桐生親子の事件録αー0 3歳児・旬、年末大掃除デビュー

December 31 [Mon], 2012, 11:45
 今年もたくさんのご訪問ありがとうございました。
 来年も皆様のご訪問をお待ちしています。m(−−)m
 また年末年始に桐生親子の事件録を復活しちゃいます。
 お手すきにでも読んで頂けらた嬉しいです。
 皆様良いお年をお迎えください。


 東京都内、晃のマンションでは現在3歳児の旬が、年末の大掃除に立ち上がった。
「おれはキレイな部屋で新年を迎える!!」
 晃がベビーシッター兼ハウスキーパーを雇わなくなってからは家中ゴミやら
 片ずけられない洋服やビール缶やら溜まりに溜まった埃で旬は体がかゆくなった。
 晃に言ってもちょっと片しただけでキレイになったと言って、ゴロゴロしてる。
 ダラダラと休みは転がっている晃に旬は小さな足を広げて小さな腕を組み
 可愛く仁王立ちして怒鳴った。
「てめえの目は節穴か!この部屋のどこがキレイなんだ!!」
 そう言って指で埃をすくって見せる。
 旬の足元でデカイ大人の晃はマグロの様にデロ〜ンとして言う。
「めんどくせーしー。ガキには分からないだろうけど仕事仕事で俺は疲れてるんだよ。」
 実際には遊び疲れだ。旬はもう晃を当てにしないと決め、ちょこちょこ片ずけを
 するようになっていたが、新年を迎えるに当たって完璧を求めた。
「この汚い部屋で新年を迎えはしない!」
 まだ赤ちゃん声が残った旬は口はニヒルぶって決意を表明する。
 まだ3才だ。小さな身体で立ち向かうには大きな試練が今始まった。
 タタタとまずはリビングから晃の寝室の床中に散らばる晃の服を拾って歩く。
 洗濯機は全自動洗濯乾燥機。旬は踏み台に上って何回かに分けて洗濯をはじめ、
 その間にゴミをゴミ袋につめ、あっちこっちに適当に置かれた物を
 取り合えずソファーテーブルに集めた。
「ふ〜、疲れるな〜。」
 旬はもう汗だくで小さなお手手で額をぬぐう。
 物は埃が付いていて、動かすたびにゴホゴホむせる。
「ハウスダストめ!!」
 やっと床に邪魔な品物がなくなると掃除機を出した。
 実は初操縦だ。電気コードを引っ張って、チョコチョコ歩いてコンセントに入れる。
 ここで感電したらアウトだから、慎重にコンセントに差し込む。
「よし、運転開始だ。」
 スイッチを入れ、長いホースを持つというより抱きしめて、音を出す掃除機の本体を
 引っ張りながら走り出す。
 幼児にはかなり本体は重い。床を行ったり来たり何回か往復し
 晃の寝室、書斎も旬はキレイにしようと頑張った。
「いて。」
 ホースをうまく持てなくて落としたりゴツンゴツンとあちこちに当たった。
 その合間に洗濯物の入れ替えをし、途中転びそうになるのを堪えて次の洗濯物を
 入れる。正直事故が起きたらあの世行き。家事は幼児には危ない仕事だ。
