デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー396 レオンの狙い

December 01 [Sun], 2019, 10:02
「よし、今晩このあたりで張り込みしよう。もしレオンを見つけたら後を付けて
 マイケルの隠れ場所を確認できれば旬に教えられる。」
「それがまた大変だけどな。」
 ロバートは肩を上げて微笑んだ。晃は頭を大きく傾けて悩んだ顔になる。
「それにしてもスワンはどうしたんだ?レオンはあいつの傍にいれば万里子の所に
 行けるって知ったはずじゃないのかな?」
「謎は深まるばかりだ。操るために憑依していたのに離れたという事は逃げられたのか?」
 晃もロバートもよく動物に乗り移るが、支配を続けるためには一時も離れられない。
 逃げられると次の動物を見つけて乗り移るという手間がかかる。
「きっと狙いはクリス・スワンだ。普通は意識がしっかりした人間には乗り移れないのを
 レオンは乗り移って、しかも入れ替わった。それが何かの理由で逃げられた。
 答えが見えてきたぞアキラ。」
 今度はロバートが非常に正しい推理を導き出した。
「練習の理由がそれか。もしかして俺にとっても勉強したい内容かもしれない。」
「馬鹿な事を考えるなアキラ。」
 ロバートはすぐに自制を促したが、晃はもやもやした推理で胸がもぞもぞしていた。
 
 大学院の必須講義だけ受けると旬はアマグリケミカルにタクシーで向かった。
 ケミカルでは甘栗太一が治療薬を濃縮している。ケミカルにつくと旬は地下へ
 向かった。バンダム兄弟が変身して逃走した時に壊した窓や地下は修復されていた。
 地下研究室はアマグリケミカルのトップ機密だから全て秘密裏に手配された。
 地下2階のプレミアムメンバー研究室に向かうとずっと気にしていたマウスを見に行った。
 実験用マウスに遺伝子組み換えした乳酸菌「みゆき」を感染させたのだ。
 マウスは感染するとネズミの形を失い手足が細く伸び切って筋肉の塊になった。
 他のマウスを全部食べてしまう食欲旺盛の感染マウス。その後絶食しているが、果たして
 まだ生きているだろうか?
 旬とデブ3兄弟の遊んでいた研究室に立って旬は呟く。
「懐かしい。」
 巨大風船デブスリーがいたからいつも狭苦しく感じたが、バンダム兄弟がいないと
 がらんと広い。
 旬の胸がきゅっと痛んだが、気を引き締めて実験マウスを見に行った。
 すると透明な強化プラスチックケースに入れておいたマウスがいない。
 組み換え乳酸菌「みゆき」を食べさせて手足が細くなった実験マウスそのものが見えなくなって
 旬は慌てた。
「しまった!逃げたのか?!」
 ヤバイと旬は顔色を変えた。小さいけれどかなり狂暴。外に出たらマジヤバイ。
 そうしてケースのどこから逃げ出したか調べたがケースには破損はなかった。
「は?どういうことだ?まさか溶けたのか???」
「みゆき」が内部から細胞を破壊してしまったんじゃないかと旬は想像して不安になった。
 変身させた後、自ら溶けて証拠隠滅できる細菌兵器なんて素敵格好良すぎてドログバ博士に
 見せて褒めてもらいたいくらいだが、バンダム兄弟が感染してるので気分は最悪だ。
 感染した最後は溶けてしまうなら、そろそろマークとマイケルは危ないかもしれない!
 青ざめながら旬は研究室を見回し、ケースを右から左から、下から見回して
 逃げ出した穴がないかと探すと、気づいた。
 角度を変えたら他の色と浮いて見える部分がある。





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デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー397 みゆきちゃん、ごめんね

