デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー298 旬の危機

June 07 [Wed], 2017, 8:52
 再び逆さ状態で上まで上がるが足にはめた浮遊ボードが浮き上がり、腰が上がり、
 前のめりになって上に上がった足を大きく振った勢いで逆さから元に戻ろうと
 地上に頭から落ちた、地面に手を突いた状態で一旦膝を折って腹まで膝を引き
 ボードを下に向けて足の屈伸力で、思い切りジャンプして空中に逃げようとした。
 しかしすぐにマイケルも飛び上がり、正面に追いつき旬に飛びかかる。
 かわそうと旬は軽く背を反らしてスウェーバックで後ろに引き、逆立ちから回転し
 足から降りた。
 地上でやっと態勢を整えたがすぐにマイケルの攻撃に身構えた。
「もっと前からそうやって運動してれば痩せたのにな。」
 負けん気が強すぎる旬はちょっと軽口を言うが、回転しすぎて頭がクラクラする。
「旬、来たぞ!」
「!!」
 ジャンプしながら襲い掛かるマイケルの動きはもちろん早いが、
 その動きを一瞬で感知し必死でかわす旬の動きもかなり素早く、
 しかもその動きはよく見ると合気道の技。
 まるで踊るような動きの演武を舞ってわずかな時間でマイケルの攻撃を避けていた。
 攻防は一瞬の時間なのだが晃には酷く長く感じた。
 あまりにも旬とマイケルの動きが速すぎて晃は二人の戦いから離れざる負えなかった。
 しかし旬は体力が落ちて、明らかに動きが鈍ってきたのが晃にも見て取れた。
 全身が重い。筋肉の限界だ。
 ロバートが憑依した犬と一緒に、強張ってみている晃の傍に駆け付けた。
「アキラ!シュンが危ない!」
 そう声を掛けられても晃は親友のほうを振り向けなかった。
 一瞬でも目を離したら最愛の息子・旬が殺されてしまうそんな気がした。
「ダメだ、これじゃあ、旬が殺される…!!」
 警官たちの無残な死にざまと愛する息子の姿が重なる。
 旬を助けるために何か俺に出来ないか?
 旬が逃げる為のほんの少しの時間稼ぎでもいいんだ!!
 そう考えた晃の脳裏にふとレオンの姿が映った。
 レオンはマイケルに手をかざし、念じるとマイケルは大きな体を縮めてうずくまった!
「そうだよ、レオンが出来たんだ、もしかして俺にもできないか?」
 先ほどレオンがマイケルにしようとしていた支配…、しかし、
 犬や鳥ではない化け物に通用するのか?
 そう考えた一瞬の間にマイケルを避けられずにもんどりうって旬が遂に地上に倒れた。
 しかし起き上がるのが簡単ではない。
 浮遊ボードが旬を引っ張るのでもはやハンデにすら感じる。
「くっ!」
 すかさずマイケルが上空に高く飛んだ。落下地点の旬は完全にマイケルを見失った!
 旬の死角から飛んで旬を狙って落ちてくるマイケル。
「ダメだマイケル、旬を殺さないでくれ!!」
 できるかどうかわからない。だが、迷っている時間がない!!
 どうなるかわからない、しかし晃は決意した。
 晃が空中に飛び上がり、ロバートは背中に声をかけた。
「アキラ何をする気だ?」
 振り返らず飛び上がりながら答えた。
「旬を助ける!!レオンがやれたなら俺にも操れるかもしれない!」
「止めろアキラ、どうなるかわからないぞ!」



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デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー299 晃の決断