 再び床をキレイにし、何時間後には旬はクタクタになって床に仰向けで倒れた。
「キツイ…。」
 3歳児はしばしお昼寝し、目を覚ますと掃除機を片して、テーブルにある物を
 定位置に戻そうとしたが背が低いので置けない物が多く、仕方なく客間に隠した。
 バスルームに行き、トイレをブラシでこすり、風呂場で裸になって
 ゴシゴシ磨いてからシャワーで流したついでに自分もシャワーを浴びた。
「ふ〜、フロはさすがに危ないからあきらめよう。」
 浴槽は旬の身に余る。旬は無茶だが今回は諦めて、それでも一人でシャワーも
 危なっかしいが浴びて、とりあえず生きて戻った。
 それから旬は花を飾ろうと、外に出て近所の花屋に行った。
 花屋の前で万札をヒラヒラさせ命令する。
「正月にいい花を揃えろ。」
 3歳児がおっさんの様な偉そうな態度で注文し、
 花屋の姉ちゃんはクソガキの不遜な態度に笑顔で耐えて花を用意した。
 両手いっぱいに持って家に帰った。
 ソファーテーブルに置いた花瓶に花を飾り、おれってやっぱり天才だ、
 と出来上がりに感心し、ふふふふふとご満悦で笑う。
 すっかりキレイになった我が家で乾燥が終わった洗濯物をたたんで
 晃のベッドに並べた。
 すっかり夜だが新年を迎えるカウントダウン前に十分間に合い、
 バカ親父の帰りを待って、テーブルに突っ伏し疲れきって眠った。
 晃はクリスマスパーティーや忘年会で毎晩遅い。年末の今日もすっかり酔っ払い
 フラフラで帰ってきた。
「ああ〜〜、人生ってグルグルだよね。」
 毎度の飲みすぎで目が回る、なんとか家に辿り着き、鍵を開け、部屋に入ると
 無事に帰れて安心したのか楽しそうにグルグル回りながら
 旬が寝てるリビングに入ってきた。
 晃が帰ったと、そのガタガタドンドン言う音で目を覚ました旬が、
 キレイになった部屋の感想を期待したが、晃は全てがグルグル回って何も見えない。
「ああ〜〜、誰か俺を止めてくれ〜〜〜。」
 晃はわざわざ両手を広げて回転している。
「あ!晃!!やめろ!!」
 晃はクルグル回転しながら部屋中を歩き回り、
 小ちゃな旬が取り押さえようとしても怪獣みたいなものでどーにもこーにも。
 回転しながら晃はテーブルに激突、花はぐちゃぐちゃに散らばり、
 せっかく置き直した品物をガチャガチャ落とし、
 最後に派手に胃の内容物を吐き散らかし、部屋中を汚しまくって……
 寝た。
「がーごーぐー。」
「晃ああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 てめええ、いい加減にしろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 来年こそは晃をころす!!旬は来年の抱負を決めた。


