凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー205 せめて一回やらせて

December 01 [Mon], 2014, 12:08
「待ってくれ…あの女の子の名前を教えてくれ……。」
 弱々しい声で訴える旬に高子は意地悪に答えた。
「知らない。知ってても教えない。」
 それを聞いて旬はムカついてさっさと立ち上がる。
「チッ、サイテーだ。バカ女め!」
 旬がフツーに立ちあがったので順番でまわそうと喜んでいたスタッフがびっくりした。
「高子、クスリ入れてないのか?」
「ちゃんといっぱい入れたよー。」
「飲んだフリしたんだ。気付かないお前が馬鹿なんだ。」
 バカな高子に教える旬。しかし欲情しすぎたスタッフは我慢できなかった。
「くそー、みんなで抑えろ。」
 いかにもひ弱そうな奴らが一斉に襲ってきたが当然旬の敵ではない。
 軽〜く、それぞれの顔にキックをヒットさせると簡単にスタッフはビビり、
 高子は感動した。
「嘘、矢上、強い。素敵。」
「そう俺我慢してただけだから。高子から聞いてない?俺芸能界デビューやめたんだ。」
スタッフたちはほとんど悲鳴のように喚いた。
「ええー、うそだろ、もう番組編成されてるぞー!!」
「知らない、とっくに伝えてあるのに貝原が言わないんだろ。とにかく俺はもう一般人。
 一般のそれも未成年にわいせつ行為をしたら逮捕だぞ。いいのか?」
 旬はそういうと、ふんっと、お座敷をとっとと立ち去った。
「くそー、矢上はやめるって言ってるじゃないか。」
「でも、社長が何とかするって。」
「馬鹿女、お前の面なんてもう見たくない。」
「えー、準レギュはー?」
「ないない、実は最初っからない。」
「なんでー?」
「お前ブスだもん。もう体にも飽きたし。矢上を捕まえる為の嘘。」
「ひどーい。あたし可愛いよ、ぶすじゃないー。」
「ぶーす。ぶーす。」
 番組スタッフ達はもはや高子が下着を見せて誘っても無視して出て行ってしまった。
「うわあああ――――――――ん。ぶすじゃないもーん。」
 高子はお座敷に座り込んでずーっと泣いていた。
 旬が繁華街をぶらぶら歩いているとさっきのスタッフ達が追いかけて来て駆け寄る。
「矢上!待って。やめるなんて言うなよー。もったいなさすぎるよ。」
「嫌だ。」
 可愛すぎる少年の後ろを大人がゾロゾロついてくる。
「なんでだよ、金入るぞ。何十億ってこれからお前の懐に入ってくるんだぞ。」
「いらねーよ。」
「スターだぞ。スター。誰だって夢見てる。」
「俺、地味に生きたい。」
「畜生、せめて一回やらせて。」
 背中でおっさんや兄ちゃんがエロイ熱を送ってくる。
「ちっ。それしか考えてないのか?」
「やらせろ。」
「舐めさせて。」


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凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー206 合気道師範との再会

December 03 [Wed], 2014, 12:00
 居酒屋を出て夜になってきた繁華街を歩いていたが帰るかと駅に向かって歩く旬の
 後ろからずっとわいせつな言葉を浴びせる気色の悪い兄―ちゃん達にたかられて
 うんざりしていると向こうから警官一人と
 複数の中年がグループになって中学生、高校生の青少年の補導の為に見回りしている
 ような連中を見つけたので、やってきた夜回りグループに旬は走って行った。
「おまわりさーん。」
 一見すると細身で超可愛い旬は保護する対象に見える。
「なんだ?」
 旬は弱々しい少年を演じて後ろにいる変態たちを怖そうに指差した。
「あの人たちテレビ局のスタッフで、僕にやらせろ、舐めさせろっていうんです。
 僕怖い。」
 旬に指を差された20人の兄ちゃん達は警官を恐れて全員走って逃げた。
 どたどたと走って逃げる大人の集団を旬は嘲笑う。
「ふん。一般的には犯罪なんだっつーの。」
 しかし、向こうを向いて皮肉な笑みを浮かべる旬に見回りグループの後ろのほうから
 一人の中年男性が驚いた声音で声を掛けた。
「桐生!お前何してる?」
 警官と同行している地域の見周りの中に旬を知る者がいた。
 その男は半そでにズボンだったが、普段旬は深い蒼の袴、道着のイメージが強く
 一瞬その顔を見ても合気道師範とすぐには重ならなかった。
 そしてその顔が師範だと気づいて旬も驚いた。
「え?あ、師範!!」
 旬の大きな黒い瞳に懐かしい顔が映り、思わず笑顔が綻んだ。
「驚いたな!お久しぶりです師範!!」
 そう言って側に寄った一瞬時間が過去に飛ぶような錯覚を旬と師範の両方が感じ、
 二人は同時に自分たちの周囲の世界から浮遊するような感覚に陥った。
 道着を着たかつての旬と師範、互いを睨み緊張した関係だった過去。
 きつい眼光の幼い旬の姿を重ねながら師範は旬に近寄り見下ろす。
「桐生お前、アメリカに行ったんじゃなかったのか?」
 がっちりした50歳後半の男は旬が小学一年から5年通った合気道の師範。
 精悍な顔立ち、しっかり筋肉のついた大きな身体。
 真面目で常識を重んじる師範は古い父性の象徴を思わせる。
 正直旬は生意気だったので、この師範を見下し、旬と師範は不仲だった。
 実父・晃は父親というよりは兄、旬が面倒見てやらなければならない晃は
 兄どころか弟の様な存在。
 昔の父親像に近い師範に旬は激しく反発したが父という存在への憧れや憎しみが
 師範に向けられたからかもしれない。
  


