デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー398 やっぱりカッコイイ

December 05 [Thu], 2019, 10:01
 一途すぎる旬は、5歳の時に恋をした少女に会いたくて毎日毎日公園で待った。
 雨の日も、風の日も、嵐の日も。1年たってやっとあの幼い子はここに住んでいないんだと
 気づき絶望した。旬の心に優しい光を残していった少女を小学6年生になったある日
 見つけてそのまま後を付けた。生まれて初めて飛行機に乗ってまで後をつけて少女の
 住む家を見つけた。家の中を覗いているところをお巡りさんに声をかけられて逃げ出し
 山で遭難しかけたが助けてもらってみゆきと知り合いになれた。
 好きで好きで、憧れた光でできた少女。なにの旬はまともに見れず、声も出せなかった。
 迎えに来た晃と一緒に帰る朝、別れ際にみゆきから貰った白い花は旬の宝物になったのに…。
 みゆきの純粋な光は旬にはふさわしくないと、旬は恋を諦めた。
 それでも好きで、遠くからだけでもいいから見たくて、盗撮してしまった。
 そうした旬の病んだ恋心をみゆきは知らないで優しい笑顔で旬を再度照らした。
 
 また会えたね…旬君。
 みゆきからあふれてくるキラキラキラキラ輝く光。光でできた、光の子。

「みゆきちゃん。愛してるよ。」
 こんな俺を忘れないでくれた。覚えていてくれた。俺の救い。光の子…。
 旬が最愛の少女を想って名付けた組み換え細菌の冷凍保存容器を抱きしめて愛に耽っていたら、
 凍っているから冷えてくしゃみをした。
 ぐずぐずしないで甘栗先生に言われたことをしなければと、
 「みゆき」を解凍し、培養を始めると甘い香りがしてくる。
「甘くて、花みたいで、いい匂いだ。」
 独特の甘い香りは美味しそうでもあり、ミョーな魅力がある。
「この匂い、香水にしたら売れないかな?」
 食べたり飲んだりしたら変身するから利用不可だが、香水なら香りを抽出するだけだし
 売り出してヒット商品にできるかもと考えながら発酵するのを待った。
 ピンクの泡がぷくぷく出てくる。
「可愛い。」
 まずケースを5個用意し、発酵させた「みゆき」をマウスに感染させるとすぐ
 強化プラスチックケースに閉じ込めて逃がさないようにした。
 5ケース全部に感染マウスを入れて1時間ほどすると小さなマウスは変身を始めた。
 旬は大きな瞳をキラキラ輝かせて、マウスがその形を変えて細長い手足に、クモのような
 形に変身するのを夢中で見ていた。
「カッコイイ…。」
 感染マウスを作るだけで時間が来てしまい、濃縮薬の計算をしていた甘栗が迎えに来て
 二人はニュージャージーのクリアフューチャーの地下倉庫に車で向かった。
 川辺に近い場所にある秘密の地下通路には歩いていくため、車は途中のクリアフューチャー
 開発局で停車させた。先にスミスが来ているようで、スミスの車も停車している。
 地下倉庫に行く方法は通路に行く方法と、旬の社長室の秘密のエレベーターから行く方法が
 ある。そういえばあそこには横嶋が仕掛けた罠がまだついているはずだ。
 取り外せと言ったが、取り外したか確認していない。レーザーで攻撃してくるから
 甘栗先生が危ないと、結局今日も地下通路から行くことにした。
 地下通路の複数の扉を開けて陰鬱な地下倉庫に着くとやはりスミスが先に来ていた。
 三日ぶりでここに終結したが、
 殺風景な倉庫には今はマッドは居ない。あの化け物がいないだけで平和な気分だ。
「タイチ、さっき私も来たばかりだ。ちょっとこれを見てくれ。」
 机の上に何か変な物があった。





人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村










  • URL:https://yaplog.jp/sibaenn/archive/2042
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:sibaenn
読者になる
https://yaplog.jp/sibaenn/index1_0.rdf
2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
月別アーカイブ