December 03 [Tue], 2019, 10:01
「これは、感染マウスか?」
 旬がケースを叩いて刺激を与えたら見えなかった部分がパキッと剥離し落ちた。
 刺激されたせいかマウスは白く見えてきた。
「なるほど。擬態か。」
 実験マウスは向こうの壁の色に合わせて静止していたせいで一見見えなくなっただけだった。
 ずっとエサもない状態で実験マウスは周囲の色と同化したまま活動をやめていた。
「大したもんだな。マウスのくせに。」
 ちょっと旬は嬉しくなった。それでマイケルが見つからないのだと分かったからだ。
 時間が来て溶けてしまうわけでもなかった。一安心だ。
 あの姿のままなら発見されて殺されたり実験動物にされかねないが、
 周囲に擬態して同化できるなら当分見つかる心配がないだろう。
 ヤッターと喜んだ旬は感染マウスを入れたケースを持って笑顔で甘栗に報告しに行った。
「先生!みゆきちゃんに感染したマウスは擬態の能力を持ってました!
 周囲に擬態して生命活動を停止できるから餌なしでも生きていたんです!」
 甘栗は大喜びで駆けってきた養い子に笑顔を向けた。
「じゃあマイケルとマークも当分警察や軍に見つからないね!」
「はい!先生よかったです!!」
 ひとしきり喜んで落ち着くと甘栗は濃縮した治療薬を感染マウスに飼料に混ぜて与えた。
 治療薬投与から時間を計測しつつ様子を見ているとマウスに異変が起きた。
 細いマウスがケース内でもがき苦しみ激しく暴れグルングルンと回転後、
 急に全身から湯気が出て変身が解けた。マウスは痩せてはいたがマウスらしい姿になって
 動かなくなった。
 ずっとエサを食べていなかったから衝撃に耐えられなかったのだろう。
 それだけ変身が解ける内的衝撃が大きいのだ。
「変身が解ける直前の反応が問題だね。」
「ある程度体力がないと危険ですね。」
 旬と甘栗はちょっと言葉を失って死んだマウスを呆然と見つめた。死んだマウスが
 マークとマイケルの姿に重なった。
「桐生君、濃縮薬のデータが欲しいから「みゆき」をマウスに感染させてほしい。
 マウスは感染すると狂暴になるからケースは一匹づつ入れて。」
「はい、先生!」
 旬はまた自分たちの研究室に戻って冷蔵庫にしまってある組み換え乳酸菌「みゆき」を
 取り出した。
 発酵させて可愛がっていた「みゆき」のほとんどをバンダム兄弟が飲んでしまった。
 飲む乳酸菌。しかし飲むと変身してしまう凶悪さ。
 旬は少しだけ残っている「みゆき」を冷凍させて保存したが、その容器を抱きしめた。
「みゆきちゃん、君は悪くない。ごめんね。」
 日本でみゆきの通う学校にみゆきを探しに行った。あれから5か月ほどたつ。
 山間の高校。ぽっちゃりしたみゆきの優し笑顔。動画に撮影していてお巡りさんに発見され
 逃げてタクシーに乗って見知らぬ土地へ。クマが出そうな所で警察に保護され、
 みゆきを盗撮していたのがバレてこの世の地獄を味わった。
 もう永遠にみゆきを見ることはないんだと死体のようになった旬を東京で預かっていた
 甘栗太一の弟、
 甘栗総司が見るに見かねてみゆきの所に連れて行ってくれた。
 総司が亡き桐生晃と瓜二つなのを利用して父のふりをし、恥ずかしがって木の裏に
 隠れている旬をみゆきの前に引き出してくれた。





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デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー398 やっぱりカッコイイ

December 05 [Thu], 2019, 10:01
 一途すぎる旬は、5歳の時に恋をした少女に会いたくて毎日毎日公園で待った。
 雨の日も、風の日も、嵐の日も。1年たってやっとあの幼い子はここに住んでいないんだと
 気づき絶望した。旬の心に優しい光を残していった少女を小学6年生になったある日
 見つけてそのまま後を付けた。生まれて初めて飛行機に乗ってまで後をつけて少女の
 住む家を見つけた。家の中を覗いているところをお巡りさんに声をかけられて逃げ出し
 山で遭難しかけたが助けてもらってみゆきと知り合いになれた。
 好きで好きで、憧れた光でできた少女。なにの旬はまともに見れず、声も出せなかった。
 迎えに来た晃と一緒に帰る朝、別れ際にみゆきから貰った白い花は旬の宝物になったのに…。
 みゆきの純粋な光は旬にはふさわしくないと、旬は恋を諦めた。
 それでも好きで、遠くからだけでもいいから見たくて、盗撮してしまった。
 そうした旬の病んだ恋心をみゆきは知らないで優しい笑顔で旬を再度照らした。
 
