さあ世界を征服しよう!−81 因縁

February 02 [Wed], 2011, 11:54
「いや〜!やめてやめてやめてーっ!」
 いい悲鳴を聞いて満足した旬は獲物をなぶるのをピタリとやめた。
「くだらん。お坊ちゃんの妄想にマジキレした俺が、恥ずかしい。」
 旬は乱れた髪をぱサッと手でかきあげ整えるととっとと教室に向かった。
 旬が離れるとハンスはボコボコにされた自分のプライドを掻き集めるように
 急いで立ち上がり服や髪を整えた。
「はあ、はあ、…おのれっ…!」
 しかし、生まれて初めてボコボコにされたハンスはその眼に怒りの炎を燃やし、
 その眼はこの少年も普通の子供ではないなと思わせるほど憎悪に満ちている。
「この侮辱…決して許さん…キルユー…必ず貴様をころしてやる!」
 旬についていこうとしたが振り返ってハンスの様子を見ていた晃とロバートは、
 その金髪少年の旬への尋常でない憎悪の眼差しを見てまた不安に陥った。
「あいつ、旬に何もしなきゃいいんだが。」
「心配しすぎるなアキラ。」
 ロバートは気にする晃の肩を優しく抱いて大学構内へ押し歩いて行った。
 横嶋は旬がいなくなるのを待ってからハンスに話しかけた。
「おい〜。金髪口曲がり、さっきの話の続きだ〜〜〜。世界をお前どう征服する?
 お前の開発した特殊合金とはどんなもんだ?それでど〜して世界が征服できるう〜?」
 金髪少年は怒った。
「失礼だぞ!わたしは金髪口曲がりではない!ハンスと名前を呼んでくれたまえ!
 今度そんな言い方をしたら特殊合金は使わせないぞヨコシマ!
 私の特殊合金があれば宇宙船すら開発出来る!宇宙船を作り宇宙空間から攻撃すれば
 世界を征服できる!」
「なんと〜〜。俺もまさにそれを考えていた〜〜〜〜。確かに俺には宇宙船を開発する
 能力がある〜〜〜〜。てめえ実はマジだったのか〜〜〜〜〜〜。」
 ハンスは気分を切り替えて本来の目的に意識を集中した。
「ふっ、当然だ。お前の反重力理論を読ませてもらった。
 わたしの特殊合金と組み合わせるならお前の理論を実現できるだろう。
 だからあんな使い物にならんキルユーではなく、このわたしと組もうと言ったのだ。」
「よ〜〜し、お前と組もう〜〜。そして桐生は世界征服の暁に……へっへっへっ。」
 しかしハンスは思った。
 このヨコシマに宇宙船を作らせたら用済み、さっさと始末しよう。
 そして先程この高貴な天才である私に暴行を働いたキルユーも、死刑にしてやる!
 ハンスは生まれて初めてされた暴挙を許さないと心に決めた。
 さっきの生意気な小僧が恐怖で泣き騒ぐ様をテレビで公開してやる!
「ふっふっふっ。」
「でへへへ。」
 ハンスは笑い、横嶋も笑った。二人の笑いはしばらく止まらなかった。

 今日もみっちり講義が終わって夕方の帰り道。
「桐生くーん。」
「あっ、せんせえー。」
 いつものように頬を染めて嬉しそうに甘栗の側にタタタタッと駆けって行く旬。
 その姿を見て晃は朝のハンスとの喧嘩を思い出し、旬にとって甘栗がどれだけ重要な
 人間か思い返した…甘栗さんは旬がこの世でまともに生きてける救いのロープを
 唯一投げてくれた。…そう思った晃は神妙な顔でロバートに話しかける。
「ロバート…俺…変な話、死んでよかったかもしれない。」
「どうして?」
 ロバートは晃が意外な事を言うので驚いてすぐ聞き返した。
「俺、生きてた時あの甘栗さんを嫌って追い返したんだ。
 何度も何度も旬を引き取りたいってこの俺に頭を下げてきたのに……。
 俺、甘栗さんに殴り掛った事もある。こんなにいい人にだぜ…。俺が生きてたら…、
 きっと旬は甘栗さんと引き離した俺を恨んで本当にヤクザになってたかもしれない。」
 ロバートは晃の告白を聞くといつも何かを深く感じ入るようだ。
「お前の言う通りかもしれないな…。生きてても間違い続けていたかもしれない。」
「………。」
 甘栗に嬉しそうに甘える旬を後部座席で見ながら晃とロバートはそれぞれの物思いに
 耽った。
 家に帰ると旬はなんだかそわそわしていた。
 実は横嶋が朝言った、親睦を深めるにはお肌のぬくもりが一番を聞いてから
 もっと先生と親睦を深めたい……と思い、一緒にお風呂に入ってみたくなったからだ。
 この家には風呂が部屋ごとにあるが他にも凄く広く3、4人で入れそうな大きさな風呂がある。
 今日も夕飯を作ってから二人でもぐもぐご飯を食べる旬は恥ずかしくて
 もじもじしていた。子供っぽいと思われるかな…4、5歳のガキじゃあるまいし…
 面倒くさがられるかな…。
 そうやってもじもじしていると甘栗は何かがわかるのだろうか?突然旬に話しかける。
「ねえ、桐生君、
 ここの奥の大きなお風呂って入ったことないけど今日二人で入ってみようか?」
「えええーっ、僕今それ言おうと思ってたんです!」
 旬はほんとにびっくりした、どうしていつも先生は僕の気持ちがわかるんだろう?
 でもそれは今日旬が帰ってからずっと奥のバスルームを見ている事に気が付いていた
 からなのだが…。甘栗はにこにこし、旬もにこにこ喜んだ。
 しかし晃は突然ドキドキして青ざめて慌て始めた。


