桐生親子の育児録ー1 報復に燃える赤ん坊

January 01 [Thu], 2015, 12:00
 2015年、あけましておめでとうございま〜す。
 昨年はほんとにたくさんご訪問頂きありがとうございました。
 どうどうか今年もこの自己満足ブログを見捨てずに遊びに来てくださいね〜。オネガイ。

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 東京都内、晃が万里子と幸せになるために買った無駄に広いマンションに
 妻・万里子は正月になっても帰ってこなかった。
 旬の生まれて始めてのお正月、晃は広くて万里子がいない寂しいリビングに呆然と立ち、
 ふんわりした茶髪をかきむしり、向こうの子供部屋を見て頭を抱えた。
「どーすんだよ、アレ…。」
 とりあえず現実逃避しようとキッチンに行ってビール缶を持ってビールを飲み飲み
 子供部屋に入る。
 その子供部屋のベビーベッドの中では怒った顔の赤ん坊が日課の運動に励んでいる。
 手をバタバタ20回、足をバタバタ20回、体を左右にふにゃふゃ。
 疲れると一瞬おねんねしてお休み。寝顔は天使のような旬。
 しかし晃は蠢く赤ん坊を気味悪そうに遠めで見て、溜息をつく。
「はー…。」
 正月なので派遣のベビーシッターもお休みで晃が旬の世話をしなければならない。
 5分眠った旬は再び目覚めて、手足をバタつかせた。
 ベビーベッドの中には異物が蠢いている。
 自分の子供という実感がない晃にはベビーベッド内でゴロゴロする生き物が不思議な
 物体に見えている。
「くそーっ、最悪の正月だ。」
 赤ん坊の世話なんて本来母親の仕事だろう〜、俺に3日も世話できるかよ〜。
 ベビーシッターからミルクの作り方、オムツの替え方を一応教わったが、めんどくさい。
 ビール缶を片手に晃は子供部屋のベビーベッドに近寄り赤ん坊を見下ろすと、
 ベッドにはギラギラ睨みつけている約生後2ヶ月弱の乳児・旬がいて、
 晃も旬を睨み返している。ダメ親父。
「ばっばぶばぶばぶばうばぶばう(いいか晃!おれは知ってるんだベビーシッターは
 来ないってな!正月にてめえの逃げ場はねえ!!」
 旬は完全放置のダメ親晃と万里子に対し万里子の腹の中にいる頃から報復を考えていた。
 ずっと顔を見せないバカ晃、おれは貴様にふくしゅうしてやる!!
 そう思ってビールをがぶ飲みするあほ・晃を睨んでいる。
 で、旬は現在報復材料を集める努力中だ。普通の乳児ならそんな真似はできないが
 天才・旬は今の自分にできる報復の方法を考えた。
 そうしてタイミングが来たので早速はじめる。正月は3日しかないから一分も
 無駄にはできない。
「うおぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「げっ!!!」
  晃はびっくりしてうっかり手に持つビール缶を落としてしまった。




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ばぶばう(いい正月にしてやるぜ)
赤ん坊なんて世話できねえよ〜〜

桐生親子の育児録ー2 赤ちゃん汚物アタック

January 02 [Fri], 2015, 11:48
「ぎぁああああああああああああああああああああああああああああ!!
(オムツを替えろーっ!!)」
晃は仕方なくビール缶を足で蹴り、赤ん坊を抱き上げた。
「うわあ、泣くなよぉ!!オムツか??」
 赤ん坊は首が据わっていないのでぐるんぐるん回る。実はわざとやっている。
 これも精神攻撃の一種だったりする。
「ひーっ!!どうすりゃいいんだ!!」
 晃はパニックになりながらとりあえずベビーベッドに降ろしてオムツを開けた。
「(よし、そのまま顔を寄せろ!!)」
 晃が旬のオムツを開けるとおしっこはまだのようだ、じゃあミルクかと思った晃の顔に
 旬は我慢していたおしっこを思い切りブチ当てた。
「うわあああああああ!!」
「ふふふふ!!!どうだ、おれの怒りのおしっこ攻撃。」
 ぷしゃーっと見事に晃の顔に命中させて、晃は悲鳴を上げて逃げて行った。
 おしっこ攻撃は諸刃の剣。おしっこにまみれた旬はオムツを変えろと大声で命令する。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!
(てめえおれのからだをふいて早くオムツをなんとかしろ!!)」
 おしっこを浴びまくって、晃は怒りながら戻り、わめきながらオムツを換える。
「畜生、クソガキがーっ!!」
 大きな手で小さなあんよを持って、オムツを裏にしたり斜めにしたり不器用な手つきで
 晃はなんとか旬のお尻に合わせた。
「ぱふぱふ(まだおしおきは終わりじゃないぜ晃。)」
 晃が慣れない手つきでやっと新しいオムツに換えた瞬間に旬はうんちをした。
「ひええええええ!!今取り替えたばっかだぞ!!」
「(ふっ。)」
 旬はかわいい顔に勝利の笑顔を浮かべた。
「覚悟しろ晃、この3日間てめえに寝る暇なくおれのために奉仕させるからな。」
 なんて赤ん坊とは思えぬ悪意に満ち満ち、旬は晃をいたぶるメニューを用意した。
 ミルクをある程度飲んだら残りは晃の顔めがけて吐く。
 実際にはだらっと出ただけだがゲロもかなり精神的に参る。
 ゲロの後始末、床掃除と晃は這いつくばる。
「スーパーイケメン・桐生晃様のする格好じゃない〜〜!!」
「ばっばっば(似合うぜ晃ふっふっふ。)」
 夜は1時間ごとに泣きわめき、晃が寝入りそうなタイミングを潰す。
 オムツ時にはほぼ毎回我慢したおしっこを引っ掛ける。
 おならとうんちも出る時はぱふっとひっかける。