 また会えたね…旬君。
 みゆきからあふれてくるキラキラキラキラ輝く光。光でできた、光の子。

「みゆきちゃん。愛してるよ。」
 こんな俺を忘れないでくれた。覚えていてくれた。俺の救い。光の子…。
 旬が最愛の少女を想って名付けた組み換え細菌の冷凍保存容器を抱きしめて愛に耽っていたら、
 凍っているから冷えてくしゃみをした。
 ぐずぐずしないで甘栗先生に言われたことをしなければと、
 「みゆき」を解凍し、培養を始めると甘い香りがしてくる。
「甘くて、花みたいで、いい匂いだ。」
 独特の甘い香りは美味しそうでもあり、ミョーな魅力がある。
「この匂い、香水にしたら売れないかな?」
 食べたり飲んだりしたら変身するから利用不可だが、香水なら香りを抽出するだけだし
 売り出してヒット商品にできるかもと考えながら発酵するのを待った。
 ピンクの泡がぷくぷく出てくる。
「可愛い。」
 まずケースを5個用意し、発酵させた「みゆき」をマウスに感染させるとすぐ
 強化プラスチックケースに閉じ込めて逃がさないようにした。
 5ケース全部に感染マウスを入れて1時間ほどすると小さなマウスは変身を始めた。
 旬は大きな瞳をキラキラ輝かせて、マウスがその形を変えて細長い手足に、クモのような
 形に変身するのを夢中で見ていた。
「カッコイイ…。」
 感染マウスを作るだけで時間が来てしまい、濃縮薬の計算をしていた甘栗が迎えに来て
 二人はニュージャージーのクリアフューチャーの地下倉庫に車で向かった。
 川辺に近い場所にある秘密の地下通路には歩いていくため、車は途中のクリアフューチャー
 開発局で停車させた。先にスミスが来ているようで、スミスの車も停車している。
 地下倉庫に行く方法は通路に行く方法と、旬の社長室の秘密のエレベーターから行く方法が
 ある。そういえばあそこには横嶋が仕掛けた罠がまだついているはずだ。
 取り外せと言ったが、取り外したか確認していない。レーザーで攻撃してくるから
 甘栗先生が危ないと、結局今日も地下通路から行くことにした。
 地下通路の複数の扉を開けて陰鬱な地下倉庫に着くとやはりスミスが先に来ていた。
 三日ぶりでここに終結したが、
 殺風景な倉庫には今はマッドは居ない。あの化け物がいないだけで平和な気分だ。
「タイチ、さっき私も来たばかりだ。ちょっとこれを見てくれ。」
 机の上に何か変な物があった。





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今回もこの辺で

December 06 [Fri], 2019, 13:25
ご訪問ありがとうございます!!!
みなさまのおかげでまだ連載していくモチベーションが維持されてます。
とはいえ、これから先が見えない厳しいところです。
果たしてちゃんとラストまで進められるのか、不安です。
うだうだしてますが、どうかどうかまた遊びに来てくださいませ。m(−−)m

さて、いよいよヤプログ終わります。
訪問してくださったみなさま、たくさんの思い出ありがとうございます。
ほんの少しだけ交流してくださったみなさま、ありがとうございます。

JUGEMのリンクページです。

デモンドリーム・マンハッタンの悪夢はこちらから

桐生親子の育児禄はこちらから

凶美少年の甘い蜜は媚薬麻薬毒薬はこちらから

さあ世界を征服しよう!はこちらから

桐生親子の事件録はこちらから


またみなさまのお気に入りページは記事タイトルにJUGEMをつけると表示されます。
例えば
桐生親子の事件録−18 チビ万里子登場JUGEM


というように、記事タイトルにJUGEMを付けて検索すると検索結果に出てきますので
それを登録してくださればJUGEMに移ってもこれまで通りのページから飛んできていただけます。
まだ年内はヤプログで連載していきますが、来年はヤプログが消えますので
JUGEMのお気にブクマから遊びに来てくださるのを待ってます。

また来てね







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エンムブック1,2にご訪問ありがとうございました。

December 31 [Tue], 2019, 12:23
今年も多くの皆様にご訪問頂き本当にありがとうございました。
エンムブック1のほうは這いずりながらの連載でこれにお付き合いいただく皆様の
優しさに感謝しております。
エンムブック2は1年間沢村ゆづるの物語になり、「愛なんかない」から
2,3年経過してもまだゆづるを忘れないでいただけたことに感謝しております。
正直エンムブック1,2ともに思考が限界に達しつつ、
簡単にいうと枯渇にちかずいております。どちらも果たしていつまで続けられるか怪しい状況です。
でもなんとかデモンドリームは見えたとこまでは続けていきたいとは思っています。どうなることか…。
2019年はすさまじい台風の被害で、たぶん日本中が恐怖に包まれた気がします。
どうせ勢いがなくなるさと、思っていたのに、世界の歴史史上初の巨大台風が上陸し
たくさんの県などの避難勧告などでてました。あれはこわかった。
あんなことがおきるなんて、ってもう思えません。だってその前も、その前も
地震と大雨の大災害が起きていて、その上で世界中が驚くほどの巨大台風がきたんですから。
たぶん2020年も大きいのが来るんだと思います。
日本のどこでいつ被災するかわからない。大変な時代です。
どうか皆様が無事でありますように。災害が起きても被害が少なくて済みますように
お祈りしています。
そうして来年が皆様にとって楽しいことがいっぱいありますように。
2020年もエンムブック1,2をよろしくお願いいたします。

追記
 今年も桐生親子のお正月企画やります。どうぞ見に来てくださいね〜。



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