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師範、覚えてる〜〜?総司とタイプは同じだけど、総司と違って旬が思い切り反抗したおっさんよ。

凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー207 和解・変わったな、桐生…

December 04 [Thu], 2014, 11:53
 師範にとっても門下生であれほど反発した子供はこれまで旬一人しかいなかった。
 どれほど力で抑え込もうとしても反発し、逆に師範の底の浅さを嘲笑った子供だ。
 今成長した旬をじっと見つめて深い感慨を受けた。
 旬は背が伸びていたし、凄く美しくなっていたが、師範にとっては反抗し続けた
 弟子、合気道を暴力に使って汚した少年、全身からピリピリした怒りや悪意が
 溢れているようなそんなイメージが強い…しかし…。
 その旬が師範に素直な笑顔を向けて応えている。
「ええ、アメリカに行きました。もう大学卒業して、9月から大学院です。
 それまでの休暇を利用して日本に遊びに来てます。でももうすぐ帰ります。」
「…そうか。その年で大学院か!凄いな。しかし、お前?高校行ってるのか?」
 旬の服装やカバンを見て師範は不審な顔をした。
「はい、三カ月ほど日本の高校生活って奴を体験したくて、××高にコネで入りました。」
 天才・桐生がこの地域でも有名な不良高に行っていると知って驚いた。
「なに?あの学校は不良校じゃないか?どうして…ああ、そうか隣の女子高か?」
 誰でも頭の良い旬がわざわざ不良校に入った理由が分かるようだ。
 旬が照れて真っ赤になってヘラヘラしていると師範は驚いた。
「…お前、変わったな桐生…。昔の毒がない。」
「はい。おかげさまで。僕今遺伝子工学の権威の博士の下で学んでいるんです。
 凄く素晴らしい方です。僕に思いあがる心を忘れさせてくれます。
 僕、昔の事を考えると恥ずかしいです。師範にも失礼をした。」
「…桐生…。いや、私もお前の言う事を考えさせられた。
 お前は私の本質を見抜いていた。大人げなかったのは私のほうだ。」
 旬と師範は長年の軋轢を打ち消し、今笑顔を向けられるようになっていた。
 憎みあった二人が穏やかな笑顔を相手に向けている…。
 すると携帯が鳴り渡り、慌てて旬が出ると総司が怒鳴っている。
「桐生君!今何処だ?門限の8時を過ぎている。早く帰りなさい!迎えに行くか?」
「いえ、大丈夫です!はい、急いで帰ります!」
 旬は慌てて師範に礼をして立ち去ることにした。
「僕の師の弟さんなんです。今時なんと門限8時です。目を離すと危ないって、
 年中僕が悪さしないよう見張ってます。」
 目を離すと危ない、もちろんそれは被害者ではなく、
 加害者として何をするかわからない危険。
 


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凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー208 破門撤回