にほんブログ村 脚本・シナリオ
いつもありがとうございます。
数日のブログ村の障害で、毎日読みの皆様が
ブログ村を経由していると初めて知りました。
どうしてすぐ更新したのわかるのかな〜?って思った謎が解けました。(^^)
…。
実は…今回の障害で以前から携帯だけでなくPCも
村のOUTが反映してなかった事も今回知りました。
モジモジ…。ウーンコ!

さあ世界を征服しよう!−82 やっちゃう??父・晃困惑

February 03 [Thu], 2011, 11:49
「ふ、風呂ってまさか…甘栗さんついに風呂にかこつけて本性表すんじゃ…。」
 晃は風呂場で甘栗がなにかいやらしー事するんじゃないかと慌てふためいた。
 さあ、おいで桐生君。
 は、はい…。
 晃の頭にモヤモヤと可愛い顔で求めに応ずる旬が見える。
 先生、僕…先生ならいいです…優しくしてください…旬が頬を染めて目を閉じる。
 あ…あ…。旬の声が聞こえる様な聞こえない様な。
 晃もさすがに甘栗だと想像しにくいらしくチャプチャプ揺れるお湯は妄想できるが、
 お風呂の中でくっつく二人が見える様な見えない様な…。
 頭を抱え身体を折り曲げて停止する晃にロバートが声をかける。
「どうしたアキラ?」
 するといきなりロバートの両肩をガッシと掴んで晃は涙目で訴えた。
「なんて事になったらどーしようロバートー!」
 ロバートの顔に?が浮かぶ。
「何がだ?」
「あの二人があんな事しちゃったらどうしよう!」
「…お前の頭の中では今二人はどういう事になってるんだ?」
 どうやら何かいやらしい想像を巡らせている様だとロバートは穏やかに尋ねるが
 晃は再び頭を抱えもしもの時どーしたらいいんだと悩んだ。
 旬は甘栗さんには絶大な信頼を寄せてる、
 もしかしたらあの旬も甘栗さんが望むならと…あああ、どーしよう、
 でも旬は甘栗さん以外の人間と居れば必ず殺人事件を起こしてしまう…。
「でも、仕方ないのかなー。どうしよー。どーしよー。」
 こればっかりは目をつぶった方がいいのか…晃がぐるぐる頭を悩ませているうちにも
 旬は嬉しそうにお風呂を洗いお湯をいっぱいためて準備をする。
 このバスルームも全面ガラスの向こうにセントラルパークが見え、
 広い大理石のローマ風のお風呂から良い景色が眺められる。
 先代の甘栗の父が自分好みに改装した日本人好みのお風呂だ。
「お湯入りました〜〜〜。」
「はーい、いまいくねー。」 
 甘栗と旬はいそいそとお風呂場に行くと服を脱ぎすっぽんぽんになった。
「ああー!どーしよ――――っ!」
 いよいよ旬が体験しちゃうのかと晃は天井に向かって叫んだ。
「先生、お湯熱くないですか?」
 旬が腰にタオルを巻いてお湯の温度を手で確かめると
 甘栗も側にやってきてお湯に手を入れる。
「大丈夫、桐生君が熱かったらぬるくしていいよ。」
「僕熱いの好きです。」
 晃から見て裸の二人が密着して見えてうわーっと飛び上がった。
「やべえ―――――っ!やっちゃうのーっ??やっちゃうの―――――っ???」
 天井まで飛んで、向きを変え床に突っ込み、飛んで跳ねて飛んで跳ねて…騒がしい男。
「アキラッ!落ち着け!」
「だってー!だってー!俺の子がー!」
「大丈夫だ、あの二人に限ってなにもあるわけがない。」
「だってー!だってー!」
 呆れるロバートに涙で訴えながら今度はバスルームの床を左右にゴロゴロ転がる。
「アキラ…お前…。」
 まるで3歳の餓鬼…そういえば出会った瞬間からうるさかったな。
 ロバートは目の前で転がる晃をどうしようもなく困った顔で眺め眉間を抑えた。
 いつ甘栗が本性を出すかと空中を飛びまわり、ロバートに呆れられ迷惑そうに
 見られながら床を転がっていた晃の心配をよそに二人はお湯の掛け合いをしてる。
「ははは、桐生君、背中洗ってあげるよ。」
「はい、僕が先に先生のお背中お流しします!」
 二人は笑顔でお風呂から出て洗い始めた。
 旬は思った。先生にもっと好かれたい!がんばるぞ!
 そして甘栗の背中をタオルではなく旬愛用の垢擦りで
 これでもかというように必死でこすった。