June 14 [Wed], 2017, 9:11
「止めろアキラ、どうなるかわからないぞ!」
 ロバートの制止を聞く気はなく突っ込んでいく一瞬、旬を狙って降下するマイケルに
 晃の姿が重なった!
 マイケル、君と旬を助けたい!頼む俺を受け入れてくれ!!
 そうして晃はマイケルの脳に侵入しようと念じた。自我のないマイケルには防御がなく、
 晃は思いもかけず簡単に侵入した。しかし、
「ぐああああああああああああああああああああ!!」
 マイケルの脳内に侵入した途端に晃の全身にとんでもない電流が流れた。
 雷撃に当たったようにバリバリと全身に電気が流れ肉体のない晃なのに、
 凄まじい激痛で絶叫した。
 マイケル、マーク、マッドたちは感染後ずっと脳に電流が流れて痺れた状態だったのだ。
 それも霊である晃には強すぎる電気で、激しい痛みで意識に靄がかかっていく。
 意識が晃に代わった直後、空中で絶叫し真下に落下したマイケルは旬の横で転がって
 悶え苦しんだ。
 消えていく意識の中で晃は旬の姿を赤い視界で探し、こちらになんとか向き直った息子に
 訴えるように手を伸ばした。
 しゅん、にげろ、!!
 晃が侵入したマイケルの肉体は晃の絶叫を口から漏らした。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 ロバートにはマイケルの姿に晃の姿が重なって見えている。
 苦悶でのたうつ晃にロバートは叫んだ。
「アキラ!どうしたんだアキラー!!」
「アアアアアアアアアアアアアア…アアア!!!」
 突然地面を転がり、仰け反り、苦しそうに吠えるマイケルに旬は驚いた。
 ヘルメットの中の旬の顔は不安そうに目を見開いている。
「どうしたんだマイケル??」
 マイケルの肉体を組み換え細菌が滅ぼそうとしているのかもしれないと恐れた。
 すると大橋にサイレンが響き渡る。マンハッタン側ではなく
 ニュージャージー州から応援のパトカーが複数台もう片側から入ってきたのだ。
 ニューヨーク市警の説明を半信半疑でやってきた警官たちはニューヨーク市警と
 連絡を取り合いライトを点検して点灯させたら両側から同時に突入すると決めた。
 その時!大橋の電気が一斉に点灯した。
 マンハッタン、ニュージャージー大勢の警官が集結してきたパトカーの中の警官たちは
 突入の号令をかけた。
 旬とマイケルが見られてしまう。ロバートは点灯したライトを見上げて、晃を見下ろす。
「くそ、もう40分過ぎたのか?」
 旬は逃げるべきだが、マイケルの異常事態で迷った。
「なんとか連れていけないか?」
 だがパトカーが迫る。
 晃も向こうに停車しているパトカーのサイレンを耳にし、旬を逃がそうと思った。
「ウウウアアアアアア。…シ、シュ…。」
 絶叫するマイケル、晃は想像を絶する苦痛の中、完全に支配できないマイケルの
 足を引きずり、旬を助けよう、ここから逃げようと赤い眼球を動かした。
 マイケルの目で見ると視界は赤黒く、何故夜に活動するかわかった。
 赤い世界は太陽光が強いと見えないわけではないが物の判別がしにくいのだ。
 むしろ夜なら赤外線でみる世界よりもずっと落ち着いた色彩で見える。





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デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー300 旬の為に鍵になる晃 

June 21 [Wed], 2017, 8:55
 晃の視界はゆらゆら揺れて、意識は今にも途絶えそうだったが警察の目から
 旬を守ろうと激痛と意識の靄の中、曲がった体を起こして立ち上がり、
 電流に負けるものかと足に力をいれて大きくジャンプした。
 のたうち回っていたマイケルが飛び上がってそれを旬は見上げたが、
 ライトが一斉に点灯し、ライトの照らされる大橋の両側から迫るパトカーが同時に
 侵入を開始してくるのを左右に見てもはや逃げなければならない旬は
 大橋の手すりに向かってボードを低く走らせそこから大橋の暗い川に飛び降りた。
 手をついて大橋向こう側に身体を落とす間際に旬はマイケルに視線を向けた。
「マイケル逃げろ!」
「ウウウウウウアアアアア。」 
 大橋両側から突入したパトカーは走行しつつ、飛び上がった化け物を発見すると
 車の中から銃を発砲させた。
「化け物がいたぞ!!」
「撃て!」
 一斉射撃の命令が下され車両内から殺せと一斉に銃砲が打ち鳴らされた。
 パンパンと無数の弾丸が雨のようにマイケルに発砲される。
 ニュージャージー州警察は信じられない光景に驚いている暇もなく、
 この謎の化け物を殺せと口々に叫んで撃ち込んだ。
 その悪意ある銃砲は旬の心を惑わせる。
 戻ってマイケルを助けるために警官たちを止めたいという感情と、
 自分が見つかれば甘栗グループの破滅に繋がるという理性だ。
 
 晃は薄れる意識の最後の最後まで旬を庇ってわざと数回ジャンプし、
 旬がいる側の反対側の車道に姿を見せた直後にこちらももはや限界だと
 ハドソン川めがけてマイケルの肉体でジャンプし、黒い川に落ちて行った。
「アキラ!!」
 マイケルと晃が川に落ちていく寸前ロバートの目にはマイケルに重なって親友・晃が、
 まるで十字架に掛けられたように両手を広げ意識を失って項垂れる姿を見た。
 晃は完全に意識を失い、晃の瞼は固く閉じられ整った顔は彫刻のように制止し、
 両腕は肩まで上がって一瞬くるりと回転した状態でマイケルの脳を停止させた。
 無意識にだったがマイケルの肉体に晃は鍵をかけたのだ。
 ロバートは目を開けてくれと親友の名前を叫んだ。
「アキラアアアアアアアアア!!!」
 晃はマイケルを連れて二人ハドソン川に落ちて消えた。
 完全に生命活動を停止したマイケルと晃は黒い川に沈み姿を消した。
 その後二人がどうなるのかロバートには予想できなかった。
「アキラアアアアア!!!」

