるべく毎日通ってきている。

それぞれキャラクターが強くてジョークが少々ずれている美人、つまり
全員、女子美で見たことあるような人で私は何の心配もいらなかった。
イランで美術を学ぼうと思う人は、なんの気にすることはない、
日本の絵かきで悩んでる同級生と違わない。

この、ラブリーなメイト、イランのレディーたちをを少々紹介しましょう。


●アミナリ先生
19世紀調のゴシックな細密画が得意な先生。
イランには風紀警察というのがいるし、女性はコート+スカーフでイスラム的な服装
にしなければならないのだけどアミナリ先生は
黒いコートが半透けで中の服が見えているし、髪の毛も結ばずスカーフからははみ出し、
ぴったりズボンを履いていた。
お洒落で上品な、しかも不良のマダムだ。

私は外国人が目をつけられてはややこしいと思い地味にしていると
「あなたはルール守りすぎ。コートのボタンは全部開けて。
スカーフはもっとゆるゆるにするのがイケてる。」
とグイグイ改造され、
私がイランに着いてすぐ、場をしのぐために買ったダサいコート
を着倒すのをみかねてオシャオシャにオシャレなコートをくれた。

イランで過ごすとこうなります。
女のイラン旅行で必要な物は「アイライナー!」
ついでに「最も赤い口紅!」


ちなみに、街角で全身チャドルの女性。
その下はスパイみたいなセットの黒服で、風が吹くたび、かっこいい。あなどれない。

*ひとつ注意するのは、田舎に行ったとき「コート開けすぎじゃない?」と言われたので
臨機応変にね〜〜!





●ゴルヌーシュ

ギャルのインスタ美女。英語が得意でいつも通訳してくれてた。
彼女のサインは"o"のところが薔薇になっているし
名前の意味は"HoneyBee"でとってもスウィーーート。

おしゃべり好きで
1分間にこれだけの言語を詰め込める人がいたとは……!!
というぐらい
分かる話も分からない話も、
外で見つかったらイケナイ事も砂嵐のようにマシンガンのように毎日しゃべりまくる。


私が「ここらで一番イケてるカフェや服屋はどこ?」と聞くと
ヴァーンク教会周辺のお洒落スポットを教えてくれた。
それはイスファハーンの南、キリスト教徒が集まるアルメニア人街で
お洒落スポットにして物価もガンガンに高いが、旅に疲れたらおすすめ。
教会も美しく、ブルー・モスクとは別の様式がある。



Chill  


●パリサ
彼女はエマーム・ホセイン物語の絵画を製作中で、私が「どんな話?」と聞くと
「これはエマームホセインのベストフレンドが死んでメッチャ悲しんでる所!ブフフ!www」
などととウケながら答えてくれる。
ふだんの気遣いがとてもやさしい女の子。
あと、絶賛ピザ・ダイエット中でピザたべてる。

●ネダ
絶世の美女かというくらい無欠で完璧キラキラの美女。アラジンのジャスミンみたい。
愛嬌があって「ダイスキ〜」「スキ」「チョウスキ」「ミユラブ」といつもLOVEを
輝くばかりの笑顔とイスファハーン訛りで振りまいてくれて
彼女を好きにならない人間はいない。
そして侮るなかれ、工房で一番仕事が丁寧で上手なのがすごい!


それに
毎日ぴったりした男装で固めてる宝塚美女のマリー
ゴルヌーシュに負けないドシャ降りのようなおしゃべり好きのマリアン
私をアジア人と見るなり合掌しながら「ナマステ〜〜wブヒャヒャw」というギャグを飛ばすマリーの友達
倹約家でまじめ、踊りがうまくてノリノリのファリマ


などなどと
私にとって普段の友だちと過ごすような、美大ライフだったってわけ。
イランでは余裕があると長い長い昼食+昼寝を3時間位とるし
ファリマは毎日その後さらにダンスの時間を展開して踊り、
過ごした。


……ちゃんと作業もやってるんだよ!


彼女ら基本的に写真はアルカイック・スマイルのみなので
「次はFunny faceよ!」とか言って変顔の本気を出させないでほしい。


つぎは細密画のまじめな話も書きま〜〜す〜



イスファハーンの職人街









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