にほんブログ村 脚本・シナリオ
いつもありがとうございます。
ああーどうしよう!どうしようー!
パカラッパカラッヒヒーン
   気持ちを落ち着けるにはエッチが一番です!
   さあいますぐゲイクラブの個室へ行きましょう!
でてくるんじゃねーよ!ブァーロー!!!

さあ世界を征服しよう!−83

February 05 [Sat], 2011, 11:31
 ガシガシガシ、甘栗の背中から垢が出てくると
 旬はもっとキレイにするんだとやる気が上昇し、燃えた。
 桐生君のおかげでさっぱりしたよありがとう、と先生に褒めてっ貰うんだ!
 ガシガシガシ!ガシガシガシ!一心不乱に甘栗の背中をこする旬は意識がトンでいる。
「あああ、痛い、なんか痛いよー桐生くーん!」
 甘栗が悲鳴を上げた時すでに遅く甘栗の背中は一面皮が向けて血が出ていた。
「ああああああああ、せっせんせえええええー、ぼく〜〜〜〜!」
 旬と甘栗は急いで背中の治療するためにバスルームから出て、
 晃も転がるのを止め二人のあわただしい様子に顔が驚いている。
「あれ?どしたの?」
 甘栗をリビングのソファーに座らせると旬は救急箱を取り出し消毒薬や傷薬を
 甘栗の血だらけの背中に塗るが申し訳なくて涙がこぼれる。
「うう、ひっく、すみません…ほんとに僕…なんてことを…。」
「ははは、気にしないで。桐生君はなんでも一生懸命だからね。
 でも楽しかったね。また一緒に入ろうね。」
 甘栗は優しかった。
 甘栗の背中を治療した後も涙が止まらない旬の頭を何回も撫でてくれた。
「せんせえ……。」
 旬は甘栗の肩に頭を置いて泣きながら、甘えた。
 甘栗は旬が甘えてくれると凄く嬉しい。
 お肌のぬくもりで旬と甘栗の親睦は更に深まったようだ。
 晃が心配するような不潔な考えは甘栗には一切全くない。
 完全に本物の父親として我が子を愛するように接してくれている。
 馬鹿げた思いで甘栗を見てしまった自分の下卑た考えを晃は恥じ、甘栗に頭を下げた。
「俺ってつくずく駄目だ。ほんとにすまない。甘栗さん。」
 晃の側にいて呆れながらも理解しようとするロバートが肩を叩く。
「アキラ、あんまり自分を責めるな。シュンに罪はないがあんなにキレイな顔じゃ
 心配事が増えるのも仕方ない。それもお前が父親だからだ。」
 晃はロバートに感謝しその優しい顔を見つめた。
「ありがとうな、お前はいつも俺を救ってくれる。」
「アキラ、それは違う、お前の悔やみの言葉は俺の悔やみの言葉。
 お前が苦しむたびにこの俺こそ救われてるんだ。」
「…?どういう意味?」
 晃は意味がよくわからず聞きなおしたがロバートは黙ってしまい答えなかった。

