企画SS《70-5》の続きです。
***
***
思いも寄らない所で火の粉が自分に降り懸かってきて焦った声を出す。
記憶力には自信があるつもりなんだけど、何を言ってしまったのか全く思い出せなかった。
「何て言ったの?」
「近衛さんと…私が似ているって…」
「…あぁ」
言われてみれば言ったような気もする…いや、言った。あの時確かに口に出したつもりはなかったけれど思ったことだった。
「聞いてたんだ」
「隣りにいましたからね」
「それで入れ代わっちゃったの?」
「多分…」
俯くさよちゃんに頬を掻いてどうしたものかと悩む。
私の言葉で入れ代わったのなら、私の言葉で元に戻る可能性が大きいわけで…やはり私が何とかしないといけないのだろう。
「さよちゃんは入れ代わって何がしたかったの?」
「え…」
「いや、それが分かれば元に戻れるんじゃないかと思って…」
「そう…ですよね。このままで良いわけがありませんし…」
悩んだ末にさよちゃんが言った言葉はクラスの皆を驚かせるのに十分過ぎる言葉だった。
「私、恋愛がしたいです」
***
言っちゃった…///
周りの様子をおずおずと窺うと皆呆然と立ち尽くしていた。
その中で一人だけ朝倉さんは困ったような顔して悩んでいる。
「あ…の………すみません」
「ううん、さよちゃんが謝ることじゃないよ。ただ…木乃香の中に入っている以上さよちゃんと本当の意味で恋愛出来る人はいないと思うんだ」
「はい…」
何となく分かっていたけれど、やはり幽霊の私を好きになってくれる人なんてこの世にはいない。その事実に抑え切れない悲しみが込み上げてくる。
「私を除いては」
「え?」
赤くなった頬を掻きながら言った朝倉さんの言葉に私は耳を疑った。
「いや…その、さよちゃんさえ良ければ私が相手にって………ごめん、誰でも良いわけじゃないよね」
「いいえ!いいえ、そんなこと…朝倉さんは宜しいのですか?私が相手でも…」
「うん」
にっこりと微笑みかけられて私は天にも昇る思いになった。(実際になったらシャレにならないけど)
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記憶力には自信があるつもりなんだけど、何を言ってしまったのか全く思い出せなかった。
「何て言ったの?」
「近衛さんと…私が似ているって…」
「…あぁ」
言われてみれば言ったような気もする…いや、言った。あの時確かに口に出したつもりはなかったけれど思ったことだった。
「聞いてたんだ」
「隣りにいましたからね」
「それで入れ代わっちゃったの?」
「多分…」
俯くさよちゃんに頬を掻いてどうしたものかと悩む。
私の言葉で入れ代わったのなら、私の言葉で元に戻る可能性が大きいわけで…やはり私が何とかしないといけないのだろう。
「さよちゃんは入れ代わって何がしたかったの?」
「え…」
「いや、それが分かれば元に戻れるんじゃないかと思って…」
「そう…ですよね。このままで良いわけがありませんし…」
悩んだ末にさよちゃんが言った言葉はクラスの皆を驚かせるのに十分過ぎる言葉だった。
「私、恋愛がしたいです」
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言っちゃった…///
周りの様子をおずおずと窺うと皆呆然と立ち尽くしていた。
その中で一人だけ朝倉さんは困ったような顔して悩んでいる。
「あ…の………すみません」
「ううん、さよちゃんが謝ることじゃないよ。ただ…木乃香の中に入っている以上さよちゃんと本当の意味で恋愛出来る人はいないと思うんだ」
「はい…」
何となく分かっていたけれど、やはり幽霊の私を好きになってくれる人なんてこの世にはいない。その事実に抑え切れない悲しみが込み上げてくる。
「私を除いては」
「え?」
赤くなった頬を掻きながら言った朝倉さんの言葉に私は耳を疑った。
「いや…その、さよちゃんさえ良ければ私が相手にって………ごめん、誰でも良いわけじゃないよね」
「いいえ!いいえ、そんなこと…朝倉さんは宜しいのですか?私が相手でも…」
「うん」
にっこりと微笑みかけられて私は天にも昇る思いになった。(実際になったらシャレにならないけど)
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