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桐生親子の育児録ー3 パパ死亡でおれも死亡?

January 04 [Sun], 2015, 12:40
 そんな訳で晃はこの赤ん坊をますます嫌いになった。
「げぷ。」
 ミルクを飲んでちゃんとげっぷをする。普段は実に落ち着いた赤ん坊なのに、
 何故こんなに手をかけさせるのか?
 晃はマジメに考えてミョーな想いが浮かんだ。
「こいつ、わざとやってないか?」
「(やっとわかったかアホ。)」
 ベビーベッドの悪魔は手足をぱたぱたさせてる。
「おい、クソガキ、少しは可愛げ出せよ。誰にも愛されねーぞ。」
「ぶっぶぶばぶ!!(おれは愛なんていらねーよ。)」
 生まれる前から心が捻じ曲がった赤ん坊・旬。
 晃は不気味そうな顔で小さな悪魔を見下ろし、それからそのまま後ろに下がって
 部屋から逃げた。
「ばぶ(すぐ呼んでやる。)」
 そうして戦う赤ん坊とダメ親の怒涛の三が日、最終日に晃は倒れた。
 心身の疲れで風邪をひいてしまい、完全に意識不明で旬の悪魔の泣き声にも反応しない。
 さんざん泣いたのに晃が来ないので旬も泣き疲れてきた。
 天井しか見えない旬の世界で旬は呼んでも来ない晃がどうしたかぼーっと考えている。
 あの馬鹿、泣き喚いても来ない。なんかおうちが静かだ。
「あいつおきてこないな。おれすごく腹減った。」
 もう一回泣いてみたがやはり何の音もしない。
「あいつ…おれの寝てる間にどこかいったのかな?」
 朝から昼、そうして夕方になってしまい、旬はもうお腹が空いて、お腹が空いて
 死にそうなくらい弱っている。
「あいつしんじゃった?」
 やり過ぎたかなと旬は考えた。
 晃が来ない、オムツもぐしょぐしょ、お腹が減って、世話して貰わないと旬は自分が
 何もできない赤ん坊なんだと実感し悲しく情けなくなったが、認めたくなかった。
 おれすてられたのかな…心細くて涙があふれた。
 エアコンが点きっぱなしの旬の子供部屋。お外を知らない旬の小さな世界。
 自分の小さな世界で旬は自分がどんどん小さくなって消えていくような恐怖を感じた。
 おれこのまま何もしないうちに死ぬのかな?
 すげえ短い人生だったな…。
 生まれてほやほやの乳児が考えるにはマセ過ぎている。
 旬は早すぎる人生の終わりを考え、自分のこれまでの人生を思い返してみた。
 まだ名前もない胎児期、目も見えない胎児だが耳はよかった。
 おなかの中で突然意識がはっきりし、初めて耳に聞こえてきたのは喚き声。
 万里子のお腹の中できいた晃と万里子の喧嘩だ。
 


