企画SS《104-4》

October 24 [Mon], 2011, 7:41
企画SS《104-3》の続きです。



***
化学の授業中、木乃香は刹那の言動について考えていた。

恥ずかしがり屋の刹那の積極的な行動。今日一日木乃香はそれに翻弄され続け調子を狂わされていた。

指先を見つめて溜め息を吐く。

「どうしたの?」
「んー…ちょっとな。嬉しいやら恥ずかしいやらで頭混乱しとるんよ」
「何それ」
「ウチにも分からん」

木乃香の様子を暫く観察していた明日菜は、大した悩みではないと判断すると席を立った。

「どこ行くん?」
「ネギに呼ばれているのよ。ご飯は先に食べていていいから」
「分かったえ」

急ぎ足で教室を出ていく明日菜を木乃香は見送る。いつの間にか授業は終わっていたらしい。

「お嬢様」
「うん、行こか」

お弁当の入った風呂敷を刹那が持ち、二人は教室を後にする。

しかし、刹那が向かう先はいつもの中庭ではなかった。

「せっちゃん…中庭はこっちやで?」
「今日は屋上で食べましょう」
「ほならアスナにそう伝えんと…」
「ご心配無用です。私からアスナさんには伝えました」
「そ、そうなん?」

やはり何処か釈然としない思いを抱きつつ、木乃香は刹那に続いて屋上に繋がる階段を上がった。







***

食事をし終えても明日菜は来なかった。

木乃香は心配そうな面持ちで辺りを伺っていたけれど、待つことに痺れを切らしたのか腰を上げようとする。

「ウチ、アスナ呼んでく…」
「行かないで下さい」

懇願にも似たその言葉の響きに、己の手に控えめに触れるその手に、木乃香の心拍数が上がる。

「せっちゃん…」
「ここに…私の側に居て下さい」

刹那の指先に少しだけ力がこもる。

「どうしたん…?」

木乃香は突然の刹那の豹変ぶりに戸惑いを隠せないでいた。
そんな木乃香に刹那は更に詰め寄り、頬に触れる。

「このちゃん」

ゆっくりと刹那が木乃香を押し倒して首筋に舌を這わす。

「ん、ちょお待っ……ひゃっ」

木乃香は制止を呼びかけるも、突然刹那に耳を舐められて、そのくすぐったさに小さく悲鳴を上げる。

「あ、かんて…」
「でも、嫌ではないでしょう?」
「それは…」

木乃香が返事を言い淀んでいると、突然空から声が降ってきた。

「昼から盛っているな」

ひょっこりと貯水タンクの陰から顔を出したのはエヴァンジェリンだった。
木乃香たちの居る場所よりも高い位置にいるため、肘を突いて寝ころんでいても見下ろしている感じになる。
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