 旬と甘栗、晃とロバートが親睦を深めているとき横嶋はハンスの屋敷に来ていた。
 マンハッタン島から橋を越え工場地帯を超えて小1時間車を走らせた、
 ニュージャージーの高級住宅街の中、緑豊かな木々に囲まれた赤茶の煉瓦張りの
 イギリス風邸宅に招かれた横嶋は、屋敷内の豪華な調度品をジロジロ見廻したり
 唾をつけた指で触りながら唸った。
「うお〜〜〜、てめえも金持ちか〜〜、畜生〜〜俺んちは貧乏だああ〜〜〜。」
「ふん。」
 ハンスは屋敷を羨ましそうに見まわしながらついてくる横嶋を鼻で笑い、
 広い玄関ホールから歩いてさらにずーっと奥の部屋に連れて行った。
 大きな部屋のドアに着くとハンスはコンコンとノックし、
 しかし返事を待たずドアを開けて中に入ると早速本題に入った。
「パパ…父上、わたしです。以前お話した、ヨコシマを連れてきました。」
 その部屋はハンスの父親の部屋だった。
 ドアを開けた向こうには一人の中年男性が窓際に立ってゆっくり振り返る。
「おお、ハンス、そうか、彼がロボット工学の天才?」
「はい、使える男です。」
 ハンスは父に近寄り、父は後ろについて部屋に入って来た横嶋を見た。
 ハンスの父親の風貌はハンスによく似ている。
 ハンスをそのまま中年にしたような口が曲がった嫌味な人を見下した目で見る
 金髪の親父で、横嶋はこいつも感じわり〜〜とねめつけた。
 ハンスの親父はゆっくり横嶋に近ずき手を差し出した。
「私はハンスの父、ヨハン・サム・ソングだ。よろしく。」
 親父の名前は短かった。
「パ…父上、今日もの凄くムカつく奴にあったんです。」
「なに?」
「シュン・キルユーという奴です!このわたしに暴力を振いました!」
 父親の側に寄って口をとがらせる息子・ハンスにヨハンも険しい顔をする。
「なんだと?私の可愛い息子になんて事を。今度パパが懲らしめてやろう。」
「はい。パ…父上!」
 それを聞いていた横嶋は睨みつけながらズイッと前に出て大げさな態度で訴えた。
「待て。桐生に何かしたら俺様が許さん〜〜、協力はしないぞ〜〜〜〜〜。」
 ヨハンが驚き尋ねる。
「何故だ?どうでもよかろう他人の事など。」
「駄目だ〜〜〜。俺は世界を征服したらあいつを自分のモノにすると決めているんだ〜。
 もしあいつの顔や体に傷がついたら俺の楽しみが無くなる。絶対駄目だあああ〜〜。」
 ハンスとヨハン親子は顔を見合わせてクスリと笑った。
「いいだろう、君がそのキルユーが欲しいなら、まあ、手は出さん。
 さあ、こちらに来てくれ。私の息子が開発した特殊合金を見せたい。」
 横嶋は促されて広い壁一面の本棚の前に立った。
 ヨハンが本棚の本を一つ取って何かを押すと壁の本棚が壁半分動いて開いた。
「おお〜〜〜〜、なんか本格的じゃ〜ね〜か。」
「ふふふ。」


にほんブログ村 脚本・シナリオ
いつもありがとうございます。
ヨハン・サム・ソング、この名前を記憶している方に
5万ペンギンポイントを差し上げます!なんちゃって〜。

ばーぶっぶぶ!(誰も覚えてねーよ!)