 旬は落ちた化け物の捜索を始める警察に見つからないように急いで川面上空を
 低空飛行したが、心は川に落ちたマイケルに後ろ髪惹かれ、振り向いた。
 マイケル…。
 川に飲み込まれたマイケルはどうなったのか?何故突然苦しそうになったのか?
 マイケルに何が起きたのか?組み換え細菌の次の反応が起きてしまったのか?
 旬は混乱しながら甘栗にこの異常を伝えてどう思うかを想像して
 不安でいっぱいになった。
 旬は悔しさと悲しみで涙が溢れた。またも失敗してしまった。
「マイケル!ー!」




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デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー301 みんな離れ離れ

June 28 [Wed], 2017, 12:34
 大橋のライトが一斉に点灯したが大橋から離れた川岸ではスミス教授が計画遂行を信じて
 麻酔銃を構えた格好のまま、取り付けられたを暗視スコープを覗き、
 摩天楼群に銃口を向けて狙っていた。
 ビル群背景をターゲットにその地点に旬がバンダム兄弟の誰かを
 引っ張ってくるのを狙って撃つ計画だからだ。
 じっと標的を狙い微動だにせず待機していたスミス教授はふと緊張を解いて銃を下した。
「アマグリ、作戦は失敗したようだ。キルユーは手ぶらで戻ってきた。」
 横で待機している甘栗にスミスはそう伝えた。
「桐生君…。」
 甘栗は旬の気持ちを心配した。
 甘栗とスミスがじっと向こうを見ていると大橋から飛空してくる旬の姿が見えてきた。
 誰も捕獲出来ずに戻ってくる旬が川の水面を音もなく飛空してくるその姿は
 スミスには実に不思議に見える。
 どうもキルユーとアマグリたちは色々秘密があるようだと思いながら今は
 事件解決を優先し疑念を迂闊に口にしないようにしている。
 スミスは作戦失敗でため息を小さくついた。
「だから考えが甘いと心配したんだ。」
 すると向こうから大橋付近で待機していたはずの横嶋九朗も走ってきた。
「先生〜桐生に伝えといてくれええ〜!!」 
 そのまま立ち止まらずに走りながらスミスと甘栗の前を爆走して向こうに走って行く。
「俺に悪気はなかったあれはホントにうっかりミスだって言っといてくれ〜〜〜」
 必死の形相で通り過ぎ、ドップラー効果で横嶋の背中から悲痛な声も漏れた。
「母ちゃん助けて殺される〜〜〜〜!!」
「なんだ?」
 デカイ筋肉オヤジが頭をひねり、小さいおじさん甘栗も同じく頭を傾げる。
「何だろうね?」
 横嶋は旬との通信が繋がっていたので事の顛末を知っている。
 大橋からこっちに逃げてきた間にもしかしてミスした俺の顔を見た桐生に激怒のあまり
 殴り殺されるかもしれないとハタと気づいて危険地帯からの脱出を図った。
 言い訳をするならば横嶋もずっと睡眠不足とエロ欲求不満状態で旬のケツに見とれながら
 手伝っていて注意散漫だったとか、
 そもそも純粋な特殊合金と違ってペンキ状態の新型特殊合金は電気を多く消費するのを
 うっかり失念して小型バッテリーを搭載した上に、急な捕獲作戦の付焼刃的な事態が
 重なり、急遽スミスとのシュミレーションで電気を使って充電しないまま
 すぐ出て行ってしまったとか、
 さっき走りながらそういった色々を思い出してももう遅い訳で…。
 横嶋の言い訳を黙って聞いてくれるような性格ではない旬の報復が自分に向くと思うと、
 それこそ共犯者であり、実際に旬の殺人を目撃している横嶋は
作戦失敗したから殺される〜〜〜と震え上がりながら自宅に逃走し、
 世界で最も安全な場所、つまりは旬の憧れる実母の傍に逃げて行った。
 心身ともに疲弊しきった旬は川に落ちそうになる身体をなんとか保って飛んでいる。
 できれば川に落下したマイケルを探したかったが、浮遊ボードはほとんど旬の筋肉で
 操っているのでもはや体力の限界なのだ。
 離れ離れになってしまったマークとマイケル、そして晃までが行方不明になったと
 旬は知らない。
「どこだアキラ?」
 ロバートも憑依した犬の脳から飛び出て広い川を飛んで晃を探した。
 大きな黒い川をぐるりと見回しても何も姿が見えず途方に暮れた。
「アキラ!どこに行ったんだ、アキラ?!」
 必死位で晃を探しても…マイケルも、何も…見えない。






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