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今年も色々あったな。
ばぶ。

桐生親子の事件録−晃の初夢・万里子が100kg越えたなら

January 01 [Tue], 2013, 11:20
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 東京都内にある晃の自社ビル11階。社長室で晃は仕事の合間の息抜きに
 ゲームで遊んでいる。
 ドアが開いて友人の副社長が入ってきた。
「晃、また遊んでるのか?ちゃんと働けよ、お前が社長なんだぞ!」
「働いてるよ〜、もうすぐモンスターを蒲焼にするんだ。」
「あほ。書類をここに置いておくからちゃんと目を通してハンコ押すんだぞ。」
「わかったー。」
 ブツブツ言いながら友人ズが出て行くと入れ替わりに美人秘書が入ってきた。
「社長お手紙です。」
「うーん?」
 と言って振り返り美人秘書の持つ緑のA4サイズの封筒を見て凍りつく。
「う、そこに置いておいてくれ。」
 美人秘書はデスクに置いて晃を熱く見つめたが晃は封筒に視線が釘すけで
 目を合わせないので美人秘書は目を吊り上げて出て行った。
 社長室に人が居なくなると晃は恐る恐る緑の封筒に手を出そうとする。
「ああ、怖い…。」
 この緑の封筒は晃がロンドンで雇っている探偵でずっと密かに万理子の動向を
 調べさせていたが、ハイツファイザーと結婚報告以来、中身を見るのが怖くて
 中々開けられなくなってしまった。
 不安なのは万理子の妊娠。晃は自分との間に生まれた旬以外に子供が出来たら
 もう死んじゃいたい、と乙女に悩んでいる。
 だからこのいつもの定例報告とは違う日に封筒が来ると、ついに来たか??と
 心臓がドキドキ止まりそうになるのだ。
 怖いよ、怖い…なんでこんなに俺を苦しめるんだよ万理子。
 晃は心臓を抑え、冷や汗をたらたら流し、緑の封筒を手に取った。
「待てよ。」
 晃はもしもの時すぐ窓からダイビングしようと考えて内線で友人ズに電話をした。
「なんだ晃?」
「あのさー、飛び降りる時さー、靴ってぬぐけど、アレなんでか知ってるか?」
「知らねえ。書類見たら電話してくれ。」
「知らないのか。そうか。」
 電話を切って少し悩んだ。靴、どうしよう?
「まあ、いいか。」
 それでもう一度封筒を手に持って大きく息を吐いて吸って、吐いて吸って、
 それから開けて中を見た。
 すると中に引き伸ばされている写真が入っている。
 その写真を見て晃は飛び上がった!!!
「嘘!!マジいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!??」
 そしてその場に跪いて神に感謝した!!
「俺の願いが届いたんだ!!神様ありがとおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
 その場でガッツポーズを繰り返し、飛び上がり、一人で歓声を上げていると
 さっきの副社長が入ってきた。
「晃うるさいぞー。モンスター捕まえて嬉しいのはわかるけど
 社員に示しがつかないから静かにしろよ。」
 晃は友人ズに飛びついた!!
「見てくれ!!見てくれよこの写真!!お前どう思う!!?」
 晃が差し出した写真は100kg超えて太った万里子が映っている。
「誰?」
「万里子だよ!!」
「万里子さん!!!嘘だ!!そんな馬鹿な!!」
 友人ズも万里子に憧れている、その万里子がまんまるく太って友人ズは嘆いた。
「幻滅だ。こんなの万里子さんじゃないよ〜。」
「よっしよし!!そうだよな!!そう思うよな!!よっしこれならイケル!!
 俺ちょっと旅行行って来る!!」
 晃はとりあえずパスポートを手に走り出した。
「晃!!旅行ってどこ行く気だ!スケジュールに入ってないぞ!
 仕事はどうするんだ!!」
「万里子を迎えに行ってくる!!」
「はあ??」
「今がチャンスだ!!伯爵も王子も万里子を見捨てるはずなんだよ!!」
 晃はそう言いながら社員があっけに取られる間にとっとと会社を出て行った。
 自社ビルの駐車場で愛車に乗り込むと旬に電話をかけた。
「俺だ、ちょっと出張入ったから!帰りはわからない。
 いいか旬、待ってろよ!!帰ったらお前、絶対に驚くからな!」
「は?何言ってんの?」
 電話の向こうで憮然とする旬に言うだけ言うと携帯を切って空港に爆走した。



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あけおめー。
ばぶ。

桐生親子の事件録ーあと100kg肥えても愛してる!!!(必死の求婚)