December 06 [Sat], 2014, 11:52
 その気持ちが師範にはよく理解でき、電話の向こうで怒鳴っていた保護者に
 昔の自分を重ねて電話の人物がそれは気が気じゃないだろうなと同情すると共に、
 やはり桐生は本質的には変わってないんだなという妙な可笑しさが
 こみ上げて師範は大きく体を揺らしてわっはっはっはと笑った。
「はっはっは、さあ、もう帰って安心させてあげなさい。」
「はい、失礼します師範。」
「ああ、またな。」
 そうして和解した師範は繁華街を駅のほうに向かって行く旬を穏やかな表情で見送った。
 しかし、その後ろ姿を見て何かを思いついたらしく旬を呼びとめた。
「桐生、ちょっと頼みがあるんだが。」
 声をかけられ旬も振り向く。
「?なんですか?」
 師範が再び近寄り、旬も自然と師範に近寄って、顔を見上げた。
「うむ。実は私の道場で今週末に演武大会が模様される。出場する門下生を選んでは
 いるが正直私としてはまだまだ恥ずかしいレベルだ。
 私の門下生の中で桐生、お前が最も合気の技を完璧に身に着けていた。
 今更だが、再び我が道場に復帰し、演武に出場してもらえないだろうか?」
 破門にした門下生を再び復帰させる、中々ない話だろう。
 旬は思わぬ師範の提案に驚くと共に、昔練習に励んだ記憶を懐かしく思い起こし
 もう一度道場で練習やってみたいと興奮した。
「合気道の演武!久しぶりだ。懐かしい。あの雰囲気は清浄でした。いいですよ。
 いや、よろしくお願いします。」
 旬は軽く礼をし、師範に感謝を示した。師範もかなり嬉しそうだ。
 幼い旬のあまりにも素晴らしい才能に感動した想いがこちらも過ぎる。
 それこそ極初めの頃ではあるが、この子ならいずれ道場を任せられる程に
 成長するだろうと師範は期待した瞬間がある。
「本当か!助かる!では早速明日からお前の型を見よう!」
「ええ、ありがとうございます師範。俺最近嫌なことが続いたから、
 そういうマトモな世界が恋しい。やらせて頂きます。」
 芸能界は旬には合わない。やはり旬は普通の男でいたい。
 旬と師範はそれで笑顔で握手して今度こそ別れた。
 嬉しくホテルに戻って、旬は総司に報告した。
「今日は僕が通っていた合気道の師範と再会しました。破門を撤回してくれました。」
 総司はそうした人間関係のあれこれに一切興味がないので、右から左に聞き流す。
「ほう、そうか。」
 旬は久しぶりに道着を着れるなぁとわくわくし、道場に向かう前に新宿の武道具店で
 道着を買って行こうと考えた。
 次の日、旬は4年ぶりに合気道道場に顔を出した。
 旬が通った道場は日本家屋の古式ゆかしい造りで広い練習場の畳のかぐわしい匂いを
 嗅いで懐かしく感じた。
「懐かしい。清浄な空間だ。」


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凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー209 道場復帰←桐生がいるっ!!

December 07 [Sun], 2014, 10:53
 旬が黒い袴に着替えて、型練習をしている所に顔を出した旬を知る門下生達は
 その姿に全員驚いた。
 静かな道場で袴姿で華麗に舞う少年がこちらを向いて、嬉しいよりまさかの
 危険人物の姿に皆仰け反ったり、逃げ腰というか、やや後ろに体を引いた。
「き、桐生?!!」
「桐生だ!」
「まさか?破門になったはずだ!?」
 他の門下生達が喚いたり呆けたりして旬を見るのに旬は爽やかな笑顔を向ける。
「やあ、久しぶり。」
 しかし門下生達は旬を恐れていたのでイマイチ嬉しくなさそうに目を逸らした。
 旬に対し美しく可愛い美少年という印象は門下生にはない。
 その顔を見れば怖い、という想いが優先されて目を合わせるのさえ恐々避けた。
 旬と一緒に習っていた仲間は旬に叩きのめされたり
 腕を折られたり、さんざんな目にあったからだ。
 大人しそうに見えても猛獣だとよく分かっているので恐怖でみんな道場の隅で固まった。
 相変わらずビクビクしやがって、それだからイラつくんだよ。
 とは思いながらも大人になった旬は怒りもせずに、
 背筋をピンと伸ばして中央に座して師範を待った。
 奥から師範が道場に出てきて正座して待つ旬に頷いて話しかける。
「来たな、桐生。では早速見せてくれ。」
「はい、師範。」
 旬は立ち上がり、畳の真ん中に道着袴ですっと立つと、小さい頃と違い身長も伸び
 均整取れて美しいのでまるで絵のように美しい。
 旬は選ばれた演武の相手に礼をし二人は組み合った。
 旬の手足からしなやかに繰り出される技は完璧な型を保ちそれはまるで舞踏のようだ。
 掛け声の度に技がかけられ組んだ相手が倒される。相手が整うのを待って再び技を
 かけ、旬が師範の修練で身につけた全ての技を師範に見せた。
 長い間合気道から離れたはずだが、旬の動きには無駄や迷いが一切見えず、
 密かに自分で技が劣らぬように修練していたのだろうかと師範に感じ入らさせた。
 演武が終わり一礼すると、師範は感動して言った。
「完璧だ!美しい!」
「ありがとうございます。」
 頭を下げて礼をする旬の姿はとても素直になったように見える。
 



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