デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー393 晃の推理

November 24 [Sun], 2019, 10:02
「ここで俺の目が覚めたんだ。」
 マイケルが暴れた大橋がすぐ傍に見える川辺。晃は自分が倒れていたあたりを足で踏む
 ようにして、ここに自分は倒れていたとロバートに説明した。
 それから後ろを振り向き、晃は大橋を指さして言う。
「すぐそこから俺とマイケルは落っこちて川から這い出てすぐのここに上がったんだと思う。」
 本当に落ちてすぐ近く。ほぼ移動していなかった。ロバートは不思議そうな顔だ。
「俺は何度も繰り返しこの当たりを飛んでお前を探したが、マイケルもお前の姿も見えなかった。
 この川辺も歩いてみたのに。警察だってここを調べているのを見た。
 何故俺だけでなく他の人間までもマイケルを見落としたのかが分からないよ。」
 ロバートは腕を組んでいる。晃も冷静な判断をするロバートが見落とすわけがないと思った。
「確かにこの辺りはそんなに見え難いって程でもないよな。木も間隔があるし、
 草の背は低いし。何と言っても俺もマイケルも意識がなかったから隠れたくても
 出来なかったはずだ。だけど俺が目を覚ました時はマイケルはいなかった。
 俺一人でここに寝ていた。どうしてかなあ?」
 晃は自分が寝ていた場所を歩き回って確認するように左右を見た。
「たぶん、マイケルはお前より先に目覚めて移動したんだ。
 お前はマイケルが起きたと同時にマイケルから追いだされてしまった。」
「という事はマイケルも俺が起きるまではここにいたわけか。」
「ああ、マイケルには意識も目的もないからまだその辺にいるかもしれないな。」
 ロバートが遠くを見るが、晃は自分がいた場所を凝視したままだ。
「いや、何か違う気がする。マイケルに俺は乗り移った。マイケルが先に目覚めるかな?
 俺の支配があるうちは俺が目覚めないとマイケルも目を覚まさないと思うんだよなあ。」
「どういう事だ?」
 ロバートの問いに、晃は難しい問題を解くせいか眉間に皺を寄せて答えを探している。
 そしてあの夜の記憶を色々巡らせていくうちに重要な事柄に思い至った。
「あの夜レオンがいたな。俺を殺した奴の傍に。なんでだと思う?」
 晃を暗殺したのはクリス・スワンだと晃自身知ったので晃は余りクリスの名前を言いたくない。
 クリスがニューヨークにいるのも、レオンと一緒にいるのも実に不思議なうえに、
 バンダム兄弟と出会ってしまったのも悪い偶然だ。ロバートもそこは気になっていた。
「地獄にいるはずのレオンがクリス・スワンに入れ替わったのを俺は確かに見た。
 たぶんレオンはクリス・スワンに憑依して成り替わろうとしていたんだろうな。」
 晃は益々険しい顔だ。レオンもクリスも晃にとって敵だ。
 …レオンとスワン、あの連中は何しにニューヨークに来ていたんだ?
「地獄から、どうやってここに?いや、理由はわかるよ。
 あいつが万里子を諦めてないからここにいるんだろうって。それも俺には大問題だ。
 万里子を諦められないあいつがスワンの傍にいたってことは、
 あの野郎、…スワンと万里子の関係を知ってやがる。アマデウスからスワンが万里子を
 奪い返しに来たのをどこかで見ていたのか、あの事件とは別に何か万里子を調べたか。
 レオンの目的は万里子だろう。だけど、あの夜…マイケルがレオンに何かされたよな。」
 ロバートも晃も大事な事をもやもや思い返した。
「ああ、レオンはマイケルに入らない状態でマイケルを操ろうとしていた。
 そんな真似が出来るなんてあいつは死んでも危険な奴だな。全く厄介な話だ。」
 晃は川向こうの摩天楼を見なおした。
 ニューヨークはレオンの組織の拠点だ。隅々よく知っている。





人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

遊びに来てくれてありがとね〜








  • URL:https://yaplog.jp/sibaenn/archive/2037
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:sibaenn
読者になる
https://yaplog.jp/sibaenn/index1_0.rdf
2019年11月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