January 02 [Wed], 2013, 11:24
 15時間後、晃は小王国の空港ターミナルに立っていた。
「万里子、俺が迎えに行くから、待っててくれ。」
 空港を出てタクシーに乗って小宮殿へ向かい、深い森を走って、
 遂に小宮殿に到着する。
 タクシーを降りて門の前で晃は悩み、それから上った。
 ガシャンガシャンと門によじ登りなんとか上まで辿り着いたが、
 監視カメラで門を上ってくる怪しげな不審者を見た門番が血相変えて走ってきた!
「泥棒!!察呼ぶぞ!」
 そうして門番は激しくガタガタ門を揺らして侵入を阻止する。
「うっわああ、危ねえ!!泥棒が昼間っから堂々とこんなことするか!
 俺は桐生晃!万里子の元夫だ!万里子に伝えてくれ、迎えに来たって!!」
 門番は頭のおかしい男が来たと警察と屋敷の女主人に連絡した。
「アキラとかいう変質者が門を上ったので警察に連絡しました。」
「まあ。」
 万里子は本物かしら?と驚きながら門番にそちらに行くからと伝えた。
 風船のようなお姿の万里子がぷくぷくしても可愛い顔で屋敷を出て行った。
 門の前で晃は開けろ開けろと喚き倒している。
「俺は犯罪者じゃねえ!!万理子を迎えに着たんだ!それだけなんだ!!」
 門番と騒いでいると可愛い声が聞こえる。
「晃なの?」
 ドキッ!!!と心臓がドクドク激しく高鳴り、晃はその声のするほうを見た。
 ぽてぽてポヨンポヨンと全身を揺らしながら歩いてくるのは、
 ウエーブの掛かった長い黒髪、古代ローマ風のドレスははち切れんばかりに
 膨らんだ万理子だ!!
「万里子!!」
「晃、どうして?」
 万里子は太った姿を恥ずかしく感じて身体をぷよぷよの手で隠そうとした。
 柔らかな茶髪が風に揺れる晃と、
 風船のように膨らんだキラキラの瞳の万里子は互いを見つめあった。
 門が開けられ、晃が中に入ると、万里子と11年ぶりの再会。
 ぽよんぽよんの万里子が不安そうな目でこちらを見ている。
「わたし…こんなに太ったわ。もうみんなわたしから去ったわ。」
 やった!!やっぱり今が口説くチャンス!!太った万里子はもう俺以外に
 相手にしてくれる男は居ない!!
「そうだろうと思って俺はお前を助けに来た!俺はお前を見捨てない。
 俺はお前を愛してるんだ!!」
 晃がそう宣言すると万里子は大きな瞳でじっと見た。
「晃…からかってるの?」
「わざわざ日本から15時間かけてからかいに来るか?
 お前が一人ぽっちになって路頭に迷うんじゃないかって俺は…。」
 晃はそう言いながら万里子に近寄り、上から見つめた。
「愛してる。別れた事を死ぬほど後悔してきた。」
 晃の瞳に万里子が、万里子の瞳に晃が映る。
「こんな…わたしでいいの?」
 晃は必死で訴えた…このチャンスを逃したら俺は一生後悔する!!
「お前が後100kg太ってもお前を愛してる!!!本当だーっ!!
 俺は思い知らされたんだ!俺はお前が居ないと駄目なんだって。
 俺と暮らしたらいくらでも食っていいぞ!旬は料理が得意なんだ!
 旬が作ってお前が食べる!仲良くなれるよきっと!
 お前が必要だ!もう一度やり直そう。
 旬と親子三人で幸せになろう!もう一度結婚してくれ!!」
「晃…。」
「万里子…。」
 晃は万里子を抱きしめてそして口付けをしようとした。
「むぎゅう。」
 万里子の風船のような顔が晃を包み、むぎゅうむぎゅうと押して
 晃はしあわせ〜〜〜〜っと酔いしれた。
 そのうちなんだか息が苦しくなってきたが、もう二度と万里子を離すものかと
 晃は決意し、ギネス記録を超えようと頑張る挑戦者の如く万里子と長い長い
 口付けを交わし続けた。
「む、むむむ、うううううう。」
 晃は苦しそうに息をしようともがいている。
 現在、3歳児旬が晃の顔にお尻を乗っけて復讐している。
「おれの苦労を台無しにしやがって!!」
「く、くるしい、むぎゅうむむ。は、離さないぞ〜〜〜。」
「??なんか変な感触がする??」
 旬は晃の顔に乗っけたお尻が吸われてる気がしてげげっ、と唸る。
 振り向くと晃が旬の柔らかいお尻に吸い付いて離れない。
「や、やめろバカ親父!!」
 今度は晃の口から逃れようとするが、晃の両腕で小さな身体を全身捕まれて
 旬は逃げられない。
「離れろ、ばかやろおおおお!!変態馬鹿くそ親父〜〜〜〜!!」
「はなさないぞ〜〜〜…むにゃむにゃ。」
 年末から年始にかけて今年もうまくやっていけそうもない晃と旬。
 しかしこれは二人が同時に見ている夢だった。
 現実にはニューヨーク・セントラルパーク側の高級コンドミニアムの
 甘栗の居ない家で、晃と旬は一つのベッドに並んで眠り昔の夢を見ている。
 ベッドで晃も旬も騒いでいる。
「まりこ〜〜、まあるくて可愛いい〜〜〜〜。」
 晃は風船にキラキラのお目目の万里子にキスをし、
 旬は晃に抱きつかれる夢を見て唸った。
「離せ、馬鹿親父〜〜〜〜〜!!」
 ベッドで抱き合う桐生親子だった。