さあ世界を征服しよう!−84 超兵器構想

February 06 [Sun], 2011, 11:33
 ヨハンが横嶋を手招きすると本棚の後ろには広くて白い殺風景な部屋があり、
 その真ん中に箱形の機械に挟まれて妙な物体が浮いていた。
 白銀に輝く一見するとアルミの板の様なもの…それが浮いているのだ。
「おお〜〜、これが特殊合金か。」
 ハンスと一緒に横嶋が浮く金属に近寄るとそれを触ったり舐めたりし、
 ハンスは見下した態度で汚そうに腕で押しやりそれを制した。
「そうだよ、この特殊合金は僅かな電流を流すと浮き上がる素材だ。」
「なるほど、電流を切るとその辺に転がるわけか。」
 ハンスはふんと笑い、黙って側にある箱型の機器の何かのスイッチを切った。
 するとカラーンと白銀の板は落ちた。
 横嶋は珍しく静かな動作でその特殊合金の板を再び持ち上げて触る。
「軽い…。」
「そうだ。それ自体が実に軽く、電磁力に反応する。
 この特殊合金ならば地球の重力を超えられるだろう。」
 ハンスは口の端をわざとひん曲げて意地悪く笑って見せた。
 そのハンスの側に立って包むように肩を抱きながらヨハンは横嶋に穏やかに
 続きの話をした。
「私の息子は天才だ。この子のおかげで私の夢が叶うかもしれない。」
 そういうヨハンの目を横嶋はギラリと睨みつけて薄く笑った。
「浮いた板を動かせるかどう〜かはこの俺様次第だぜ〜?」
「おお、そうだとも、ヨコシマ君。君の才能があって初めて我々の悲願が達成する。
 なんと言ったかな?重力…。」
「反重力理論と光子エネルギーリレーションシステムです父上。
 説明してくれないかヨコシマ。」
 横嶋はそれまでの横嶋と同一人物とは思えない知的な表情でスラスラと説明を始めた。
「エネルギーは光子をいかに運動させるかが決め手だ〜。俺様は単純に考えたのさ、
 物質から電子を叩きだしその電子を光子に変換させる、
 変換した光子を激しく運動させて連鎖的に光子エネルギーを増幅させるシステム。
 俺様の凄いところはこの大気を使う点だ。」
 と言って周囲の空気を掴むそぶりをした。
「この空気の水素と酸素を分解してエネルギーを作ろうなんてまどろっこしいこと
 じゃあないぜ〜。吸い込んだ酸素から電子を叩きだし生まれたプラズマエネルギーを
 種火にどんどん電子を光子に変えてデカイ波長と量を生み出し、
 変えた光子の塊にどんどん次の酸素からのエネルギーを注ぎ込んで
 ドーンッ!」
 横嶋は腕で何かが飛び出す様を演じて見せニヤッと不敵に笑った。
「莫大なエネルギーが飛び出して全部消えてなくなる。ど〜だすげえだろう!
 おまけに核兵器と違ってクリーンなんだぜ〜、俺様親切う〜〜〜〜。」
 武器以外に転用が出来ないこの理論があれば恐るべき新兵器ができる。
 ヨハンとハンスの目が異様な輝きを帯びる。
「素晴らしい…。それが実現するための準備をしよう。
 私は化学工場と兵器製造の下請け工場を持っている。
 兵器開発に必要な物のほとんどを発注して集められる。」
「マジか〜。お前らマジで世界征服やる気なんだな〜?おもしれえ〜。」
「世界征服。」
 ハンスが冷静な声で反復した。
「そう、世界征服だ。」
 ヨハンもそう言いながら脳裏に長いウエーブのかかった黒髪を纏う
 完璧に整った顔に今にも泣き出しそうなキラキラの黒い瞳を見ている。


にほんブログ村 脚本・シナリオ
いつもありがとうございます。
ポヨヨ〜ン。アゲポヨ。
ばぶばう(何語だ晃?)

さあ世界を征服しよう!−85 女神を奪いたい男

February 07 [Mon], 2011, 11:35
 あの麗しい女神のしなやかな身体を抱いたあの瞬間の喜び、
 そしてあの平凡以下の男に奪われた絶望。
 今やあの小王国に閉じこもり我が女神の顔を二度と見ることさえ出来ない。
 しかし小王国を破壊し我が愛する女神を奪い取る…。
 この馬鹿な男を使えば私の夢が叶う。
 ヨハンは世界を征服した暁にこの世で最も愛する女を奪い取ろうと願い、
 ハンスは人間達を完全に管理し完璧なルールを与えようと考え、悦に浸った。
 そして横嶋は世界征服したあと捕まえた旬をベッドで体中触りまくる妄想を抱き
 涎を垂らした。
「ふふふ。」
「はははは。」
「ふは〜〜ははははっははははははは。」
 三人は顔を見合せて悪意いっぱいに笑った。
「いや、ハハハ、いや本当に、ハハハ。」
 ヨハンが身体を折って手で横嶋の肩をパンパン叩いて笑いだし、
 ハンスも横嶋もなんだか可笑しくて可笑しくて笑いが止まらない。
「へへへっへへへへへ〜〜〜でへへへへ〜〜〜。」
 よほど楽しかったらしく笑いが止まらない3人はそのまま小一時間
 息が止まりそうになるほど笑い続けた。
「ヒーヒヒヒヒヒ!アッハッハ、クーククク!!!」

