凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー34 胸の痛み、晃の面影…

March 24 [Mon], 2014, 12:46
 晃とロバートの様子を観察していた横嶋はやはりもしかしてと疑いの眼差しを送る。
 晃とロバートは同時に横嶋を睨み、
「誰がホモだっ!!」
 と、同時に声を揃えて二人の美しい友情をけなした失礼な横嶋に殴る蹴るの
 暴行を加えて名誉を晴らした。
「オ〜〜〜〜〜〜〜〜ノ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
 旬には見えない聞こえないが横嶋と晃はプロレスを続けロバートがカウントを取った。
 部屋で一息ついてから旬はさっそく総司の待つ社長室に直行した。
 ホテルの木々が並ぶ庭園から隣の甘栗本社ビルに向かう。
 甘栗本社ビルは高層ホテルよりは低いが立派なビルで、ビルのロビーもカッコイイ。
 旬は早速受付で総司に繋いでもらおうと思ったが、子供相手に受付のお姉さんは
 やんわり取次ぎを断った。
「チッ、話ししとけよ、しょーがないな。」
 仕方なく旬は総司に電話をかけた。
「僕です。受付で止められてます。」
 少しして総司の第一秘書が降りてきて、受付のお姉さんは焦って立ち上がり
 子供の旬に深くお辞儀をした。
 総司の第一秘書・村田は既に60近い年配で背が高くどっしりした体格の落ち着いた
 男性で甘栗兄弟の父親・甘栗泰三に長く仕えた仕事の出来る男である。
 それから社長室に案内され秘書・村田が社長室に旬の到着を知らせるのを旬は待った。
「社長。桐生君が到着しました。」
 総司は頷いて仕事の手を止めた。
「うむ。」
 総司が立ち上がって迎ようとしたところに村田に促されて旬が入ってきた。
 外の景色を背景に立つ総司の顔を見て、久しぶりに見るその顔に少なからず旬は
 動揺し、胸がきゅっと痛んだ。
 サラサラの黒髪、役者にもモデルにもなれるだろう美形のその顔は、
 旬の亡き父・桐生晃にそっくりであり、本当に似ていると旬は改めて見直した。
 晃…。
 顔はそっくりだが、晃の持つ明るさが微塵もない総司はちょっとした
 嫌がらせのような存在だ。
 最近の晃は動物に入るのは大変だし、トイレも恥ずかしいから入りはしないで
 旬の側でゴロゴロダラダラしているだけ。
 そうなるともう晃の存在は分からず、旬からするとそもそも本当に犬に晃が入って
 いたのか、たまたまだったのかがあやふやで自分を愛していなかった晃は、
 助けに来たと自分が勝手に思い込んでいただけでとっくに自分の側には
 いなかったんじゃないかと、取り残された気分があった。
 しかし、旬の心の中で晃を思い出さないようにしていても目の前の
 総司の顔を見れば強く晃が湧いてくる。
 ぐっと胸に迫る想いを旬は隠して落ち着いた表情で総司に微笑んだ。
「ほう。」
 総司の方は以前より背が伸びスラリとした肢体と少し大人びて美しくなった旬に
 感心し、子供の成長は早い物だとこちらも微笑んだ。
「お久しぶりです、総司さん。」
 総司も優しく微笑んで、やって来た旬の前に立って、晃よりも背が高い総司が
 立って見下ろした。
 甘栗総司と旬が並ぶと桐生晃と旬の桐生親子を知る人物ならば誰でも驚くだろう。
 横嶋も今驚いている。



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