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俺は本気だ!!
ばぶばぶばう(俺は万里子専用お抱えシェフかっ!!)

桐生親子の事件録−旬悪夢・小学校辞めて万里子の世話で大迷惑

January 03 [Thu], 2013, 11:23
 晃と万里子は小さな教会で再婚し、全ての性欲処理女に旅行先でメールを送信した。
「俺、万里子と再婚したから、バイバーイ。」
 女専用携帯はボキッと折って捨てた。
 一斉送信メールを受け取った女たちは怒り狂い毎日晃を出せと会社に殴りこみ
 晃の自宅にも電話を掛けまくった。
 旬は毎日毎日変な女から固定電話に掛かってくるからコードをぬいた。
「何やったんだ晃のアホが。」
 ストレスでギスギスする旬、旅行に行って1ヶ月、女からの電話もならなくなった
 ある日晃はやっと帰ってきた。
「おどろくよ〜。」
 晃がそう言うが動じる気はなかった旬の目がびっくりして大きく開いた。
「ナニコレ?」
 目の前にはウエーブのかかった長い髪にキラキラの瞳がうるうるしてる
 風船のような万里子がいる。その万里子を抱え切れなさそうに腕を回しご満悦の晃。
「驚いた?万里子だよ〜。俺たち再婚したから今日から親子三人だ。」
 晃は満面の笑顔で旬にそう言うと早速お願いした。
「悪いけど万里子がお腹すかしてるからさあ、なんか作ってよ?」
 11年ぶりの母子の対面は数秒であっさり終了、旬は頭をひねりながら
 台所に立って冷蔵庫にあるもので色々作った。
 キッチンは今の万里子には狭いからと晃は風船と化した万里子を
 ベッドルームに連れて行く。
「まだ昼だぞ。」
 旬はイライラしたがとりあえずできた飯を寝室に持っていき、
 寝室をノックする。
「開けても大丈夫か?」
「いいよー。」
 何しろスケベキングだ。もう早速なにがしかの状態じゃねーの?
 と疑う旬は目つきも悪く伺うが、中で二人は暑苦しくイチャイチャしてる。
「ここに置いとくから。」
 手早くベッドサイドテーブルに並べて出て行くと晃が追いかけてきた。
「これから万里子の身の回りの世話を頼むよ。」
 晃は天才・旬が小学校をウザイと思っているのを知っているので行かなくていいよ
 と朗らかに許した。親失格。
 万里子が過しやすいようにしてやって、そうお願いして寝室にイチャイチャしに戻る。
「アホが。」
 こうして小宮殿での快適な暮らしをできるだけ旬に再現させようと晃は思い、
 それから旬は万里子の食事と家事で忙しくなった。
 万里子はポヨンポヨンの身体でじっと旬を見つめた。
「なんだよ。もう腹減ったのか?おやつは手作りドーナツでいいか?」
「…………。」
 うるうるのキラキラの瞳で何も言わずに旬に自分の要求をわかってもらいたがるから
 旬は晃の世話だけで大変なのにもう一人バカデカイ赤ん坊が出来たみたいで疲れた。
 家にはマ○コ・デラックスならぬマリコ・リラックスがいる。
 晃は万理子の為に今まで生活費5万円だったのを100万円にした。
 旬は家の掃除、洗濯、買い物、6食の食事とおやつ作りとへとへとだ。
