企画SS《104-5》

October 24 [Mon], 2011, 7:42
企画SS《104-4》の続きです。



***
「エヴァちゃん!?」
「邪魔しないで下さい」
「ハハッ。邪魔かどうか…判断するにはまだ早いんじゃないか?」

ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて二人を見ていたエヴァは、全てがお見通しのような顔をしていた。

「エヴァちゃん!せっちゃんに何があったのか分かるんっ?」
「当然だ。私を誰だと思っている」

エヴァンジェリンは上体を持ち上げると、よっとそこから飛び降りた。
まるで重力を感じさせない足音を立てて刹那の前に降りたったエヴァンジェリンは、愉快そうな表情を浮かべる。

「お前、淫魔の血を浴びたな?」
「っ!?」

刹那の顔の輪郭をなぞり顎を持ち上げると、捕食者の瞳で刹那を射抜く。

「な…」
「隠しても無駄だ。お前からは淫魔の嫌な臭いがする。大方、昨夜退魔した淫魔の返り血でも浴びたんだろう?淫魔の血には強力な媚薬効果があるからな…ふふ、体が疼いて仕方がないんだろう?」
「ちがっ…」
「どうだ?大好きなお嬢様を傷つけたくないのなら、私が相手をしてやっても良いぞ?」

エヴァンジェリンがゆっくりと刹那に顔を近づけると、刹那はそれで何をされるのか理解し、一瞬だけ木乃香に視線を送った後静かに目を閉じた。

「良い子だ」
「んっ…ぅ…」

エヴァンジェリンに大人しく唇を差し出した刹那は、舌を絡められ吸われる感触に完全に酔いしれていた。
それどころか、もっと、もっととせがんで自身から積極的に絡めにいく。

その光景を見ていた木乃香は、変わり果てた幼なじみの姿に動揺するのと同時に、チリチリと胸を焦がす想いがこみ上げてきて奥歯を噛みしめていた。

そして、考えるより先に体が動く。

「お、おおきに…エヴァちゃん」

エヴァンジェリンを突き飛ばすように刹那から引き剥がした木乃香は、片腕にしっかりと刹那を抱き締めて言葉を発する。
その声はかすかに低く、震えていた。

「せっちゃんの事情は大体理解できたえ。要は満足させればええんやろ?」
「ほぉ…人間のお前が刹那を満足させられるのか?」
「分からん…けど」

唇を濡らして惚けた表情をしている刹那を見た木乃香は、悔しさを押し殺すように瞼を一度閉じると、力強い視線をエヴァンジェリン向けて言い放った。

「せっちゃんは誰にも渡さへん!」
「…莫迦な奴だ」

クックッと喉の奥で低く笑ったエヴァンジェリンは、興が冷めたと言わんばかりに踵を返して重い鉄の扉を開けた。

「ま、精々頑張るんだな」

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