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桐生親子の育児録ー4 旬の呪いか未来予知か

January 05 [Mon], 2015, 12:40
 あきら、まりこ、りこん、ばか、しねとか言う言葉を早めに覚えた。
 喧嘩の声は凄く怖かったし、心細かった。それから万里子のお腹の中にいる旬への暴行、
 死にたくない旬は万里子の攻撃に必死で抗った。
「ばかやろー、てめーぶっころすぞ!!!!!」
 と胎児・旬は思った。
 腹を叩く手になんとか体をよじって逃げた胎児。たまに手足で防御した。
 …長い戦いだった。
 生まれてからの病院の天井。どーでもいい看護師、ベビーシッター。
 見たこともない万里子。そういえば自分もどんな顔してるか知らない。
 たぶんアホ晃に似てるんだろう。アホ晃の顔。嫌そうな顔。
 気味悪そうに俺を抱っこしたバカ親父。そんな晃も死亡か。
「ひどい人生だ…。」
 いいこと何もなかった…なんて考える生後約2ヶ月弱の乳児。
 晃は夢の中で愛する妻・万里子を追いかけていた。
 真っ暗な海、何故か海の中を走り回る晃。
「まりこー、どこだよー、俺を置いてくなよー。」
 精神年齢5歳の晃はめそめそ泣き、万里子を探して歩いているが突然背中に樽を
 背負っていると気づいた。その樽の上には怒った顔の赤ん坊が乗っている。
「重いー、なんだこれ?」
 しばらく歩くと晃は背中に白の国産車を背負っていると気づく。
 その車の屋根には赤ん坊がはりついて寝ている。
 赤ん坊の顔はやはり怒ったまま。暗い砂浜を車を背負って?歩くという不思議な夢。
「重い、マジ重い、助けてー、万里子おー、帰ってきてくれー。」
 背負った車の重みで晃は潰され、車の上の赤ん坊は少し皮肉に笑った。
 高い熱を出し、何度も寝返りを繰り返し、うーん、うーんと悪夢にうなされる晃は
 泣きながら目覚めた。
「まりこぉー。ぐす、ぐす。」
 精神年齢幼児の晃は枕を涙で濡らし、時計を見る。
 夜8時??朝はどうした?やべえ、寝過ごした??
 昏睡状態だったと焦った晃は目を覚ますとゲホゲホ咳き込みながらベッドから
 起き上がり、パジャマの上にセーターを何枚も着込み、
 大きいマスクをし、着込んだセーターでもこもこになって、台所によろよろ向かった。
 湯沸かし器のお湯でいい加減にミルクを溶かし、ミルク瓶を手に子供部屋に入る。
 暖房は点いているので暖かいが、いつもと違って随分静かでなんだか動かない赤ん坊
 がベビーベッドで仰向けで寝てる。




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桐生親子の育児録ー5 パパ抱っこ…なんて言わねーよ!!!

January 07 [Wed], 2015, 11:22
 朝昼晩とミルクをあげてない赤ん坊は随分小さく縮んだ気がする。
 旬はすっかり泣き疲れ、お腹が空き過ぎて寝入っていて部屋の物音に気が付くかず
 息も細くなって寝ていた。
 旬の子供部屋が夜になってやっと開いたのに全然気づかない。
 晃は上から赤ん坊を見下ろす。大人しいと猫の子に見える。
「メシだぞー、すまん、風邪引いて寝てた。遅くなったな。」
「……。」
「旬、ほら。」
 晃が旬の頭を撫でる。それで旬は目を覚ました。
 電気と晃の声に反応し、小さくなった旬が閉じていた目をふるふる開ける。
「ほらメシ。」
 それは晃というモコモコ怪獣、やって来たもこもこ晃に旬は大きな目をキラキラ
 輝かせた。
「ばぶ…(あれ?晃生きてた。)」
 くりっとお目目を大きくさせた素直な表情は晃が見たことのない顔だからむしろ
 怪訝な気分だ。
「なんだ?なんか顔が違うよーな?ま、いいか。」
 大きな晃の両手が旬を持ち上げて、胸に抱っこし、晃の顔を旬はじっと見上げる。
 晃はミルクを旬の口に当てるとお腹が空きまくった旬は嫌がらせをしないでコクコク
 大人しく一生懸命飲みだし、飲んでる間もじっと晃を見つめた。
「うん?」
 やっぱ変だな、腹空き過ぎて元気ないのか。
 なんだか晃は胸に抱くこの生き物が自分の子供なのか、と不思議な気分を感じた。
 別段これで二人の距離が縮まった、なんてことはないが、
 晃なりに頑張った正月。旬を抱く手もだいぶ慣れたようだ。
 赤ん坊を抱っこして、赤ん坊も大人しくしていると、結構ちゃんとした親子に見える。
 旬にミルクを飲ませて、おしっこで冷えた旬をベビーバスで洗って、オムツを替えて
 着ぐるみも換えて、全部終わると晃はその場に倒れてぐーすか眠った。
「(おい、親父、風邪悪化するぞ?)」
 パパ抱っこなんて永遠に言わない旬だが、病気で倒れた晃にちょっとだけ心が揺れた。
「ばぶばぶ。(パパ…。)ばっぶぶぶぶ。(なんて言う訳ねーだろうがクソがーっ!!)」
 素直になれない旬と瀕死の晃の正月が終わったが、
 ベビーシッター兼ハウスキーパーが来ても晃は風邪でしばらく自宅療養になり
 旬が普段はおしっこ攻撃もウンチ攻撃もゲロ攻撃をしないのを知って、
 やっぱりわざとやってたんじゃないかと晃は不気味な気持ちになった。
 こうして旬の生まれて初めての晃とのお正月が終わった。
 報復はイマイチだったがその後も旬は懲りなかった。




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昔かいたの。イメージ違うかな〜。どうしよう〜。
P R
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