 毎日家に万里子がいるので晃は異常に早く帰宅する。
 昼11時に社長出勤し、夕5時前に帰ってくる。OLより早い…旬はムカついた。
「やれば出来るじゃねえかこの野郎。」
 晃は昔は万里子に外に出ないようにお願いしたが今では他の男に取られる心配が
 なくなって外に旬と一緒にお散歩に行っていいよという。
「俺の仕事が増える。」
 王様と女王様に仕える下僕の気分…とりあえず毒殺を考えた。
 ブツブツ言いながらも万里子の健康を考えてお散歩に連れて行く。
 ぽよんぽよんと歩く万里子の足の速度に合わせながら良い天気の下、親子でお散歩。
 旬の後ろを静かについてきた万里子が小さな声で旬に言った。
「旬…ごめんね。」
 旬はちょっと驚いた。少しだけ微笑んで、ぶっきらぼうに言う。
「気にすんな。」
 それからは話はしなかったが、旬は十分幸せになった。
 公園に着くとちょっと休憩しようと思った。
 ベンチの半分を万理子が占領する隣で並んで座る、するとそこに女がやって来た。
「う、やべえ、刺客だ。」
 旬はニガイ思い出が蘇り、万理子を守ろうと構えた。
「万里子さん、死んじゃってー!!」
 過去で何回も見た光景、晃の女がナイフをかざして突進するのを旬が合気道の技で
 倒す、しかし一人が倒れると次の女が現れる。
 そのうち一斉に女たちが登場。旬は万理子に近寄らせないように女を倒す。
 女は倒されるとわんわん派手に泣き出し、もう保育園で幼児が一斉に
 泣き出したみたいになって旬はナニコレ?と悩んだ。
 万里子は後ろでポテチを食べながらうるうるした目で旬の闘志?を見守って?いる。
「忙しいぞー!!」
 焦っている時に携帯がなった、出ると晃が喚きだす。
「今さ、気が付いたんだけど、世の中にはデブ専がいるから、マジでヤバイから
 やっぱ万理子は外に出さないでくれ!」
「俺はいま忙しいんだよ!」
 きゃーきゃー泣き喚く女を倒して忙しい旬はふざけるなと携帯を切ったすぐに
 今度は男達が現れた。
「万里子さん!」
「マリコ!」
 ムカツク金髪野朗も登場し、現れた男たちは万里子を囲み、
 旬はそいつらからも万里子を守り、なんだか公園は大量の男女で溢れ帰り、
 そのうち警察と救急車がけたたましい音を鳴り響かせて到着、
 野次馬とテレビカメラもやって来て、押すな押すなの大騒ぎになった。
 顔なじみの警官が説得する。
「桐生、これ以上を犯罪を繰り替えすな!大人しく出頭しろ!」
「俺は被害者だあー!」
 騒ぎの合間に風船にキラキラの瞳の万里子は脅えた顔で男たちに囲まれている。
 旬はもう人間にもみくちゃにされながら叫んだ。
「離せ、万里子、逃げろ〜〜〜!!」
 などという夢を見て旬はベッドで汗だくでうなされている。
「離れろー、逃げろー!!」
「万里子〜、愛してる〜。」
 うーんうーん、悪夢にうなされる旬の横で晃はヘラヘラ笑っていた。
 真夜中ベッドでうなされ、旬が何度も寝返りを打つその頃
 旬のいるコンドミニアムの家の玄関を音もなく静かに鍵を開けて侵入する者がいる。
 暗い部屋の中を静かに音をたてずそっとたくさんある部屋の一つにその影は消えた。



