凶美少年の甘い蜜は媚薬・麻薬・毒薬ー22 暗闇の喘ぎ声

March 06 [Thu], 2014, 12:20
 3人で高級高層コンドミニアムの自宅の壁を抜けてマンハッタンのド派手な
 繁華街に繰り出した。
 人人人でごった返した素敵なバーに入るとステージで赤毛の女が半裸で踊っている。
 横嶋は半裸の姉ちゃんを一目見ると女に飛びつき、涎を垂らした。
「うお〜〜〜、姉ーちゃんもっと腰振ってくれ〜〜〜。」
 他の人間には見えないので横嶋はダンサーの揺れるぱいぱいを右左右左と追いかけ
 指でつつく。
 その横嶋の後ろに並んで立つ晃とロバートはしみじみ呟いた。
「なんか久しぶりにエロだな。」
「おれは目のやり場に困る……。」
 真面目なロバートは真っ赤になったから晃に指を差されてからかわれた。
 晃達から見るとこの現実は全て立体映像みたいな物だが、こんな賑わいは最近
 久しぶりで音楽に合わせて二人も踊った。
 初めは普通に踊っていたがそのうち冗談で晃とロバートは互いに手を取ってタンゴの
 真似をして、晃が女役?ロバートがリードする男役?で腕を伸ばし、思い切りよく
 足を上げたりして立体映像の合間を笑いながら直進すると、
 どうやら他に浮遊霊がいたらしく何人かとぶつかってしまった。
「痛いぞ、お前ら、他人の迷惑考えろ!」
 絶対にすり抜けると思い込んでいた晃はむしろ嬉しそうにはしゃいだ。
「うわ、マジ?俺らのお仲間じゃん!」
 晃はめったに会えないお仲間に喜んで、ぶつかった連中に一人一人嬉しそうに
 握手して回った。
「よろしくねー、俺晃・桐生、アキラって呼んでねー!」
 笑顔で握手した手をブンブン振る明るいハンサムな青年に孤独な浮遊霊達は癒された。
 こうした賑わう場所に居ても互いに声を掛ける事もしないでぼんやりしていた連中は
 明るい兄ちゃんに話しかけられ色々答えて盛り上がり、他の奴らと輪を作って
 死んでから初めてというくらい楽しい気分になった。
「兄ちゃん面白いな。」
「さんきゅー、さんきゅー。」
 晃はヘラヘラ敵愾心ゼロの緩い笑顔で笑うから、すぐにみんな晃が好きになる。
 肉体が生きている連中は立体映像だが、死人同志は肉体がある様に感じて互いに
 抱き合ったり、小突きあったりして普段は互いを無視しあっていた連中が
 晃を中心に盛り上がりはしゃいで踊りだした。
 久しぶりの触れ合いであんまり楽しくて晃もロバートも時間の感覚を忘れ、
 それですっかり横嶋の存在を忘れていつの間にか横嶋がいないと気付くのが
 遅くなった。
 ロバートがふと周囲を見回して晃を呼ぶ。
「おい、アキラ、ヨコシマがいない。」
「あれ?いつの間に?どこか別の店に行ったのかな?」
 ロバートは嫌な顔をしてから飛び上がった。
「ちょっと一旦帰ってみる。アキラは遊んでろよ。」
「え?じゃあ俺も帰る。」
 晃が飛び上がったのでせかっく仲良くなった連中は晃に声をかけた。
「兄ちゃんもう行っちまうのか?」
「ああ、楽しかったよ!また会おうな!」
 明るい晃がいなくなるとみんな寂しそうな顔で小さく手を振りつつ見送った。
 二人が摩天楼のネオンの海を飛んでセントラルパーク側の高級コンドミニアム
 に着き、壁を抜けて旬の部屋に入ると変な声が聞こえる。
「オ〜ウ、オ〜ウ、オ〜〜〜〜イエスイエスイエスイエ〜〜ス!」
「ああ、ハアハアいやだ…やめろ…。」
 それは薄暗い旬の部屋で途切れ途切れに聞こえる旬のかすれた喘ぎ声だった。


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