デモンドリーム・マンハッタンの悪夢ー301 みんな離れ離れ

June 28 [Wed], 2017, 12:34
 大橋のライトが一斉に点灯したが大橋から離れた川岸ではスミス教授が計画遂行を信じて
 麻酔銃を構えた格好のまま、取り付けられたを暗視スコープを覗き、
 摩天楼群に銃口を向けて狙っていた。
 ビル群背景をターゲットにその地点に旬がバンダム兄弟の誰かを
 引っ張ってくるのを狙って撃つ計画だからだ。
 じっと標的を狙い微動だにせず待機していたスミス教授はふと緊張を解いて銃を下した。
「アマグリ、作戦は失敗したようだ。キルユーは手ぶらで戻ってきた。」
 横で待機している甘栗にスミスはそう伝えた。
「桐生君…。」
 甘栗は旬の気持ちを心配した。
 甘栗とスミスがじっと向こうを見ていると大橋から飛空してくる旬の姿が見えてきた。
 誰も捕獲出来ずに戻ってくる旬が川の水面を音もなく飛空してくるその姿は
 スミスには実に不思議に見える。
 どうもキルユーとアマグリたちは色々秘密があるようだと思いながら今は
 事件解決を優先し疑念を迂闊に口にしないようにしている。
 スミスは作戦失敗でため息を小さくついた。
「だから考えが甘いと心配したんだ。」
 すると向こうから大橋付近で待機していたはずの横嶋九朗も走ってきた。
「先生〜桐生に伝えといてくれええ〜!!」 
 そのまま立ち止まらずに走りながらスミスと甘栗の前を爆走して向こうに走って行く。
「俺に悪気はなかったあれはホントにうっかりミスだって言っといてくれ〜〜〜」
 必死の形相で通り過ぎ、ドップラー効果で横嶋の背中から悲痛な声も漏れた。
「母ちゃん助けて殺される〜〜〜〜!!」
「なんだ?」
 デカイ筋肉オヤジが頭をひねり、小さいおじさん甘栗も同じく頭を傾げる。
「何だろうね?」
 横嶋は旬との通信が繋がっていたので事の顛末を知っている。
 大橋からこっちに逃げてきた間にもしかしてミスした俺の顔を見た桐生に激怒のあまり
 殴り殺されるかもしれないとハタと気づいて危険地帯からの脱出を図った。
 言い訳をするならば横嶋もずっと睡眠不足とエロ欲求不満状態で旬のケツに見とれながら
 手伝っていて注意散漫だったとか、
 そもそも純粋な特殊合金と違ってペンキ状態の新型特殊合金は電気を多く消費するのを
 うっかり失念して小型バッテリーを搭載した上に、急な捕獲作戦の付焼刃的な事態が
 重なり、急遽スミスとのシュミレーションで電気を使って充電しないまま
 すぐ出て行ってしまったとか、
 さっき走りながらそういった色々を思い出してももう遅い訳で…。
 横嶋の言い訳を黙って聞いてくれるような性格ではない旬の報復が自分に向くと思うと、
 それこそ共犯者であり、実際に旬の殺人を目撃している横嶋は
作戦失敗したから殺される〜〜〜と震え上がりながら自宅に逃走し、
 世界で最も安全な場所、つまりは旬の憧れる実母の傍に逃げて行った。
 心身ともに疲弊しきった旬は川に落ちそうになる身体をなんとか保って飛んでいる。
 できれば川に落下したマイケルを探したかったが、浮遊ボードはほとんど旬の筋肉で
 操っているのでもはや体力の限界なのだ。
 離れ離れになってしまったマークとマイケル、そして晃までが行方不明になったと
 旬は知らない。
「どこだアキラ?」
 ロバートも憑依した犬の脳から飛び出て広い川を飛んで晃を探した。
 大きな黒い川をぐるりと見回しても何も姿が見えず途方に暮れた。
「アキラ!どこに行ったんだ、アキラ?!」
 必死位で晃を探しても…マイケルも、何も…見えない。






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