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旬の思い出から、晃の願望、それから晃の夢を受信して違う夢に編集する旬の悪夢。
そして現実の、世界を征服しようへ戻るのだす。
本当は昨日で終わりだったんだけど、続きが思いついちゃって書いちゃいました。(^^)
桐生親子の事件録だからやっぱり最後は事件で終わらないとね。
3歳児旬の大掃除の話と晃が万里子を迎えに行く話は後で思いついて本編ではかけなかったんだよね。
でも晃は結局会う勇気を持てないか、万里子に追い払われるオチをイメージしてたの。
今回かけてすっきりしました。
ばぶばぶ(夢だったのか)
夢…だったのか…がっくり…。

桐生親子の事件録ー母の日に万里子の手料理

January 01 [Wed], 2014, 13:12
 あけましておめでとうございます。(^^)
 2014年もよろしくお願いいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 東京都内、晃と旬が暮らす某マンションの旬の子供部屋では旬がうなされていた。
 晃がある日風船の様にまあるく膨らんだ巨大万里子を連れ帰ってから、
 小学校を辞めて、(デカすぎる)赤ん坊の様に何にもしない、というか出来ない
 万里子の世話を朝から晩までする夢だ。
「俺っていったいお前らの何?」
 と呟いて目を覚ました。
 ぼや〜っと目を開けて、いつもの自分の部屋の天井を見つめてホッとした。
「夢だな…。」
 万里子が激太りする訳ないし、晃が連れて帰るわけもない。
 ほっとしながら立ち上がると天井に頭が付いた。
「ナニコレ?」
 下を見ると何故かベビーベッドに立っている。
「俺、ベビーベッドは卒業したぞ?」
 ベビーベッドで頭を捻りつつ、ぽんっと飛び降りた。
「飯食うか。」
 そう言って台所に行こうとしてふと気が付くと、旬の部屋は部屋と言うより
 リビングやキッチンや玄関を通る通り道にあるプライバシーがテキトーな部屋で
 そのリビング側の扉が少し開いていて、なんだか大きなまあるいものが
 旬の目の端に映った。
「あれ???」
 輝く様に白い風船、もといデブ・万里子が立っている。
「夢じゃなかった…。」
 万里子は大きなキラキラの瞳をうるうるさせて何も言わずに旬を見つめている。
「腹減ったのか?」
 こくんと小さく頷く万里子。
 何で何も言わずに見てんだよ。起こして飯作れって言えばいいだろう?
 旬の悩みは万里子が自分の要求を口に出さずに旬に空気で察して貰いたがる点だ。
 お陰で旬は余計なエネルギーを費やさずにいられない。
 とはいえ本当の赤ん坊ではないのでオムツを変える心配はなく、とにかく食事。
 朝、昼前、昼、昼後、おやつ、夕食、夜食と旬はまさに朝から晩まで献立の
 組み合わせを考え作り続ける毎日だ。
 その合間に掃除洗濯だけでなく万里子を散歩に連れて行き、
 晃曰くデブ専の誘いや誘拐を阻止しろというガードマンの役目まで付いた。
「ふざけんな。」 
 母親が戻ってきて、感動も争いもないまま手のかかるガキ二人の面倒を見る
 羽目になったと嘆きながらも、万里子の世話をなんだかんだしている旬は
 根は超マザコン。
 静かにテーブルで待つデブ・万里子の前に手際よく朝食を作り、昼飯まで食べさせて
 かわいい口でパクパク食べる万里子を眺める旬。
「食べ終わったな?」
 こくんと頷く万里子。旬は皿を洗い始め、万里子に茶を飲ませていると
 万里子が話し始めた。
「旬、あのね、今日は母の日なの。」
 皿を洗う手が思わず止まった。
 母の日??母親らしいさゼロのお前がまさか俺に母の日のプレゼントを
 要求する気なのか?
 納得いかない旬はちょっと待てとブツブツ言っているが万里子は続けた。
「だからね、今日はわたし、旬の為にお夕食を作ろうと思ったの。」
 まあるい万里子がキラキラの瞳で微笑む。
 旬は再び怪訝な気分になった。
 ちょっと待て?母の日だから、お前が俺に手料理??俺の立ち位置はどこだ?


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また来てね
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