 次の朝。
「いってらしゃ〜い。」
「行ってきまーす。」
 旬、晃、ロバートが今日も笑顔で手を振る。
 旬は甘栗の車を見送ると横嶋がどこかから現れないかと左右を素早く
 サッ!サッ!と見回し緊張した。
 しかし今日は横嶋は現れなかった…。
 ところが次の日も現れず、その次の日も……。
 緊張して身構えていたがアレ?今日もいないんだアイツと拍子抜けした。
 そのうち旬は飽きたのかな?と思ってやっと安心して勉強に励んだ。
 その間横嶋は何をしているかというと、宇宙船開発の為の設計で籠っていた。
 というか籠らされていた。
 ダダ広い殺風景な部屋には一応トイレもバスルームも空調も付いているが窓がない。
 広ーい牢屋みたいな所の便所でウンコをしながら横嶋はぼやいた。
「気が付けば体よく軟禁されているうう〜〜〜〜。おかしい〜〜〜〜?何故だあ〜〜?」
 横嶋は旬を想った。会いたい。会いたい。会って思い切りタックルしたい。
 横嶋は本棚の後ろにいるであろうヨハンのおっさんに怒鳴った。
「出せ〜〜〜出してくれ〜〜〜、気分転換しなけりゃ頭が働かない〜〜〜。
 だいたい俺んちの母〜ちゃん、父〜ちゃんが心配してる〜〜、一度帰るうう〜〜〜。」
 すると天井のスピーカーからヨハンの声が響く。
「安心し給え、君のご両親には君が我が家でアルバイトをしている、
 一週間に一度は帰るからと伝えておいた。喜んでいたよ。静かになるって。」
「あのババア〜〜〜〜〜。」
 横嶋は母親が自分を悪い子だと決めつけていると恨んでいた。
「ちょっと待て、もう一週間経ってるだろ〜、返せ〜、会いたい〜桐生に会いたい〜〜。
 桐生〜アイラブユ〜!アイミスユ〜!アイニードユ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「む?そうだったかね?」
 ヨハンはカレンダーを見た…そういえばいつ来たんだったかな?
 などと無頓着な感じで。
「ふむふむ、そうか確かに昨日が休日だったか。これは気が付かなかった。
 すまなかったね。」
 ヨハンが本棚の裏の部屋のドアを開けると横嶋が足元もヨロヨロと歩いて来る。
「そ、外だ〜〜〜。」
 横嶋はげっそりやつれ目の下にクマができていていた。
「週給を上げろ〜〜、すげ〜〜ストレスだ〜〜〜、休日も周三回にしろ〜〜〜〜。」
「考えておこう。」
 ヨハンは横嶋の目の前で分厚い財布から札を取り出し封筒に入れて
「さ、お給料だよ。」
 と無造作に渡した。
 横嶋は慌てて差し出された封筒を奪い取ると目を剥いて札の数をひ〜ふ〜み〜と数え、
 結構な大金が入っているのを確認してうほほ〜いと飛び上がって喜んだ。
「かっ金〜〜〜、今すぐ姉〜ちゃんを買いに行くぞ〜〜〜。パコパコするぞおお〜〜〜。
 いや〜〜。まずは桐生の顔を見よう〜〜〜。顔を見てからパコパコしよ〜〜〜〜〜。」
 横嶋は二つの欲望に悩んだが、
 急いで屋敷を出ると旬の居る大学に猛スピードで車を走らせて行った。
 ヨハンは隠し部屋に入り横嶋の描きかけの宇宙船設計図を手にとってうっすら笑った。
 久々外の空気を吸って吐いて車で大学に着くと横嶋は喜んで旬を探した。
「桐生〜〜〜。」
 学生が教室で静かに勉強しているとドタドタという騒音とともに横嶋の大音声が響く。
「おおお〜〜〜〜〜〜〜、き、きりゅううう〜〜〜〜〜〜。」
「げっ、よ、横嶋?」
 旬と、空中でふわふわ飛んでいた晃・ロバートが驚いて同時に言った。


にほんブログ村 脚本・シナリオ
いつもありがとうございます。
うお〜〜〜、俺様軟禁され中〜〜。
ばぶ。(アホだな)

鬼の面 仏の面を 付け替えて 闇に舞い 狂う舞舞台

P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:sibaenn
読者になる
https://yaplog.jp/sibaenn/index1_0.rdf
2011年02月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28
月別アーカイブ