企画SS《30-1》

May 16 [Sun], 2010, 23:26
このせつはどうも。

毎土に参加してもう30作目…早いですね。

いつも遅れてしまい、すみません。

続きより企画SSです。
お題は『コンビニ』『バス』『図鑑』です。


***
「ねぇ、知ってる?」
「あー、例の幽霊の話?」
「何でも、学校以外にも目撃情報が出たんだって」
「え、何処?」
「それが深夜のコンビニらしいよ」
「ええー、それ本当?」
「C組の子が見たんだって」
「何か怖いなぁ…」


―――…
――…
―…


そんな会話が学園内の至る所で実しやかに囁かれている頃、図書館探検部のメンバーはいつものように図書館島で思い思いの創作活動に耽っていた。

「木乃香は何をそんなに熱心に読んでいるです?」

重そうな図鑑を持った夕映が通り掛かりに話しかけると、木乃香は「ん?」と言って顔を上げた。

「『日本の幽霊大全』」
「…そ、そういうものは人間の恐怖心や猜疑心が作り出した想像物であり、現実的にはありえないものだと私は思います」
「そないに怖がらんでもええやん」
「怖がってなどっ……もう良いです。読書を再開するです」

逃げるように足早にその場を去っていく夕映を見送り、木乃香は「さて」と言って『日本の幽霊大全』を本棚へとしまいに立ち上がる。

「ラブ臭がするわ」
「ひゃっ…」

立ち上がるのとほぼ同時に"ぬっ"とハルナの顎が肩に乗ってきて、木乃香は思わず悲鳴に似た声を上げた。

「んもぅ、ハルナ!脅かさんといて!」
「だってー、ラブ臭がこの辺りからプンプンしてくるんだもの」
「気のせいやろ。ウチ、今日はもう帰るえ」

夕映とのどかによろしくな、とハルナに告げて木乃香は図書館島を後にした。



***

木乃香が図書館島から出ると、そこには刹那がいた。
今日は二人とも部活だったため、一緒に帰る約束をしていたのだ。

「待った?」
「いえ、今来たところです」
「良かった、ほな帰ろ?」
「はい」

そんな会話をしながらゆっくりと歩き出した二人は、今でこそ一緒に行動を共にしているけれど、実はつい最近まで口も利かないほど疎遠な間柄だった。

しかし、修学旅行で起きたある事件をきっかけに和解し、今では幼少期の時よりも強い絆で結ばれている。

「なぁ、せっちゃん」
「何でしょうか?」
「もう半歩前歩かれへん?」
「え…」

木乃香に言われて刹那が今の状態を確認すると、確かに半歩分後ろを歩いていた。
護衛の習性なのか、無意識にその距離を保って歩いてしまっていたらしい。

「すみません!」

  • URL:https://yaplog.jp/snow-drop1513/archive/147
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:春雪
  • アイコン画像 誕生日:3月17日
  • アイコン画像 職業:
読者になる
コメントを頂けるとKSP(このせつポイント)が回復するため"やる気"が上がります!!
その反面、KSPがゼロになると暫く補給しに出かけてしまいます。

※当ブログに非公開コメントをされる際の注意事項は2010/6/7の記事をご覧下さい。
2010年05月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
最新コメント
アイコン画像さっちゃん
» あとがき。 (2015年03月18日)
アイコン画像ナナ
» 雑記。 (2013年08月29日)
アイコン画像さっちゃん
» 雑記 (2013年01月17日)
アイコン画像全(ぜん)
» 雑記+コメ返。 (2013年01月09日)
アイコン画像全(ぜん)
» 雑記+コメ返。 (2013年01月06日)
アイコン画像遊瑠
» 別館更新情報。 (2012年12月07日)
アイコン画像遊瑠
» 別館更新情報 (2012年11月02日)
アイコン画像遊瑠
» 三周年! (2012年10月26日)
アイコン画像まぁ
» 企画SS《151-2》 (2012年09月09日)
アイコン画像さっちゃん
» 20万御礼+生態。 (2012年03月20日)
Yapme!一覧
読者になる